647.いつまでもあると思うな無料サービス (2007/09/16)

無料で提供されているサービスが、知らない間になくなっていることはよくあることです。何らかの目的があって提供されているのですから、その目的が達成されれば続ける必要はありませんし、無料ですから正式な契約があるわけではなく、サービスを保障する義務もありません。


実は8月の末頃から、ウィルスの定義ファイルが更新されなくなっていました。以前ご紹介した"Active Virus Shield by AOL"は、パソコンを起動すると毎日数時間ごとにウィルス定義ファイルを更新していたのですが、更新にかかる時間が以上に長くなったなと思っていたのです。


更新ログを見ると、通常なら一つ目のAOLのサイトからダウンロードされていたのですが、サーバーに接続できず、その後カスペルスキーのサイトに接続を試みるも全て失敗していたのです。


一体どうなっているのかと思って覗いてみたURLがこちら"We’re Sorry!  AOL Active Virus
Shield is no longer available."
とあっさりしたものです。


すると今度は、"McAfee Virus Scan Plus-Special edition
from AOL"
を無料で提供しているとのこと。ウィルスとスパイウェアに対する保護だけでなく、ファイヤーウォールも装備しているのなら、乗り換えるのも一考かと思います。


ただ無料だから仕方ないとは言え、"Active
Virus Shield"をサポートしていたのが約1年ですから、もう少し長くサポートしてもらいたいものです。


おそらく、パソコンの使用状況をAOLにレポートするのが目的ですから、ある頻度でサポートするソフトウェアを入れ替えた方が必要な情報が集まりやすいのかも知れません。


無料のウィルス対策ソフトとしては、以前ご紹介した、



  • avast! 4 Home Edition
  • AVG AntiVirus Free
  • Avira AntiVir PersonalEdition Classic
  • BitDefender 8 Free Edition

に加えて、Googleパックの中にも、"Norton Security Scan" と "Spyware Doctor スターター エディション"があります。ただし、GoogleとBitDefenderには常駐ウィルス監視はありません。


そこで、今回は比較的CPUに対する負荷が少ないとされる、"AVG AntiVirus Free 7.5"をインストールしてみることにしました。


有料版に較べるとオプションが少なく、ウィルス定義ファイルのアップデートの頻度が限定されるものの、それでも一日に一回は更新されるようです。確かにCPU負荷が押さえられているのは、フルスキャンをやっているときに実感できます。


"AOL Active Virus Shield"は、パソコンの終了時に止まってしまうことがあったり、パソコンの情報をAOLに送信しているという不安感がありました。


AVGはそのようなことはなさそうですし、オプションが制限されているとは言っても必要な設定は十分出来ます。avast!のようにオプションが多すぎて設定に困ってしまうよりは、シンプルで使いやすいと思います。


無料ウィルス対策ソフトは、有料版に導くための試供品としての位置づけであったり、AOLのようにデーターを集めるための手段に使われることが多いのですが、最低限パソコンをウィルスから保護するには十分な機能を備えていますから、利用価値の高いものとしてお勧めしたいと思います。

640.TYPO3と奮闘中 (2007/06/04)

サイトの更新をサボっていると、あっという間に日が経ってしまいます。五月は一回も更新しないうちに終わってしまいました。歳を取るのも早いはずです。(あまり意味なし。)


実は、ここしばらく少しずつではありますが、密かにCMSの勉強をやり始めております。数ヶ月前、レンタルサーバーをグレードアップしたのですが、その目的はCMSを使ってサイトを構築することでしたから、そろそろサーバーの機能を有効に使いたいと思っておりました。


そもそもサイトをBlogに移行したのは、ホームページビルダーではサイト更新の度にインデックスやリンクを同時に変更する手間が大変になってきたためでした。Blogを使ったのは、日記サイト構築ツールというよりは、コンテンツ・マネージメント・ツールとしての機能を利用するためでした。


もちろん、Blogが個人サイトの運営における潮流になっていたのに乗っただけといわれれば、確かにそのとおりであります。しかし、当サイトは、コメントやトラックバックといったBlogを特徴付ける機能の恩恵をあまり享受できないため(俗に言う「不人気サイト」!)、Blogにこだわる必要もないだろうと考えていたわけです。


今使っているさくらインターネットのスタンダードプランでは、BlogツールのMovableTypeと並んで、CMSツールのXOOPS対応を謳っており、以前からXOOPSをインストールして試しておりました。


ただ、XOOPSの機能を拡張するためには、希望する機能を提供してくれるモジュールを探してきてインストールしなければならないのですが、探し方が悪いのでしょう、なかなかうまく情報に行き当たらないのです。そこで、もう少し初心者向けのCMSはないものかと、検索サイトで物色を始めてみました。


すると出てくるは出てくるは。"CMS Matrix"というサイトには、オープンソースのCMSだけでも700以上ものソフトウェアがリストアップされています。


このサイトでは、いくつかのツールを選んで機能の比較をすることができ、また比較項目ごとにランキングされており、セキュリティーやサポート、パフォーマンスごとに、どのツールの評価が高いかを表示することができます。


