443.地震と津波 (2004/12/28)

インドネシアの地震による津波被害は、時間が経つにつれてその甚大さがはっきりしてきました。観光客が多いリゾートが直撃されたため多くのビデオ撮影が残されており、これまで津波自体の記録があまりなかったため知られていなかった津波の被害が、明らかにされつつあります。


津波警報システムが完備されていなかった地域であったため、地震や津波の事を知らずに海岸にいた人が多かったと言います。非日常を求めて訪れる南国のリゾート地で、これほど厳しい現実を目の当たりにするとは思っても見なかったでしょう。


東海、南海地震も、今回の地震と同じ様な構造によって引き起こされると言われています。しかも、一番早いところでは、地震発生から10分後には津波の第一波が到来しますから、津波警報システムが正常に機能したとしても、津波から逃げるだけの時間が確保できるか疑問があります。


特に平野部の大都市では、海岸線からかなり入った地域でも浸水する可能性があります。津波と言えばやって来る波の威力が強いように思いますが、海に海水が戻る時の方が破壊力があると言われています。


南海地震では阪神地方も5メートルぐらいの津波が予想されていますが、このような津波が来てしまえば、人口密集地では今回の津波以上の被害が出るでしょう。


地震も津波も、予報が的中すれば被害がすべて防げると言うわけではありませんが、予報が出たとき、一体何を準備してどこに逃げればいいのかを、もう一度考えておく必要がありそうです。南海地震を想定した訓練を阪神間の各都市で実施したとき、不法駐車によって水門が閉まらなかったりするなどの問題が指摘されたそうです。


近いところで発生した地震の場合、まず大きな揺れがありますから、それと同時に津波に対応しなければなりません。余震が続いている可能性もあり、そのような状況で津波に対して適切な判断が出来るでしょうか。


今回の津波被害で学ぶことは多いと思います。

442.技術とマナーを同時に磨く (2004/12/28)

電車の中の優先座席付近や禁止区域では、携帯電話をマナーモードにするのではなく、電源を切るようになりましたが、果たして何割の人が実行しているのでしょうか?


なかには優先座席に座りながら、大声で携帯電話で話している人がいたりします。(大阪のマナーが悪いからか?)禁止区域以外でも、大きな着メロを鳴らしながら平気で通話している人を必ず見かけます。


勿論、ルールとして守っている人も多いでしょう。通話を済ませてから乗車する人もいますし、乗車中に着信情報だけを確認している人もいます。ただ、傍若無人に携帯電話で通話している人がいる限り、我慢し続けている人には不公平感が残ります。


そもそも自動車電話から始まった移動通信ですから、携帯電話も移動しながら使わなければ価値が半減すると言えます。PHSは高速に移動しながらでは使えませんから、携帯電話が使えると言うことは優れた特長です。


携帯電話に掛かってくる電話に、緊急を要する重要なものがほとんどないことは、電車の中で大声で通話しているのを聞いていると(イヤでも聞こえてくるのです)良く分かります。しかし、せっかく移動中に通話できる技術があるのですから、それを生かすための方法はないのでしょうか?


私は、小声での通話なら決して迷惑だとは思いません。携帯電話はかなりの小声でも通話することが出来ます。「428.通話と会話のどちらが迷惑? 」の雑記にも書きましたが、迷惑さにおいては会話と通話は大差ないように思います。


それにも増して、現在の電車の中での通話の状況を見ていると、人間というものは電話が鳴れば緊急の電話かも知れないと考えたり、出なければ相手に失礼になるのではないかと考えたりするのは、ある程度仕方がないことなのかと思えてきます。


今、日本の鉄道のいくつかの場所で、列車内無線LANの実験が行われています。目的は、司令所と各列車の間の情報の交換だったり、車内からの高速通信の可能性の検証だったりしますが、いずれ列車内がホットスポットになるかも知れません。そうなれば、無線LANを使ったIP電話を、電車内で無制限に使うことが出来るようになります。


ただし、通話の声の大きさは、何か考える必要があるかも知れません。例えば、小声で話しても自分の声が大きく自分に聞こえるようにすれば、大声で話すと自分がうるさいですから、否が応でも小声になります。


世の中を便利で快適にしていくためには、技術を磨くだけでなく、マナーも同時に磨いていかなければならないのでしょう。

441.パームが甦る日7: 文字の書けない電子手帳 (2004/12/28)

さて、PDAがパソコンに頼っているのは、バックアップを取るためだけではありません。文字入力に関しても、パソコンの力を借りて行っている方は多いでしょう。


パームデスクトップと呼ばれるパソコンで実行するソフトウェアは、パームをパソコンと連携させるためにはなくてはならないものです。パームの基本的なアプリケーションをそのままパソコンの画面上で再現することが出来ますから、予定やメモをパソコンを使って高速に入力することが出来ます。


ところで、皆さんが辞書を買おうとするとき、何に着目して選ぶでしょうか?収録語数内容は勿論重要ですが、それと同時に「引きやすさ」を重視するのではないでしょうか?字の大きさ見出しの付け方字の大きさから紙の質装丁まで。あらゆる書籍の中で辞書ほど機能を重要視するものはないかも知れません。


電子辞書を選ぶ場合も同様です。売場に並んでいる電子辞書を使って、ある言葉の意味を調べるわけですが、引きやすさは重要な要素です。いくつかの電子辞書を試してみて、一番引きやすかった機種は印象に残るはずです。


手帳を選ぶときも、ページのめくりやすさや記入のしやすさは重要でしょう。手帳なら実際に書いてみなくても、使いやすいかどうかはすぐに判りますから、中のページをパラパラとめくっては、使いやすいかどうか判断をするのです。


このサイトを始めたころ、こんな雑記を書いたことがありました。つまり、売場においてあるパームを見て、使いやすい、便利だと思う人がいるのかと言うことなのですが、そもそも電子手帳にはまともに字が書けないのです。


電子辞書を買うつもりではなかったのに、売場でその便利さに感心して買って帰る人がいる、その隣のパーム売場では、買う気で来たのに文字を書き込むこともできないために、そのまま買わずに帰ってしまう人がいるのです。


文字を書くにも訓練が必要な手帳なんて、一体誰が買うのでしょうか?


ここにもパームがパソコンに頼りすぎた弊害があります。入力しにくければパソコンで入力して"HotSync"すればいいと。少なくとも紙の手帳は、それだけで完結しているのです。電子手帳はパソコンがなければ使えないものだとしたら、それはパソコンの付属品に過ぎないのです。


実は、パームへの文字入力をいかに賢く行うかは、大変難しい問題です。グラフィティーは優れた方法でありますが、慣れが必要になります。この文字入力とPIM機能の充実に関しては、最終回で提案してみたいと思います。(今から考えます。)