394.マイベストPalm (2004/10/12)

デラデラメモ《NEO》から始まったとされる「マイベストPalm」。いろいろな方が参加されておられるのを見ていると、それぞれに各人の思い入れがあるようでおもしろいものです。


特に印象的なのはPalmV系の人気がいまだに衰えていないところです。特にベスト3をすべてV系でかためた組長さんは、さすが筋が通っていてすがすがしさを感じます。


V系はデザイン的に優れているばかりでなく、機能性や外装表面の耐久性などを含めても完成したものと言えるでしょう。ですから、このデザインを踏襲して発展させることは難しかったのかも知れません。


そこで、パームが次に出してきたのがm100系でした。V系とは打って変わってすべてがプラスチックで出来ており、安っぽさは抜群!わざとそう見えるようにしたとしか思えません。つまり、コストダウンした結果ではなくて、コストを掛けて安く見えるように作ったのです。(そんなわけないか!)


このプラスチック筐体の耐久性はなかなかの物で、ガシガシ使うにはもってこいです。アメリカ製の製品はただ無骨の様に見えて、結構大雑把な物が多いのですが(そのままです)、繊細さがないだけに使い込んだときの包容力があるように思うのです。


何かこの「どうぞ好きなように使ってくれぃ」みたいな大らかさが心地良いみたいな感じです。CLIEは格好は良いのですが、機嫌を伺いながら使わなければならないような気がして、私には負担になります。(金銭的にも!)


そこで私のベストPalmは、m100!


手帳の代わりをしてくれるにはこれだけで十分。それ以上は望みません(望めません)。


さて、先週大阪・梅田のヨドバシカメラに行ったら、またPDA売場が奥に押し込められて縮小していました。


次は通販でしか手に入らないようになりそうです。何とかこの状態を打破する方法は無いものでしょうか?

393.2画面特許の顛末 (2004/10/08)

もうかなり古い話しになってしまいましたが、「93.2画面特許 (2003/05/08)」でご紹介した携帯電話のディスプレーの特許の民事訴訟の判決が、9月16日に東京地方裁判所で言い渡されたと言うニュースが、「日経IT Pro」に掲載されています。


判決では、被告側のNECとドコモの言い分を認めたそうですが、すべての携帯電話ばかりでなく、DVDプレーヤーやPDAまでもが特許の対象になっていましたから、ほっと胸をなで下ろした関係者も多かったのではないでしょうか?


勿論まだエイディシーテクノロジー側が控訴する可能性もありますから、判決が確定した訳ではありませんが、取りあえず法外な特許使用料によって利用者が迷惑を被る事は避けることが出来そうです。


そもそもこの特許自体が胡散臭いものでしたから、当然の結果かも知れませんが、判決の理由があまり正確に伝えられていないので、どのように携帯電話が特許の対象から外れていると見なしたか、興味のあるところです。


当初この特許が申請された時には、ペン入力のPDAも対象になっていましたが、請求項の修正を行っていく過程で、当時人気が出だした2つのディスプレーを持つ携帯電話の的を絞った結果、最終的に2画面特許となった経緯があります。


つまり、2画面を持つ携帯電話が普及しだした後に修正された請求項に対して、裁判所がどのような判断を下すかを注目していたのですが、今回のニュースではあまり正確に報告されていないのが残念です。


いずれにせよ、携帯電話を始め電子機器でディスプレーが2つあるものは、難を逃れることが出来て一安心です。


特許は、すばらしいアイディアを広く公開し利用することによって、社会や生活を豊かにするのが本来の目的です。既に広く利用されていることを、後から特許にして独占し利益を得ようとするのは、豊かになる事を妨げる行為です。


人々に利用されて本当に喜ばれるような特許を、考え出してもらいたいものです。

392.ナパ・ワイナリー紀行8: まとめ (2004/10/06)

JALのパイロットの皆さんがサンフランシスコに滞在する時には、よくナパまでワインの買い付けに行かれると聞いたことがあります。またワイナリー巡りは、サンフランシスコに住んでいる人たちの、週末のワンデイトリップとして人気があるようです。


今回訪れた時には時間がなくて寄れなかったのですが、"V.Sattui Winery"と言うワイナリーが St. Helenaにあり、地元の人たちに人気があります。


1885年から続く家族経営のワイナリーで、賞を取るほどの品質を誇りながら外販はせず、ここのワイナリーだけでしか手に入りません。ですから地元の人たちは、ここを訪れた時には箱単位で買い占めて行くそうです。


また、ランチとしてグルメ・デリが充実していて、ピクニックテーブルも用意されているので、家族で訪れる人たちには特に人気があります。


ナパには300以上のワイナリーがあり、またすぐ隣のソノマには250以上あると言われています。カリフォルニアではこれら以外にも、5つの地区でワインを製造しています。

ナパはその中で最も規模も大きく中心的存在であるわけですが、10数年前にはぶどうの木の病気で植え替えなければならなくなり、また地下水系にも問題があったそうです。


比較的歴史が浅いカリフォルニアのワイン産業も、今が転換期なのかも知れません。フランスでのワイン消費の低迷や、ワイン産地の新興勢力の台頭など、ワインの世界地図が大きく塗り替えられる時期に差し掛かっているのでしょうか?


