久しぶりに算数の問題です。あなたなら何と答えますか?
問題
(1)半径2センチメートルと10センチメートルの、大小2つの円があります。今、大きい方の円を固定して、その外周に小さい方の円を、すべらないように接しながら大きい円の周りを1周させたとしたら、元の位置に戻るまでに何回転するでしょうか?
(2) (1)と同じ円において、大きい方の円を固定して、小さい方の円を大きい円に内接するようにしてすべらないように1周させたとしたら、元の位置に戻るまでに何回転するでしょうか?
半径の比が1:5ですから、円周の比も1:5になります。ですから大きい円の周りを1周回る間に、小さい円は5回転するはずですから答えは「5回転」。
(2)も、外接しようが内接しようが円周の長さに変わりがあるはずもないので、「5回転」。
そりゃそうでしょう、ピッタリ円と円が滑らずに円周を寄り添いながら回転するのですから、円周の長さだけを考えていれば良い筈です。
(でも、外接と内接が同じ答えではいけないような気もするな。しかも、これでは小学校6年の問題にしては簡単すぎるか?)
少し不安を感じながらもこれで合っているに違いないと解答を見てみると、
(1) 6回転
(2) 4回転
とな。
「うーむ!」
思わず唸りましたね。「何なんだ! このテーブルマジックは! トリックがわからん!」 (別にマジックではないですが。)
しばらく悩んで思い出したのは、月の自転でした。月は地球の周りを公転する間に1回自転をするために、地球からはいつも同じ部分が見えています。地球から見ていると、月は自転していないように見えますが、実際は1自転していると言うのと同じ原理です。
大きい円の外周を回るときは同じ回転方向に1回多くなり、内接する場合は1回少なくなるのです。
「やってくれたな」と苦笑いでごまかしながら、またカッコ悪いお父さんを演じなければならないのでした。