525.安くておいしいワインの見分け方 (2005/07/07)

最近PalmTrotterでは、「安い」とか「無料」がキーワードになってきた感があります。そのうち、ケチケチトロッターにサイトの名前を替えるかもしれません。


さて、今日のテーマは「安くておいしいワインの見分け方」です。始めにお断りしておきますが、対象は素人限定、プロや業者の方はお断りします。(要するにいい加減なことを書くと言うことだな!)


高級なワインを高級なレストランで頂く場合は、自分で選ばなくても優秀なソムリエが、世界中の選りすぐりのワインから、食事と好みに合ったワインを選び出してくれるでしょう。


しかし、安いワインを店で選ぶときは、自分で見定めなければなりません。いくら安いワインといっても少しでもおいしいワインにありつきたいですから、見分ける方法があれば試してみたいものです。


さて、とりあえずワインを探しにスーパーやお酒のディスカウント店に行ってみると、500円ぐらいから5000円ぐらいまであって、意外と幅の広い品揃えだったりします。


ここではその中で1000円前後のワインを選ぶことにしましょう。500円辺りだと飲めれば良いと言った感じになりますし、1000円台後半から2000円台にかけては当たり外れが大きく、選ぶのが難しいとされているようです。


家庭で食事と一緒に頂くテーブルワインとしては1000円辺りがお手頃ですし、この値段でおいしいワインに当たれば儲けものでしょう。


そもそもワインのラベルには、やれバニラの香りがするだの、カシスを想わせる余韻が残るだの、土や動物の香りのヒントが感じられるなど、連想ゲームのようなお言葉が並ぶこともしばしばです。


動物の香りとは、何でも洗ったあとの犬の体の匂いに似ているとか。これが褒め言葉になるのですから、ワインとは何と奥が深いものなのでしょう。


ラベルを読んでイメージが湧くのならそれで良いのですが、想像がつかない人もいらっしゃることでしょう。また、安いワインの場合は、特に香りがするわけでもないのに、ラベルには高級ワインと同じようなごたくを並べたものが少なくありません。


そこで本題のおいしいワインの見分け方ですが、「人は外見で判断してはいけない」と学校で教わったとおり、飲んでみるのが一番です。


デパートなどで試飲してからで買うのが、一番確実でよろしいかと思います。誰が何と言おうとも、自分で飲んでみてこれはいけると思えば買って帰れば良いのです。しかし、試飲して買うのでは、ワインを見分けたことにならないですね。ごもっとも。


ワインはご存知のようにコルクの栓を使いますが、だんだんと良質のコルクが採取できなくなってきたため、最近の安いワインではコルクではなく、プラスチックが使われたり、スクリューキャップになっていたりします。


経験では、スクリューキャップやプラスチック製の栓をしたワインでおいしかったものはほとんどありません。一部の地域の高級ワインでは、コルクからスクリューキャップに切り替えるところもあるそうですが、今のところコルクを使ったワインの方が、味に気を使っているような気がします。


しかし、スクリューキャップならば外から見て分かりますが、プラスチック製の栓は、シールされていれば見分けることができません。


そこで、次なる見分け方は、ビンの底くぼみが大きいほど、おいしいワインであると言われています。これは結構通説になっているようですし、割と当たっているような気がします。


確かに、ワインの沈殿物(オリ)を貯めるためにあると言われますから、長い間貯蔵することを想定した高品質なワインにはくぼみが欠かせないでしょう。一般的に白ワインは赤ワインに比べてオリが出にくいため、くぼみは小さいようです。


また、貯蔵中割れにくい丈夫なビンを使ったワインも、品質が高いことが多いそうです。メロンやスイカを選ぶのと同じように、手に持った時ずっしりと重く感じるのが良いワインだと言うことです。


結論としては、持ち上げた時に重たくて、底が大きくくぼんでいるワインがお勧めと言うことでしょうか。さあ、早速本当かどうか、安くて重たくてくぼんだワインを買ってきて試してみましょう。


もし、そのワインがあまりおいしいワインでなかったとしたら、「やっぱりワインは外見で判断してはいけないのだ」としたり顔で言いながら、さらにもう1本ワインの栓を抜きましょう。


そのうち、ワインの味なんて些細なことに思えてきますから。(それは単に泥酔してるだけと違うか!)

524.今時消費動向 大衆から階層へ (2005/07/06)

日経ビジネス7月4日号に、「反古典の消費学」という特集が掲載されています。1億総中流と言われた時代は過ぎ去り、階層化が進んだ現在、大衆をターゲットとしたマーケットは大きく様変わりしたと書かれています。


「いつかはクラウン」と言うCMがありました。大衆車といわれたカローラに始まり、次にコロナ、マークIIと買い換えていき、最後はクラウンであがりと言う消費パターンは、誰もが年々所得を増やしていた時代には相応しかったのでしょう。


階段消費と呼ばれるこのパターンも、所得格差が開くにつれて過去のものとなり、今では階層消費の時代に入ったと言われています。


少し前までは、大衆のど真ん中を目がけてストライクを投げれば、間違いなく大当たりしていたのに対し、今はそれぞれの階層に対して、別々の製品を提案をして行かなければならなくなったようです。


パームの世界で言えば、たくさんの製品を市場に投入しながら、個々の製品の特徴がうまく消費者に伝わらなかったソニーのクリエのやり方より、Zire, Tungsten, LifeDrive, Treoと一見バラバラのように見えながら、それぞれ別の階層のユーザーをターゲットにしているpalmOneの方が、今の消費動向にマッチしているのかも知れません。


一方、階層に分かれてきたそれぞれの消費者が、それぞれ明確なポリシーを持って商品を選んでいるかというと、そうでもなさそうです。


女性用の白のカーディガンに青緑色のネックレスをセットにしたものが、単体で買うよりも高いにも関わらずよく売れた例があるそうです。以前ならコーディネートを楽しみながら別々に購入したものを、なぜセットで買うのか?


どうも自分で選ぶことが出来なくなってきているそうです。あるいは、自分で選んだものに自信が持てないと言います。


昔のように、みんなが同じ色、同じ形の服を着て歩いていたのなら、真似をしていれば済んだものが、今や大衆がいなくなってしまいましたから、自分なりの個性を表現しなければならなくなってしまったのです。個性が無い人でも。


以前、「351.選択肢と幸福感」という雑記の中で、選択肢が多くなればなるほど希望のものが見つかる可能性が高くなるはずであるが、最適なものを探し出すことが大変骨の折れる仕事になってしまう、と言う記事を紹介したことがありました。


さらに、選択した後で後悔したくないと考える人は、選択すること自体に苦痛を感じるようになると言うことでした。


あらゆる情報が溢れかえり、自分ではどれを選んだらよいか判断が出来なくなって来たときに、商品を提供する側が、選択の幅を狭める手助けをしてあげるのが、今時の消費者に対する新しいサービスとして注目されつつあるようです。


iPod shuffleが、覚えきれないほどたくさんの曲の中から勝手に選んでくれると言うのも、最適な選択をすることが苦痛になって来たからではないかと書かれています。


パームは、いろいろな使い方ができてとても便利なものです。パームで何をしたいか自分で決めることが出来る人には、その柔軟性が魅力になるでしょう。


しかし、選択の幅を狭めてあげた方が安心して手にすることができる人も、多いのではないでしょうか?


大衆がいなくなり、消費者はもはや一枚岩ではありません。パームコンピューターが、それぞれの階層に訴える魅力を持つ商品に、生まれ変わることは出来ないものでしょうか?(一体誰に問いかけているんだ?)