157.二兎追う物は一兎も得ず (2003/07/30)

昨日の話しの続きになりますが、エレベーターを使いやすくして利用客が増えれば、エスカレーターを利用する客は反対に減る訳です。当たり前と言えば当たり前ですが、ここに一つのヒントがあります。


一方が増えれば他方が減るような場合、例えば1本の紐を2つに切り分ける場合は、足した長さは変わりませんから、2本とも長くするような努力をしても無駄になります。


最近、大容量のハードディスクを搭載したビデオデッキが普及し始め、長時間の録画が可能になってきました。一方、家庭へのデジタル回線はますます高速になっていきます。はたして大容量のデータ記憶装置高速回線の、両方が同時に家庭に必要でしょうか?高速回線があれば、予めデータを取り置きする必要はなくなってきます。


昔、ビデオが普及し始めた頃、忙しくてテレビの放送が見れない人が、これで好きな番組を見る事ができる、とビデオを買って録画をして暇な時に見ようとしたら、そもそも暇な時間がなかったと言う話しがありましたが、忙しさとテレビの両方を同時にこなす事に無理が合ったようです。


昔から、「二兎追う物は一兎も得ず」と言います。来客数や時間によって、全体が制限されている状態で、何かを変えようとすれば必ずもう一方にしわ寄せがきます。それでは、努力してもすぐに限界が来てしまいうまい具合には行きません。


PDAを、パソコンや携帯電話に挟まれた適応分野に限っていると、同様に一定の機能を取り合う事になりますから限界があります。そういう意味では、ソニーがエンターテインメントを目指すのは、パソコンや携帯電話と同じパイを取り合わない為かもしれません(その代わりMDプレーヤーなどと取り合いになりますが)。


例えば、PDA業界が一団となって、電子通貨標準をまとめ、世界共通の電子財布を提案していくのはいかがでしょうか?失敗すればPDA業界がなくなる可能性もありますが、現状を打破するにはこれぐらいのインパクトが必要ではないでしょうか?

156.団子エレベーター (2003/07/29)

時々、大阪梅田のヨドバシカメラに行くのですが、東西のメインの入り口を入ってすぐ横にある、3基並んだエレベーターが、いつも団子状態になっています。つまり、3基とも同じような階にいて、同じ方向に動いているのです。行ってしまった直後だと、ずいぶんと待たされる事になります。


もう20年ぐらい前から、エレベーターには群管理が導入されることが多くなりました。もしエレベーターが複数基ある場合、それぞれが適当な間隔を空けて運転されるように制御され、待ち時間を短縮するものですが、ヨドバシカメラのエレベーターは残念ながら、それぞれが単独で行動しているように思われます。あるいは、群になるように管理されているのか?


よく山手線で例えられますが、先行する電車が何かの理由で出発が遅れると、次の電車との間隔が短くなります。その結果、次の電車が来た時には、駅で待つ人が少ない為速やかに乗降でき、次の電車はより早く出発でき、さらに前の電車との間隔が短くなるのです。


また、よく事故などで電車が止まっていた後、運行再開された時に、ぎゅうぎゅうに込み合った電車のすぐ後に、がらすきの電車がやってくる事がありますが、同じ理由によります。


しかし解からないのは、なぜヨドバシカメラが新しいビルで、旧態以前としたエレベーターの運転をしているのかです。エレベーターを群管理にする事はそれほど大変な事ではない筈ですから、何か理由がある筈です。


おそらく、エレベーターで一気に上階に行かれるよりも、エスカレーターを使って1階ずつ上ってもらう方が、販売の観点で利点があるからでしょう。確かにエスカレーターの方は、利用しやすい配置になっています。


エレベーターの待ち時間が短くなる事は便利な筈ですが、販売店としては最上階のレストランに行くお客にも、店の中を通ってもらいたい訳ですから、最新のエレベーターは売る上げに結びつかないのでしょう。


キーボードをわざと使いにくくしておいて、ジョグダイアルの優位性を際だたせると言うのも、同じ手法なのでしょうか?

155.メープルシロップ (2003/07/29)

日経BizTechに、「優しい甘さのメープルシロップ人気が急上昇
」という記事が掲載されています。これまで、ホットケーキにかけるぐらいしか使い道がなかったのですが、最近は人気のケーキ店でメープルシロップを積極的に利用したお菓子が作られ、さらにパンや料理にもその応用が広がってきているそうです。


メープルシロップを採集するカエデの木はシュガーメープルと呼ばれ、US北東部のバーモント州カナダのケベック州には、町中至る所に巨木がそびえています。公園などではシーズンになると、バケツのような樹液の採集器が付けられたカエデの木が、あちこちに見られます。


シーズンのピークはは3月の末ごろでしょうか、ケベック州の村ではメープルフェスティバルと称して、レストランに観光客が集まり、作り立てのメープルシロップを様々な料理の上にかけて、長かった冬が無事に終わり、ようやく訪れた春を祝います。


各テーブルには、大ビンに入れられたメープルシロップがドンと構え、ハムステーキやポテトやデザート等すべての料理にかけて頂きます。都会からは、このようなレストランを目掛けてチャーターされた観光バスが、数多く訪れます。


食事の後は、雪の上にできたばかりのメープルシロップを流し込み、固まりかけたメープルシロップを、キャンデーのように木の細い棒でほじくりながら食べます。たいていは、その横にシロップを煮詰める小屋があり、樹液を採集する道具や煮詰める過程を見る事ができます。


レストランの裏にはシュガーメープルの林があることが多く、馬が引く観光馬車が春の薄日の中を進んでいきます。実にのどかな風景が展開されます。


樹液はメープル・サップと言い、煮詰めるとメープル・シロップ、更に煮詰めるとメープル・シュガーになります。サップの状態では、ほとんど甘さを感じないぐらいですが、1000倍ほどにまで煮詰められるうちに、アンバー色になり糖度が増してきます。


ケベック州とバーモント州は隣同士であり、どちらもメープルシロップを産出しますが、バーモント州の方が品質によってグレード分けを厳しくやっている為、バーモント産のほうが商品価値が高いそうです。そのため、ケベックで採集された樹液も、バーモントに集められる事が多いそうです。


ニューイングランド地方のお土産屋では、小さい小ビンで2ドルぐらい、いろいろなグレードを5種類ぐらい詰め合わせた物で10ドル前後で売られています。地元のスーパーではでかい缶で売っていますから、浴びるようにかけているのでしょうか?(だからあの巨体になる?)