例えば、フレキシビリティーの項目では、




  1. FlexCMS 9.99
  2. MySource Matrix 6.87
  3. TYPO3 6.84
  4. Plone 6.80
  5. MODx 6.76
  6. eZ publish 6.66
  7. DotNetNuke 6.50
  8. Drupal 6.49
  9. Xaraya 6.46
  10. ExpressionEngine 6.43



を筆頭に、延々とツールが順位別に並んでいます。


いろいろな評価項目における順位をながめておりますと、総合的に高い評価を得ているツールがいくつかありました。TYPO3はその中のひとつで、ヨーロッパを中心に盛んに利用されている、ドイツ発祥のツールのようです。


サイトを覗いてみますと、なかなか手ごわそうなことが書かれています。"Hi,
and welcome to TYPO3!"というツールの紹介ページには、「もしあなたが勉強に1ヶ月を費やす余裕がないなら、誰かの助けを借りるか、どこかよそのCMSツールを探しなさい。」と書かれています。Welcomeという割には、かなり突き放した対応のようです。


曰く、フレキシビリティーと豊富な機能(Richness)には、複雑さ(Complexity)が付き物だと。


さらに続きます。TYPO3は、とても巨大で能力が高いので、すべてを知るためには1週間では無理であり、常にサイトの開発者は長いLearinig
Curveを必要とするとあります。


不用意に検索サイトでTYPO3の記述を探すと、やたらドイツ語のページに行き着いてしまいますが、ドキュメントやビデオによる解説も豊富にあるようですので、気長に勉強するのにネタは十分ありそうです。


どうせ、XOOPSも良く分からなかったですから、TYPO3も良く分からなくて当然と言う構えで、ビデオを使った独習を始めてみました。


年末までに今運営している同窓会のサイトを改良しようと思っていますので、そのときのツールとして採用することをとりあえず目標として、のんびりと勉強してみたいと思います。(のんびりしていては年内には無理かも知れないが。)

638.無料ウィルス対策ソフトウェア5: ウィルス対策に隙は付き物 (2007/04/25)

今回、いくつかのウィルス対策ソフトウェアを試してみたのですが、改めてウィルスの脅威を感じると共に、完璧な対策の難しさを感じました。


アンチウィルス・ソフトウェアのウィルス検出能力ランキングでは、それぞれのソフトウェアの検出能力を最大限に発揮するように設定して行っています。しかし、それでも100%に到達するのは困難ですし、50%にも達しなかったソフトウェアも多かったようです。


また、ヒューリスティック・アルゴリズムを使って、定義ファイルにないウィルスに対応するものもありますが、新種のウィルスが日々登場している現状では、常駐スキャンを行っていても安心はできません。


ウィルス定義に反映されない間に感染したウィルスを除去するために、フルファイルスキャンを行わなければならないということ自体、ウィルス対策に隙は付き物であることを示しています。


一方、今回試してみたAOLが提供するActive Virus Shieldは、それ自体がスパイウェア的な動作をするために、インストールをためらいます。


そもそも、ウィルス対策ソフトウェアはウィルス情報を自動的に収集・転送しますから、信頼できるソフトウェア会社のものを使いたいものですが、この信用できる会社がこの世の中にあるのかどうかも疑わしいところです。


とにかく、ネットワークにつなぐことは情報の漏洩の危険性をはらんでいるということを、常に肝に銘じておくべきでしょう。


今ではパソコンだけでなく、携帯電話やデジタルテレビ、オンラインゲーム機など、多くのデジタル機器がインターネットに接続されています。ウィルス感染の危険性に常にさらされてきたパソコンと、同じ轍を踏まないようにしてもらいたいものです。

637.無料ウィルス対策ソフトウェア4: BitDefender (2007/04/24)

このソフトウェアを開発したのは、1990年に創設されたSOFTWINを言う会社で、過去5年間に年率50%以上の売り上げの増加を記録しているそうです。


BitDefenderは、200カ国、4100万の個人や企業での実績があり、東ヨーロッパのソフトウェア産業のリーダーだといっています。(bitdefenderの公式サイトより)


無料ウィルス対策ソフトのBitDefender 8 Free Edition は、マニュアルやスケジュールスキャンのみで常駐スキャンはありませんが、そのためその他の常駐ウィルス対策ソフトと同居させることができます。


インストールは特に問題なく終了しました。確かに常駐スキャンのオプションは、オフのままで変更できないようになっています。マニュアルスキャンのオプションは、十分揃っているようです。


インストール後はスタートアップ時に自動的にロードされるのですが、これは常駐スキャンができる製品版と同じ設定になっているためで、後からスタートアップ時のロードをしないように設定することができます。


スキャンの速度は、Active Virus Shieldよりは少し早いようですが、どちらかと言えば遅いほうの部類かもしれません。ウィルス定義の自動更新もできますが、非常駐スキャンしか使えませんから、自動更新のチェックをはずしてオンデマンドで更新した方が良いでしょう。


