529.ロボカップ2005大阪 (2005/07/19)

1997年に始まったロボカップ世界大会の第9回世界大会が、今年の7月13日から7月17日までインテックス大阪で開催されました。


西暦2050年までに、サッカーの世界チャンピオンチームに勝てる、自律型ロボットのチームを作る」事を目標に掲げ、ロボットの研究を通じて人工知能ロボット工学の発展を支えていく事が、ロボカップの趣旨です。


最終日の17日に会場に行ったのですが、会場内には大勢の人が詰めかけ、ロボットサッカーの試合が行われているフィールドはどこもすごい人だかりでした。


そもそも競技大会ですから、広い会場と言えども半分ぐらいの面積は競技参加者の為の準備エリアになっていますから、見学者はその間を縫って見て回ることになります。


中学生以下は入場が無料になっており、たくさんの子どもたちが目を輝かせて、真剣にロボットに見入っている姿が印象的でした。


さまざまな競技部門があり、サッカーだけでもソニーアイボを使った4足走行ロボット車輪走行小型・中型ロボット2足走行ヒューマノイドなどの部門があります。


メインはサッカーロボットですが、そのほかにもダンス部門や迷路を走るレスキュー部門など、ロボットの可能性に挑戦する部門がたくさんあります。


ロボカップ・ジュニアには小学生の参加者もいて、キットで手に入れることのできるロボットをベースに、テレビカメラを追加したりソフトウェアを書き直すなどの改良を施し、その技を競い合っていました。


どの部門も見ごたえ十分です。ボールを探し回るアイボの愛嬌あるしぐさは微笑ましいですし、ロボットが高速でボールに向かって突進する様は迫力満点です。


ヒューマノイドがバランスと取りながらシュートをした後ボテッと転ぶ姿に、会場は拍手喝さい、動きの一つ一つに驚きの声を上げ、シュートが外れるとため息が漏れます。


さすがに世界大会と言うだけあって参加者には海外組みも多く、中国の大学チームやPhillipsのチームなど、かなり力が入っている様子です。


また、人工知能の研究を目的とした一見テレビゲームのような競技がありましたが、サッカーの11人の選手それぞれが別々のコンピューターによって制御され、全体としてひとつのチームを構成し、局面ごとに11台のコンピューターが独立して判断し、チーム全体として如何に戦略を維持できるかを競い合っていました。これなどは、実際のサッカーの試合で使う戦略開発に使えるかもしれません。


会場にはデモンストレーションとして、大学の研究室や企業の出品もあり、ピンク色のスーツを着た女性アンドロイドがインタビューをする実演では、ゾクゾクッと寒気を感じるほどでした。それほど人間に近づいてきていると言うことでしょう。


来年の第10回大会は、サッカーのワールドカップ開催にちなんで、ドイツのブレーメンで開催されます。ロボットが人間にサッカーで勝つのは、まだだいぶ先のこととしても、サッカーとしての面白さではロボットサッカーも負けていません。


本物のワールドカップ・サッカーの前座としてロボット・サッカーが登場する日が来るのは、それほど遠いことではないのかも知れません。

528.インターネットは企業さえもユビキタス化するか? (2005/07/12)

インターネットの発達によって、いつでも誰でもどこででも、コンピューター・ネットワークが利用できるユビキタス社会が現実のものとなりつつあります。


しかし、同時にこれまでの大企業さえも、分散化されたユビキタス企業になっていくのではないかと言う予測があります。


日経ビジネス7月4日特別編集編に、「変幻自在に変化する分散化企業の時代へ」と言う記事が掲載されています。MITの教授が示す新しい企業の形態は、私たちの生活にどのような変化をもたらすでしょうか?


まずインターネットの発明を、文字印刷技術の発明と同等の、人類史上稀に見るイノベーションのひとつであると捉えています。


孤立散在した部族制から、文字の発明によって巨大な統治能力を生んだ結果王制が誕生し、さらに印刷技術の発明によって、民主制が誕生したとしています。


すなわち、文字や印刷技術の発明によって情報を正確に伝えることができるようになるたびに、統治能力が飛躍してきたと言うのです。


インターネットの発明によってユビキタス社会が到来すると、世界中の全ての人に情報が発信されたとほぼ同時に情報が行き渡りますから、意思決定の分散化を通じて、企業社会でも同様の変化が起こると予想しています。


これまでは、家内制工業から階層的組織を持つ大企業に巨大化する方向でしたが、これからは逆に分散化された新しい企業体が主流になっていくとしています。


国際的なネットワークを通じて、電子的につながりをもったフリーランスが一時的に組織され、仕事が終われば解散するeランス企業が発達し、特にグラフィックデザイン、翻訳、市場調査等の分野で、顕著な変化をもたらすだろうとしています。


働き手を保護するために、協同組合による保険や保護の仕組みができ始め、伝統的な企業の雇用形態から、仕事と育児の両立が可能な社会へと変化してきていると言っています。


今、私たちの常識の中にある企業形態は、実は情報伝達能力の限界による制約を受けた姿であり、ユビキタス社会によって、これまでは考えられなかったような新しい企業形態に変わる可能性があるとしています。


日本では、団塊の世代が定年を迎えようとしており、労働人口の減少が問題になっています。分散化企業によって、ネットワークで結ばれた経験豊かな世代が、現役と同じように社会に貢献することが可能になるかもしれません。


目的としてのIT化ではなく、社会が抱える問題を解決する手段としてITを活用することによって、真のユビキタス社会を目指して行きたいものです。

527.三日月はいつ見えるの? (2005/07/09)

皆様の地方では、七夕の夜、織り姫彦星をご覧になることが出来ましたでしょうか?一年に一度しか遭うことが出来ないなんて、何とロマンチックなことではありませんか!