今後、ロバート・モンダヴィオーパス・ワンが、何らかの変革を伴いながら変わっていくことは必至です。それは確かに寂しいものではありますが、今の姿も昔から変化してきた結果だと考えると、希望を持って受け入れて行かなければならないのでしょう。


さて、ナパのワイナリーをいくつがご紹介して参りましたが、これらのワインをもし店頭でお見かけられましたら、是非一度お試しください。


世界中のワインを、その土地、その気候、その歴史、そしてその人たちを思い浮かべながら楽しむことは、何と至福の極みでございましょう。(ただし飲み過ぎなければですが!自戒!)

391.ナパ・ワイナリー紀行7: カリフォルニアワインの将来 (2004/10/05)

さて、いくつかのワイナリーをご紹介して参りましたが、実は今、ナパのワイナリーでは、9月15日に報じられたニュースの話題に騒然となっています。


ロバート・モンダヴィが、そのワイナリーを売却するというのです。


ロバート・モンダヴィは、これまでにも2001年頃からリストラを勧めてきており、海外で展開してきたいくつかのブランドを既に手放していました。


また、今年の8月には会社を分割して、高級ブランドと普及ブランドを別々にする計画を発表していました。


しかし、9月に出された最終的な結論は、ロバート・モンダヴィ・ワイナリーオーパス・ワンなどのプレミアムワインを売却する事でした。


買収先に関しては既にいくつかのワイナリーの名前が挙がっており、ケンデール・ジャクソンガロ、そしてここでご紹介したベリンジャーも候補に入っているようです。


ロバート・モンダヴィは、普及価格"Wood Bridge"" Robert Mondavi Private Selection"などを中心に展開していくそうですが、「カリフォルニアワインの父」と呼ばれたロバート・モンダヴィのブランドが今後継続していくのか気に掛かるところです。いずれにしても、カリフォルニアの高級ワインの将来を大きく左右する出来事でしょう。


フランスでもワインの消費が減少しており、如何にして消費を拡大していくか知恵を絞っています。またUSのワイナリーは、他の国々と比べて高コスト体質だと言われています。カリフォルニアは温暖な気候に恵まれていると言っても、そう簡単な商売ではないと言うことなのでしょう。


ロバート・モンダヴィオーパス・ワンが、これからどのような道を歩むことになるかが、カリフォルニアワインの将来の鍵を握っているのではないでしょうか?

390.ナパ・ワイナリー紀行6: The Outsiders (2004/10/04)

「エキストラ!!エキストラ!!」


夕暮れ迫るユニバーサルスタジオのゲートでは、それぞれに楽しかった1日を名残惜しそうに、大勢のお客さんが帰途につこうとしていました。


フェンスの上に立った係員が大声で叫んでいます。最初は何を言っているのかよく分からなかったのですが、どうやら今から何かが始まるようです。


良く聞いてみると昼間見学したスタジオで、本物のテレビ映画の撮影があると言うのです。そしてそのエキストラを募集しているのです。


ユニバーサルスタジオは、今ではフロリダや日本にもありますが、当時はハリウッドにしかありませんでした。ハリウッドのユニバーサルスタジオには、本当の映画撮影に使われているスタジオがあるのですが、スタジオツアーでトラムに乗ってその中を巡った時には、本当の撮影現場には出くわしませんでした。


題名は良く聞き取れなかったのですが、何となく「ナイトライダー」と言っているように聞こえました。実際、ユニバーサルスタジオ内にナイトライダーで使われていた車が展示されていましたから、私は本物のマイケルナイトに会えるのではないかと思い、参加してみることにしました。


総勢で50名程が集まり、昼と同じトラムに乗ってスタジオが並ぶエリアに移動します。たくさんのスタジオの建物が並ぶ間をトラムは走り続け、やっとその中のひとつの前で止まりました。トラムを降りてみんなでぞろぞろと中に入っていきます。


スタジオの大きな空間の中にボクシングのリングが造られていました。あとはただガラーンとした空間です。どうも、ボクシングの観客のエキストラだったようです。


全員を2つのグループに分けて、別々のシーンを撮るようです。1つ目のグループが撮影に入り、2時間近く経ってからやっと出番が来ました。


リングサイドの観客席に座り、メイクさんが顔のテカリを直したり、衣装係が時代設定に相応しくない服装の人を、別の衣装に着替えさせたりしています。どうも時代設定は、1960年代のようです。


「待てよ、マイケルが出てくるのはそんな昔だったっけ?」


そこで、やっと今撮影しているのが「ナイトライダー」ではないことに気付きます。そこで近くの同じエキストラの人に、どんな映画なのか聞いてみるのですが、その人もよく分からないと言います。


カメラが回っている撮影時間はほんの数分で、しかも登場人物が小さい声でぶつぶつ言っているだけで、何を演じているのかよく分かりません。


ボクシングの試合が終わって退場するシーンを撮って、取りあえず終了。ここまでに4時間ぐらい掛かりました。


ここからは、希望者だけ顔にボクシングで殴られたメークをして次の撮影をすると言うことでしたが、疲れてしまった半分以上の人たちはここで退散です。またトラムに乗って、誰もいなくなったゲートまで送ってもらいました。実際の撮影は、想像するほど面白いものではありませんでした。


撮影していたのは、1983年に公開された"The Outsiders"と言う映画の続編となるテレビ版だったようです。映画の方はフランシス・コッポラ氏が監督で、出演者にトム・クルーズがいたりスティービー・ワンダーが主題歌を歌っています。テレビ版では、コッポラ監督" Executive Producer"をされていたそうです。


ニーバム・コッポラのワイナリーを訪れて、10数年前にエキストラをしたのがどんな映画だったかを、初めて知ったのでした。