インドネシアの地震による津波被害は、時間が経つにつれてその甚大さがはっきりしてきました。観光客が多いリゾートが直撃されたため多くのビデオ撮影が残されており、これまで津波自体の記録があまりなかったため知られていなかった津波の被害が、明らかにされつつあります。
津波警報システムが完備されていなかった地域であったため、地震や津波の事を知らずに海岸にいた人が多かったと言います。非日常を求めて訪れる南国のリゾート地で、これほど厳しい現実を目の当たりにするとは思っても見なかったでしょう。
東海、南海地震も、今回の地震と同じ様な構造によって引き起こされると言われています。しかも、一番早いところでは、地震発生から10分後には津波の第一波が到来しますから、津波警報システムが正常に機能したとしても、津波から逃げるだけの時間が確保できるか疑問があります。
特に平野部の大都市では、海岸線からかなり入った地域でも浸水する可能性があります。津波と言えばやって来る波の威力が強いように思いますが、海に海水が戻る時の方が破壊力があると言われています。
南海地震では阪神地方も5メートルぐらいの津波が予想されていますが、このような津波が来てしまえば、人口密集地では今回の津波以上の被害が出るでしょう。
地震も津波も、予報が的中すれば被害がすべて防げると言うわけではありませんが、予報が出たとき、一体何を準備してどこに逃げればいいのかを、もう一度考えておく必要がありそうです。南海地震を想定した訓練を阪神間の各都市で実施したとき、不法駐車によって水門が閉まらなかったりするなどの問題が指摘されたそうです。
近いところで発生した地震の場合、まず大きな揺れがありますから、それと同時に津波に対応しなければなりません。余震が続いている可能性もあり、そのような状況で津波に対して適切な判断が出来るでしょうか。
今回の津波被害で学ぶことは多いと思います。