530.デジタル・ラジオとPDA (2005/07/20)

パームボンチ・メロウライフ最新号で紹介されていますが、Live365の日本語サイトが正式に中止になってしまったとの事。ちんさんの怒りはごもっともなことです。


ネットラジオで放送を続けることは、大変なパワーが無ければできないことです。しかし、本来必要でなかったパワーをユーザーに使わせることによって、ネットラジオそのものの勢いが削がれるのは残念なことです。


インターネットを利用することによって、情報発信や新たなビジネスを始めることが以前に比べると容易になりました。しかし、そのことによって十分に吟味されずに世の中に出てくるものが多くなってきたように思います。


新しい情報が次々と入ってくる時代ですから、情報の信憑性の裏を取っているほど悠長に構えていると他人に先を越されてしまいますから、ある程度の先走りは致し方ないかもしれません。


しかし、あまりコロコロと方針が変わってしまうのは考えものです。曖昧な情報が溢れている今こそ、信頼されるものを提供していくことが、より重要になってくるのです。(曖昧な情報を振りまいている私が言っても、説得力がないですが、、、)


さて日経ビジネス7月18日号に、2006年からデジタル・ラジオ放送が開始されるという記事が掲載されています。


その中で、ラジオ業界がデジタル・ラジオへの参入を急ぐのは、ラジオの広告収入がネットに抜かれたためだとしています。ラジオそのものに付加価値を付ける事によって、情報媒体としての地位を維持しようとしています。


ラジオ放送がデジタル化された場合、デジタルテレビ放送に比べると、多重化できる帯域を比較的広く取ることができるそうです。そのため、文字や音楽のダウンロードに適しているとされているそうです。


携帯電話のよるダウンロードと競合しそうに思いますが、携帯電話のダウンロードが固定料金制に移行すれば、通信回線に負荷の掛かる大容量のダウンロードはデジタル・ラジオに任せるという考え方が、一般的になってきているようです。


また、デジタル化によって多チャンネル化が可能になり、特定の情報だけを流し続けるチャンネルを設定することもできるようになります。


欧米のデジタル・ラジオの例では、デジタル化したことによってラジオ全体の収入が増え、ニュースやクラシック専門の局が誕生するなど、ラジオが情報メディアとして見直されてきているそうです。


携帯電話にデジタル・ラジオを内蔵するための半導体チップは、既に富士通から発表されているそうですが、PDAにこれを内蔵すると、ニュースや天気予報などを定期的にダウンロードすることが容易にできるようになるでしょう。


ユビキタス社会と言っても、まだどこでもネットにつながっていると言える状態ではありません。双方向である必要がない一方的なダウンロードにおいては、放送電波と言う媒体は依然として威力を発揮するでしょう。


また公共性の高い情報に関しては、インターネット経由よりラジオ電波に乗せる方が、情報の伝送効率が良くなります。


ニュース天気予報地域の地震・災害情報といった生活に欠かせない即時性の要求される情報が、自動的にダウンロードされ常に最新情報に置き換わっていれば、デジタル・ラジオは生活に欠かせないものになって来るでしょう。


デジタル・ラジオ放送が始まる頃には、受信可能な携帯電話が登場してくるでしょう。しかし、見やすいディスプレーや大容量メモリーを装備したPDAなら、デジタル・ラジオの価値をより高めることができるでしょう。


デジタル・ラジオの普及によって、PDAが再び脚光を浴びることはないでしょうか?


(だけどデジタル・ラジオを内蔵したPDAって誰が作るんだ?)