185.関西空港は大丈夫か? (2003/08/27)

航空不況と言われて久しくなりましたが、ふと関西空港発の北米便のスケジュールを見ていて、あまりの惨状に驚きました。不況やテロの危険性等の原因があるのは仕方がないとして、今や伊丹空港だけであった1994年当時と比べても便数が減っています。


海外旅行としては一番のドル箱と思われる、ハワイ便にも減便が予想されるに至っては、もはや手遅れの感がします。


確かに開港後しばらくは新規航路の開拓があり、大阪からニューヨークやシドニーへの直行便が開設されたりして、それまで成田経由しかなかった地域への利便性が高まったものです。


関空は、埋め立ての費用が予想より膨れ上がり、莫大な建設費を賄うために、着陸料高止まりし、空港内店舗のテナント料が高いため、マクドナルドは特別な価格設定を余儀なくされています。


このような長期に及ぶ航空不況においては、真っ先に減便の対象になってしまいます。航空需要が、当初の予想通りに運ばないのは、楽観的な読みの甘さがあったにせよ、仕方がない事もあります。しかし、この期に及んで神戸にも新空港を建設するなどは、惰性以外の何者でもないと思うわけです。


最近になって、大きなプロジェクトを中止できる知事が登場している自治体もありますが、関西圏の凋落に歯止めをかけようとして、無理に突き進んで墓穴を掘ることになるのではないかと、不安を抱えている地域住民は多いことと思います。


中部国際空港は、関西空港と同じ人工島に建設されていますが、さすが中部地域だけあってトヨタの息がかかっており、予算を下回る建設費用で着々と進められているようです。


また昨日のワールドビジネスサテライトでは、ワシントンD.C.レーガン・エアポート中の新しいショッピング街のニュースを放送していましたが、空港を活性化させる為に有力販売店を誘致し、多くの買い物客を集めているそうです。


面積あたりの売り上げが、通常のショッピング街の2倍あるそうです。空港にショッピング客が集まれば、空港アクセス手段の利用も増え、ターミナルビルなどの投資も早く回収できるなど、メリットは多そうです。


公共のインフラであっても、採算がとれなければ地方のお荷物になってしまいます。あくまで商業ベースで採算がとれるものに、集中して投資をしていかなければ、廃墟と化すのは目に見えています。利用されないインフラは、新たな投資を阻害し、やり直す事も容易ではありません。


是非、投資には慎重にしていただきたいものです。私達がパームを買うときみたいに???

184.ホンダ、全世界での生産5000万台に (2003/08/27)

asahi.comに掲載されている記事です。1963年から自動車生産を始めたといいますから、ちょうど40年になります。シビックとアコードで全生産の半分以上を占めるそうです。思い出に残るのは、N360でしょうか。1300クーペなどは、販売促進のためにニッポン放送のオールナイトニッポンと組んで、全国を行脚していました。


昔は、宣伝の方法もいろいろあり行脚する以外に、日立キドカラーの飛行船や、小型飛行機を使ったスピーカーによる宣伝ビラの散布など、バリエーションがありました。


ホンダが、排気ガスの浄化装置の必要性を感じたのが、東京オリンピック(1964年)の年に東京でスモッグが初めて観測された時だそうです。ホンダが自動車の生産を始めた次の年には、大気汚染の危険性に気づいていたことになります。その甲斐あって、環境を考慮したホンダのCVCCエンジンは、USのマスキー法の認定を受け、ホンダが世界に羽ばたく原動力になります。


10年ぐらい前までは、ドイツに行ってベンツBMWを褒めると、「日本にはホンダがあるではないか」などと言われたものです。そのホンダが、いま自動車のIT化を進めようとしています。


考えてみれば、携帯電話も最初は、自動車電話が始まりでした。これから自動車に搭載していこうとする情報機器が、近い将来携帯電話のように小型になり、誰もが手にする生活必需品になっているかもしれません。


将来のPDAの新潮流は、自動車のIT化から始まるかもしれません。

183.アテンション・プリーズ2: 鑑真にて (2003/08/27)

1985年7月、私は中国の貨客船「鑑真」に神戸から乗船し、海路、中国の上海を目指していました。神戸から出国すると、パスポートには珍しい「KOBE」と書かれた出国スタンプが押されます。船内で乗船手続きを終え、後は48時間後に上陸するまでの長い船旅と思って船室にいました。


ところが、先ほどからどうも船内で人を探しているようです。何回も放送が入りますし、船員が船室ごとに顔を出して探しに来ています。どうも、乗船手続きをしないまま乗ってしまった人がいるようです。


私は、そのうち騒ぎが収まるものと思って、悠然と構えていました。同じ船室の日本人の学生たちは、ちゃんと手続きが終わっていないと、中国に入国できなくなるなどと話していました。


