393.2画面特許の顛末 (2004/10/08)

もうかなり古い話しになってしまいましたが、「93.2画面特許 (2003/05/08)」でご紹介した携帯電話のディスプレーの特許の民事訴訟の判決が、9月16日に東京地方裁判所で言い渡されたと言うニュースが、「日経IT Pro」に掲載されています。


判決では、被告側のNECとドコモの言い分を認めたそうですが、すべての携帯電話ばかりでなく、DVDプレーヤーやPDAまでもが特許の対象になっていましたから、ほっと胸をなで下ろした関係者も多かったのではないでしょうか?


勿論まだエイディシーテクノロジー側が控訴する可能性もありますから、判決が確定した訳ではありませんが、取りあえず法外な特許使用料によって利用者が迷惑を被る事は避けることが出来そうです。


そもそもこの特許自体が胡散臭いものでしたから、当然の結果かも知れませんが、判決の理由があまり正確に伝えられていないので、どのように携帯電話が特許の対象から外れていると見なしたか、興味のあるところです。


当初この特許が申請された時には、ペン入力のPDAも対象になっていましたが、請求項の修正を行っていく過程で、当時人気が出だした2つのディスプレーを持つ携帯電話の的を絞った結果、最終的に2画面特許となった経緯があります。


つまり、2画面を持つ携帯電話が普及しだした後に修正された請求項に対して、裁判所がどのような判断を下すかを注目していたのですが、今回のニュースではあまり正確に報告されていないのが残念です。


いずれにせよ、携帯電話を始め電子機器でディスプレーが2つあるものは、難を逃れることが出来て一安心です。


特許は、すばらしいアイディアを広く公開し利用することによって、社会や生活を豊かにするのが本来の目的です。既に広く利用されていることを、後から特許にして独占し利益を得ようとするのは、豊かになる事を妨げる行為です。


人々に利用されて本当に喜ばれるような特許を、考え出してもらいたいものです。