154.人生には目標があった方がよい (2003/07/28)

どうも無線LANが故障してからサイト更新に使っているパソコンがノートブックになったため、調子が今一つ出ません。サイトの更新に、使い慣れた道具が重要である事を改めて感じております。


みなさんは、何かしらの目標をお持ちでしょうか?最近、日本の経済が不況であると言うことさえ、当たり前すぎて誰も語らなくなりましたが、そもそも日本の凋落は、目標を失ってしまった事が原因ではないかと思うのです。


エコノミックアニマルと言われていたのが懐かしくなる今日この頃ですが、あのころの日本の活力はどこへ行ってしまったのでしょう?


今こそ将来のビジョンをリーダーが示し、明確な目標を掲げる必要があると思うのですが、何を目指しているか、何が欲しいかが誰もわからず、誰が導くこともなしに右往左往していると言ったところでしょうか。


舵の効かなくなった羅針盤もない船が、波間に漂っています。乗客は、船長以下乗組員が、必死で舵を操り、無線でSOSを打電し続けているを信じているのですが、船長も無線士も既にいなく舵はもぎ取れ、無線のアンテナは折れてしまっているのかもしれません。


一刻も早く、日本の舵を取り直す人物が現れることを望みます。


まあ、そんな大げさなことはさておいて、例えばサイトを続けていくときにも、何か目標があった方が良いのではないかと思うわけです。


しかも具体的な実行可能な数値目標を掲げなければなりません。お金持ちになりたいだけではだめなのです。いつまでにいくら貯めるという具体的な数値を定めて、それに向かって努力しなければなりません。


私の具体的な数値目標は、2003年に300の雑記を更新することです。当サイトは、2月からスタートしていますから、2003年は11ヶ月しかありません。約330日で300回更新する事が目標です。


今年は、あと159日ありますから、今のペースで行けば何とかなりそうです。しかしあまり余裕はありません。早く無線LANが修理から返ってきて、使い慣れたデスクトップで更新ができるようになり、調子を取り戻したいものです。

153.Linux CLIEの可能性 (2003/07/23)

ふと思ったのですが、ソニーCLIELinuxを採用したらどうなるのか?


このパームコミュニティーにも、様々な嗜好の方々がおられ、パームOSが好きだったり、パーム社の製品が好きだったり、CLIEが好きだったり、ソニーが好きだったり、PDAが好きだったり、、、、ソニーが次の新製品からLinuxを採用した場合、困りそうな人はCLIEとパームOSが同時に好きな人ぐらいかと思いましたので、無責任にも書いてみました。


ザウルスがLinuxを採用しているからといって、遠慮する必要はないでしょう。パソコンやサーバーでは、多くの企業が同時にLinuxを採用しています。今は、SCOの絡みで採用しづらい時期ではありますが、それを考えなければ、Linuxの方が将来にわたって大きなビジネスに結びつくと考えれなくもありません。


理由は3つあります。



  1. そもそもソニーはパームOSを好きで選んだ訳ではなかったのです。 ソニーがPDAを始めた時、パームOSとポケットPCとザウルスの中から選ぶとすれば、立場上パームOSしか選ぶ事ができなかったのです。シャープの軒下を借りる事はできませんし、ましてや宿敵マイクロソフトのOSなどは論外です。そうするとパームOSしか選択肢はなかったのです。
  2. ソニーは特徴のあるPDAを目指しています。ハイレゾ画面でエンターテインメントの道具であるCLIEには、独自のソフトウェアでなければ魅力を発揮できない事が多々あります。パームOSに蓄積されたのソフトウェア資産に、それほどソニーは魅力を感じていないのではないでしょうか?どうせ、独自ソフトウェアでなければ特徴を出せないのであるなら、開発環境がよりグローバルであるLinux環境の方が、サードパーティベンダーの協力も得やすく、パームOSより容易にソフトウェア開発を進める事ができるでしょう。
  3. ソニーは将来のネットワークコンピューティングに野望を持っています。ソニー社内で開発の許可が出るには、ネットワーク関連の商品だけであると言われています。情報家電、つまりこれからはコンピューターと家電・AV機器の融合が起こってくると予想されています。その為には、コンピューター会社と対等に張り合えるだけのハードウェアとソフトウェアの実績を積んでおかなければなりません。Linuxは、ハンディ端末から大型システムまで広範囲の適用業務をこなしますから、一気にコンピューター会社と対等な資産を備える事ができます。

要するに、今のCLIEには、パームOSと言う鳥かごは小さすぎるのではないでしょうか?ザウルスのように、独自OSで長らく実績を蓄えてきたシャープでさえ、Linuxバージョンのザウルスを出すのですから、パームOSをライセンスで使っているだけのソニーが、他のOSに鞍替えしても不思議ではありません。


今回のPEG-UX50は、特にパームらしさを捨てているように思います。もうそろそろ、小手先の改良の繰り返しではなく、どーんと大きな衝撃を私たちに与えてくれそうな予感がするのですが、いかがでしょうか?