174.儲からない家電 (2003/08/19)

丸井が、家電販売から撤退するというニュースがありました。最近、家電売り場を外部に委託したり、家電量販店自身も合併をしたりしていますが、家電販売が商売として成り立たなくなってきているのでしょうか?


日本の高度成長時代は、3種の神器3Cなどといわれて、人々が欲しいものが必ず家電製品の中にありました。家電製品に加えて自家用車を買う為に、国民皆貯金に励んでいたものです。


人口の増加核家族化によって若者世帯が増加し、家電製品の需要も必然的に増え続けました。住宅の需要が増えるのと同時に、家庭内での必需品である家電製品は売り上げを伸ばしたのです。


家電製品も進化をし次々に新しい機能を提供してきました。人々は新しい機能を目指して、新製品に買い換え、新規需要と買い替え需要の両方で大きな市場を形成してきました。


最近の動向を見ていると、世帯の増加による需要も見込めず、新機能といっても買い換えるほどのインパクトに欠けるものが多くなってきました。やっと家電製品も安定成長期に入ったのかもしれません。


今のパームの現状に似ているといえば似ていますが、あまり高いものはたとえ新しい機能が追加されていても、必要のない機能の場合は見向きもされなくなってきているのではないでしょうか?


ところで、USの冷蔵庫や洗濯機は、昔から形が無骨で機能も豊富ではなく、日本製の物のほうが進んでいると思っていました。ところが、良く考えてみると、本当に必要な機能は装備していますし、メインテナンス性の良さによって長い間使い続ける事ができます。


洗濯機は、全自動の洗濯機とドライヤーの組み合わせが一般的ですが、洗濯機には水とお湯の両方の自動コックが備えられており、繊維に応じて温度を変える事ができます。また、脱水中に洗濯機のふたを開けると、「カーン」というすさまじい金属音を立てて、大きな洗濯槽が瞬時に停止します。


最近になって日本製の物も、かなり早く止まるようになりましたが、開けてからもしばらく動いているものもあります。指や手を巻き込まない様にする為には、瞬時に停止する事が必要です。安全性に関しては、USの物の方が徹底しているように思われます。


そしてドライヤーは、湿気の多い空気を排出するようになっています。各住宅には、洗濯機用の冷水・温水の蛇口と、ドライヤー用の排気ダクトが必ず備えられています。


日本製の洗濯機には、温水を自動的に注入する事はできませんし、住宅にも温水の蛇口を用意している事はほとんどありません。ドライヤーに関しては、湿気を含んだ排気を家の中に放出しています。ただでさえ湿度が高い気候なのに、これではカビを家中に生えさせているようなものです。


また例えば、古い洗濯機のモーターが壊れたとしても、型番さえ判れば部品をシアーズなどで取り寄せる事が出来、自分で修理する事ができます。


このように考えると、本当に進んでいるのは日本製ではなく、無骨に見えるUS製の方ではないかと思えてきます。見た目のカッコよさより、いつまでも変わらない普遍的な機能や性能を提供する事の方が、重要であると考えているのでしょうか。


パームの場合も、目新しい機能を追加しているうちは、本当に必要な機能を模索している段階なのでしょう。しかるべき時期がくれば、厳選された本当に必要な機能だけを搭載したパームが普及しているかもしれません。ただし、それでは実用的すぎて、趣味で楽しむには面白味がないとは思いますが。

173.世界を駆け巡る冒険鞄 (2003/08/19)

残念ながら今まで全く知りませんでした。2.サイトの名前についてで書いたように、当サイトに名前は、"Palm""Globe Trotter"を足したものです。そして、その"Globe
Trotter"は、ダイヤモンド・ビッグ社の旅行ガイドしかないと思っていたのですが、ずっと以前から英国製の鞄の名前にあったようです。


ふとしたきっかけで、もらって読んでみたアメリカン・エクスプレスの雑誌に、その"Globe
Trotter"という鞄の広告が載っていました。1897年から手作りで作られているその鞄は、その頑丈性軽さで定評があるそうです。


基本的にはらしいのですが、バルカンファイバーと呼ばれるシートを積層して作るその鞄は、紙から来る軽さと、積層する事によって得られる頑丈性を併せ持つようです。ショットガンで撃たれても、貫通する事がないそうです。これは普通はあまり意味のないスペックですが、昔で言えば「象が踏んでも壊れない」みたいな分かりやすさがあります。


ブリティッシュ・エアーウェイズのパイロットが、特注品を使っているそうですが、丈夫さと軽さは航空機の旅では欠かせない条件なのでしょう。


最近の新しく開発された素材に劣らず、鞄としての必要な条件を備えた素材が、100年以上も変わらないで使われているのですから、パームで使われる技術も、必ず最新のものである必要はないのかもしれません。


もちろん、最新の技術によって可能になる事も多いですから、目新しさに着目したパーム製品も良いのですが、いつまでも変わらず落ち着きのある味わいを持ったパームも、そろそろひとつぐらい出てきても良い時期なのかもしれません。