少し前から気になっていたのですが、帰りの電車の駅にある本屋に来年の手帳が並ぶようになって、1ヵ月半近く経ちました。
当初はほとんどお客さんがその前を素通りしていたので、手帳も最近はあまり売れていないのかと思っていたのですが、今月に入ってからは日増しに手帳を眺めるお客さんが増え、今週あたりからは常に何人かのお客さんが物色しています。
いったんパームを使い出した者から見れば原始的でさえある手帳ですが、手帳を使い慣れた者からすれば手放すことができないのでしょう。パームのPIMが便利だと いっても、長年愛用した手帳から乗り換えるには魅力が乏しいのかも知れません。
またパームを初めとするPDAが圧倒的に手帳に勝っているのかと言うと、どうもそうではなさそうに思えるのです。
昨日、帰りの電車の中に手帳の広告があることに気付きました。「能率手帳」で す。本屋に並べてあったあの手帳です。
その広告によると、1949年に発売されて以来55年間使い続けられており、現在では120種以上のラインアップによって毎年1000万冊を発行しているとの事。発行部数では信用できないと思って能率手帳のホームページを見てみると、販売が1000万冊であるとか書かれているではないですか!
能率手帳一ブランドだけで1000万冊なら、世の中の手帳全部をあわせると数千万冊になるに違いありません。PIM機能を持った携帯電話がこんなに普及していて
も、紙の手帳がそれとは別にこれほど利用され続けているのです。
これでは、携帯電話にPIM機能が搭載されたために、PDAが普及しなかったという理由は成り立ちません。PDAは手帳に勝てなかっただけなのです。
これらの手帳のユーザーにパームのすばらしさを積極的に紹介することができるならば、またパームが革新的なPIM機能を搭載して紙の手帳を凌駕することができるならば、全部とは行かないまでもかなりの手帳ユーザーを取り込むことができるのではないでしょうか?
ここで疑問を感じる方がいらっしゃるかもしれません。「パームは原始的な手帳に比べて便利なのは間違いないし、もう既に多くの手帳ユーザーがPDAに乗り変えて
いるはずだ」と。
それはその通りだと思います。一般的に電子化された機器が、それまでの方法に比べて進歩的であることはほぼ間違いないでしょう。
しかし、それが使いやすいかどうかと言う問題になると、使い慣れた手帳にはその人そ れぞれが培ったノウハウが秘められていて、意外と現在のパームのPIM機能では歯が立たないこともあるのではないかと思うのです。ひょっとして、今のパームは、手帳に出来ることをただ単に電子化しているだけなのかも知れません。
電子機器の好きな人には電子化するだけで十分魅力的に見えても、そうでない人にとってはただ面倒臭いものに見えるだけかもしれません。
では、これまで手帳を愛用してきた人にパームを魅力的に見せるには、どのようにしたら良いのでしょうか?