メニューは英語のみですが、ひとつ気になると言うか面白いのは、メニューのフォントが変わっていて文字が読みにくいことでした。これはこれで、如何にも東ヨーロッパっぽくてよいのですが、メニューを選択するときに読み間違えないようにしなければなりません。


さて、BitDefenderをインストールした後で、Active Virus Shieldの常駐スキャンがTrojanの警告を発しました。以前にインストールしていたJavaのパッケージの中のひとつのファイルが引っかかったようです。


一度フルスキャンをやったときにはパスしましたので、ウィルス定義が更新されたため発見されたのでしょう。試しに、そのファイルをBitDefenderでマニュアルスキャンをしてみたのですが、すんなりとパスしてしまいました。


ActiveVirus Shieldがウィルスを発見すると、警告の画面からウィルス情報サイト”Viruslist.com”へのリンクが表示されます。しかし、そのサイトで検索してもそのファイルがウィルスであるという情報はありませんでした。


ウィルス検出能力が高いとFalse Errorが多くなるのでしょうが、この場合どちらのソフトを信じれば良いか判断の難しいところです。3つ目のソフトウェアの意見を聞いてみたくなります。


Active Virus Shieldによる一度目の検疫は失敗したのですが、一度削除してからリストアした後では検疫することができました。


今回試したBitDefenderは、少しメニューの文字が読みにくいことを除けば、安定した動作と高いウィルス検出能力を持っているようです。常駐スキャンがないためこれ一本と言うわけにはいきませんが、安心感を高めるためにインストールしておくのも良いのではないでしょうか。

636.無料ウィルス対策ソフトウェア3: Active Virus Shield by AOL (2007/04/23)

さて、無料ウィルス対策ソフトの比較を行う上でよく参照されているサイトに、GIGAZINEがあります。「アンチウイルスソフトウェアランキング、最強はどれ?」を見てみると、無料ウィルスソフトの検出率が、よく名前を聞く有料ソフトと遜色ないことが分かります。


ノートンのアンチウィルスと言えば、一番売れているウィルス対策ソフトとして有名ですが、それよりも無料ソフトのほうが性能がよいとなれば、お金を払うことに疑問を持つのも当然でしょう。


ただし、この比較に用いられた147184個のウィルスは、 Kaspersky、 F-Prot、 Nod32、 Dr.Web、 BitDefender、McAfeeから提供されたもので、ノートン先生が使い慣れたノートに記載されていないものも多かったのでしょう。


また、2006年8月が最新の結果ですから、その後のウィルス検出状況によっては、検出能力が変わってきていることも考えられます。


しかし、そうは言ってもKasperskyの検出能力は魅力的です。価格.com事件のウィルスに一番早く対応していたと言うのもうなずけます。その同じ検出エンジンを搭載した、AOLから無料で提供されているActive Virus Shieldは、無料ウィルスソフトとして、真っ先に候補に挙がることでしょう。


ただし、AOLとの契約で、AOL関連の企業からのメールを受けなければならないことや、パソコンの使用状況が吸い上げられることに同意しなければなりませんから、誰にでもお勧めできるわけではありません。


一度、最高の検出能力を持ったソフトを試そうと、インストールしてみたのですが、常駐スキャンでは問題が出ないものの、ファイルのスキャン(特にMy Comupter
Scan)ではかなりの確立でフリーズしてしまいます。


このソフトは、インストール後必ず一回はフルスキャンを実行しなければなりませんから、完了するまで何回もフリーズを繰り返すことになってしまいました。


これはAOLバージョンだけの問題ではないようで、純正のKasperskyでも同様の問題があるようです。対策としてメールファイルに対するスキャンを対象からはずすことが、Kasperskyのフォーラムでアドバイスされています。どうも古いメールのファイルがあると、そのフォーマットに対応できずフリーズすることがあるそうです。


ただ、私の場合はメールのスキャンをやめても変化せず、またフリーズするファイルも一様ではありませんでした。


何回かフリーズを繰り返しながら、やっとフルスキャンが完了したのですが、そのフルスキャンも3時間ぐらいかかりました。


Kasperskyのソフトウェアの優れた点は高いウィルス検出能力だけでなく、スパイウェアも同様に検出できるところにあります。スパイウェア対策ソフトを使う必要がないのでありがたいのですが、ファイルスキャンで何回もフリーズするのでは安心して使うことができません。


少し古いバージョン5では、フリーズだけでなく、Windowのブルースクリーンになったり、OSのインストールのし直しが必要になったケースもあったそうです。もう少し待ったほうが、安定してくるのかもしれません。さて、ファイルスキャンがなかなかうまくいかないのですが、一度フルスキャンが通ってしまった後の常駐スキャンは、問題なく動作しています。


無料バージョンでは常駐スキャンが提供されていないのですが、BitDefenderという、マニュアルスキャンで高いウィルス検出能力を誇っているソフトウェアがあります。常駐スキャンはActive Virus Shieldで行うことにすれば、ウィルス検出能力では定評のあるソフトで常駐・非常駐スキャンに対応することができるでしょう。


そこで、BitDefenderを、Active Virus Shieldに加えてインストールしてみることにしました。