429.バーチャルな世界と現実的な世界 (2004/12/13)

ソニーのハンディーゲーム機、プレイステーション・ポータブル(PSP)が発売されたそうです。これまで携帯機器が得意なソニーにこのようなゲーム機がなかったのが不思議なぐらいですが、満を持して投入するだけあってなかなか魅力的な製品のようです。


ギア好きの職場の同僚が発売日に手に入れて持ってきていたので少し眺めさせてもらいました。2万円そこそこの価格にしてはかなりの高級感を漂わしています。


ブラックの筐体だったのですが、アルミ素材と思われるシルバーとのコンビネーションも良く、大人が電車の中で遊んでいても違和感がない大人のデザインを目指したと言うだけあって、ソニーらしい垢抜けたものに仕上がっています。


液晶画面も今回はシャープ製のものが採用されているそうですが、その画面の美しさは特筆もので、PEG-VZ90の時よりさらに際立っています。


全体の質感は、クリエの5万円クラスと匹敵しています。これが2万円で買えるのですから驚きです。ゲームだけでなくビデオの再生機としても利用できますから、ゲームを特にしない人でも思わず買ってしまうかも知れません。


ハードウェアを売り切ってしまえばそれでおしまいになるクリエでは、ハードウェアだけで利益を出さなければなりませんから、赤字覚悟でハードウェアを奢るわけにはいきません。しかしゲーム機は、後でソフトの売り上げが付いてきますから、ハードウェアの価格は購入のハードルが低い事が必要です。誠にうらやましい限りです。


Project Palmの機長さんが、「ハード戦争のフリをしたソフト戦争?」と言うコラムで紹介されておられますが、子どもより大人のユーザーが多い事は知りませんでした。


そう言う私も、学生の時は「インベーダーゲーム」に必至になっていたテレビゲーマーの第一世代。今でもテレビゲームは嫌いではないのですが、子どもにゲームのやり過ぎを叱る立場上、自分から進んでゲームをすることはなくなりました。


ところで、同じソニーが製造するプレイステーション・ポータブルとCLIEは、ハードウェア的にはかなり似た製品ですが、性格はかなり異なっています。


一言で言うと、バーチャルな世界を創造するプレイステーション・ポータブル」現実的な世界を再現するCLIE」と言ったところでしょうか。販売台数は、バーチャルなプレイステーション・ポータブルの方が、現実的なCLIEより圧倒的に多いことでしょう。


何となく世の中のすべてが現実から逃避して、バーチャルの世界に逃げ込もうとしているのではないかと思ってしまうのは、私だけでしょうか?(それは考え過ぎ、あるいはひがみ過ぎです。)

428.通話と会話のどちらが迷惑? (2004/12/13)

少し前の「416.車内迷惑十傑 (2004/11/26)」の雑談で、混雑した電車の中で迷惑なものを取り上げたことがありました。狭い場所では周りに発散される全てのものが、近くにいる人には迷惑になり得ると言う話だったのですが、その中の話し声について最近思うことがあるのです。


皆さんは「会話における話し声」と、「携帯電話で通話中の話し声」のどちらが周りに迷惑であるとお考えですか?あるいはどちらをよりうるさいと感じますか?


よく通話は会話の片方しか聞こえない不自然な会話であるため、通常の会話より不快感が増すと言われます。しかし、二人で会話している場合でも、一方の声だけが聞こえて相手の声が聞こえないことがあります。


電車の中で、さっきから大声で携帯電話を使っている人がいるなと思って振り返ってみると、電話で通話していたのではなく、大声の人が小声の相手と会話していたなんてことがあったりします。


では、その時あなたは、小声で会話する人にもっと大声で会話して欲しいと思うでしょうか?「そんな小声で話すから、携帯電話を使っているのと勘違いしてしまいました。もっと会話らしく相手と同じ大きさの声で話してください。」 と。できれば小声の人はそのままで、大声の人に静かになってもらったほうがより快適になるでしょうね。


私が利用する電車では携帯電話での通話が制限されていますが、相変わらず多くの人が携帯電話で通話しています。大声で通話していて離れていても迷惑だと感じることもありますし、小声で話されていて近くにいても通話中であることに気付かないこともあります。


携帯電話で小声の通話をするより、大声を撒き散らす会話の方がより迷惑なのではないでしょうか?確かに携帯電話で話す人の声は大声になりやすいの傾向はありますが、「携帯電話の通話」であろうが「人と人との会話」であろうが、大声はうるさいものなのです。


それならば、電車で制限するのは携帯電話であるか会話であるかに関わらず、「大きな声」を制限するべきでしょう。


もし小声の通話が迷惑でないとしたら、混雑した車内での小声での携帯電話の使用を禁止する理由はありませんし、電車で携帯電話を使いたくてもこれまで我慢してきた多くの人たちには、小声での通話が認められればそれに越したことはありません。


ただし、心臓ペースメーカーの誤動作を防ぐ意味での携帯電話禁止に関しては、特定の場所では通話やメールの制限ではなく電源オフが求められていますから、これはこれで徹底的に守られるべきでしょう。


電車内での携帯電話による通話の制限がなくなれば、いつでもどこでも着信・発信ができる携帯電話本来の機能を生かすことができます。マナーを守りながら携帯電話を有効に利用することは、将来のユビキタス・コンピューティングにもつながっていくのではないでしょうか?