さて、そのうち収まると思っていたのですが、一向に解決する気配はなく、その後も何度も船員がやってきますし、呼び出しの放送も続いています。そのころになってやっと、放送で何を言っているか、聞けるようになってきました。


よく聞いてみると、何と私の名前を呼んでいるではありませんか!しかし、発音が中国語訛り(音読み?)である上に、最後に「先生」がついているので、まったくそれまで気付きませんでした。


あわてて、上のデッキに上がり、何事かと聞いたのですが、どうも乗船手続きと同時に、中国への入国の手続きの一部をやるはずだったのが、私だけ乗船手続きしかしていなかったのだということでした。


船の放送が聞こえにくく、発音が違っていて、先生まで付いていたので、かなり長い間気づくのにかかってしまいました。鑑真はその年から運行をはじめ、私が乗ったのはまだ3便目だったので、手続きも慣れていなかったのかもしれません。


この中国旅行は、スタートでつまずいただけに、その後も波乱に満ちたさまざまな経験を重ねていく事になります。上海から、桂林、武漢、南京、蘇州と周り、また上海から鑑真に乗った時ほど感傷に耽った事はないでしょう。一番思い出深い旅の始まりの、些細な出来事でした。

182.アテンション・プリーズ1: ボストン空港にて (2003/08/27)

皆さんは、自分の名前が放送で呼び出されたことがありますか?日本でなら「お呼び出し申し上げます」で始まりますが、デパートやスーパーなどの人ごみの中で、思いもよらず呼び出されても、なかなか聞き取ることは難しいものです。ましてや、一人で海外に行ったときはなおさらです。


1996年6月に、ボストンローガンエアポートに降り立った私は、乗り換えのローカル便のカウンターへ急いでいました。到着が遅れたために、チェックインの時間はすでに過ぎていました。


だらだらと歩く人をかき分けかき分け、やっと空港の発券カウンターが並ぶところに出ました。次の便は、エアーリンクという小型の飛行機なので、搭乗口に行って搭乗券をもらわなければなりません。


先を急いで歩いていたのですが、さっきからなんとなく私の名前を誰かが呼んでいるような気がしていました。立ち止まってよく聞いてみると、「アテンション・プリーズ。ペイジング、ミスターxxxx」と私の名前を呼んでいるではないですか。まさか、こんな大きな空港で、自分が呼ばれているなどとは思いもよらなかったのです。


ましてや私の名前の発音が少し違います。(つまり英語読みで間延びしています。)。よく聞かなければ判りませんでした。搭乗口に行くと、「あなたが何度も呼び出されていた乗客ね、急いで!」みたいに言われて、搭乗券も受け取らずにバスに放り込まれたのでした。


案の定、飛行機に乗り込むと、搭乗券がなぜないのかと問われる訳ですが、それはともかく、なれない場所での呼び出し放送は、聞き取りにくいということを実感したのです。アテンション・プリーズには、注意しましょう。予想していない場合はなおさらです。


実は、私には同じような経験が過去にもありました。あれは、もう18年も前のことになります。

181.「ザウルスは誰とも戦わない!」という記事 (2003/08/27)

月間アスキー9月号に「ザウルスは誰とも戦わない!」という記事が掲載されています。Linuxザウルスの商品戦略いついてメーカーの方へのインタビュー形式で、ザウルスの存在価値を問いただしています。


私たちは、PDAの普及を考えるとき、その競争相手として携帯電話ノートパソコンを想定します。しかし、シャープの方が言われていたのは、携帯電話やノートパソコンはすでに存在し、生活に定着しているものなのであるのが当然であり、PDAはそれらをさらに便利にするためにあるのではないかということでした。


携帯電話とノートパソコンの間の、小さい範囲にしか生き残れないと考えるのではなく、携帯電話とノートパソコンの間には、必ず隙間があるというところから、何が必要とされているかを考えていかなければならないのだと語っておられます。


一見、ザウルスの売り上げを拡大することは重要ではないとも受け取れますが、ひとつの会社で携帯電話やノートパソコンを作っているわけですから、他の売り上げを侵食してザウルスの売り上げを伸ばしても、会社的には意味がないのでしょう。


PDAは何かの代用品ではなくPDAとしての役割があると言われているのですが、やはりノートパソコンが常時携帯するには大きすぎるために、PDAにその代用をさせることが要求されている、とも言われています。


Linuxについても、OSとして積極的に採用したというより、時流に乗ったと言った軽い感じが伝わってきて、同じ雑誌に載っているソニーのQUALIAの話とは違って、却ってスマートさを感じました。割と冷静にザウルスは企画・開発されているのだなと思った次第です。