クリスマスが西洋的ロマンチックとするならば、七夕は日本風ロマンチックと言えるでしょう。何と言ってもポコ星とペコ星が一年に一度だけ秘密の夜を過ごす訳ですから、なんとうらやましい!(失礼)


ところで以前、“331.「太陽は地球の周りを回っている」”の雑記で、「最近の小学生は、どうして月がいろいろな形に見えるのかさえ解っていない」という調査結果について、書かせていただいたことがありました。


正しく「地球から見て月と太陽の位置関係が変わるから」と答えたのは約半数で、間違った答えでは「月が地球のかげに入るから」と言うのが多かったそうです。また「いろいろな形の月があるから」という答えもあったそうですが、それはそれでロマンチックかも知れません。


大人なら、地球のかげに入るのは月食だと知っていますし、いろいろな形の月があると信じている人はいないでしょう。「小学生は何とたわいのないことだ」と思ってしまうのですが、そこで大人は油断しては行けません。


果たして何パーセントの大人が、次の問題に答えることが出来るでしょうか?


三日月が東の空から上り始めるとしたら、それは何時頃でしょう? 次の中から選んでください。



1.午前9時頃、 2.午後3時頃、 3.午後9時頃、 4.午前3時頃、 5.決まっていない(昼もあれば夜もある)

月の形と見える時間には相関がないのではないかと思う人も、多いのではないでしょうか?地球から見て月と太陽の位置関係が変わるために、月の形が違って見える事は知っていても、実際の位置関係が月の形にどのように影響するかは理解しにくいものです。


時折、「月は太陽と逆で西から上がってくる」と真顔で言う人がいますが、それは天才バカボンの見過ぎに違いありません。


今、太陽系を北(地球の北極の上方)から眺めたとき、時計の中心に地球があり、12時の位置に太陽があるとします。三日月は右側の一部が太陽に照らされていますから、10時半辺りの方向にあるはずです。


つまり、太陽に対して45度ほど反時計回りに回転した位置にあります。日の出が午前6時頃とすればその3時間後になりますから、「午前9時頃」1番が正解と言うことになります。


さらに問題は、「次の日、同じ位置に月が見えるのは何時間後ですか?」と続きます。


月は約27.3日かけて地球の周りを1周しますから、一日で 360度÷27.3=約13.2度 回っているため、同じ位置に見えるためには地球は余分に自転しなければならず、 24時間÷360度×13.2度=0.88時間 遅くなります。


ですから、約25時間後 か 約24時間53分後 のように答えなければいけません。これを小学校の理科で習うのですから、大人も星を見てロマンチックなんて言っている場合ではありません。


「いろいろな形の月があるから」では困りますが、「三日月が何時に出てくるか?」と言うのも難しすぎて、「そんなことが一体何の役に立つのだ」と思われる方もいらっしゃるでしょう。


今の子どもたちが将来新婚旅行に行く頃には、月旅行が珍しくなくなっているかも知れません。


月の上での滞在が少しの時間しかない新婚旅行ツアーでは、降り立った地点に光が当たっているかいないかで、見える景色や持っていく服装に大きな違いがあるかも知れません。(日陰ならセーターを余分に持っていく??)


真っ暗な風景の記念写真しか撮れなくて、「こんな事ならちゃんと理科の勉強をしておけばよかった!」と言うことにならないように、しっかり理科の勉強をするんだぞ、息子よ!(説得力なし。)

526.業務報告 新規サーバー導入完了 (2005/07/08)

たまには、業務報告なんぞをさせていただこうかと思います。


ここ3ヶ月ほどかかって、会社の部門用サーバー5台導入いたしました。と言っても、テクニカルな仕事はほとんどなくて、事務的な手続きばかりでありましたが、たまにはこのような仕事も気分が変わって良いものです。


最近のパソコンの性能向上にはすごいものがありますが、サーバーも負けず劣らず、結構がんばっているのですね。前回導入したマシンに較べて、テクノロジー的には2世代新しくなったのですが、ここまで一気にCPUパワーが上がってしまうと、プロセスの結果が出るのを待っている暇がありません。


サーバーのレスポンスが速すぎると、こちらの休む暇がありませんから、どうしても追いつめられた感じがしてきます。まあ、そのうち流すプロセスもだんだん重たくなってくるでしょうから、同じぐらいのレスポンスに落ち着くでしょうが、しばらくは息が詰まるほどの高速レスポンスに耐えなければならないでしょう。


5台も真新しいサーバーを目の前にすれば、レンタルサーバー屋を始めたくなってしまいますが、今回のマシンのスペックはいささか偏っているようです。


ウェブサーバーに使われていたサーバーを、中古で物色していたときによく見かけたのは、大量のディスクがありながらCPUは極控えめで、メモリーも1GB当たりのマシンでした。


設計業務で使う場合は、どうしてもCPUパワーメモリーが必要ですから、中古のマシンにメモリーとCPUボードを追加してやらなければなりません。そうすると結局高く付いてしまいますし、新型の方がコストパフォーマンスが格段に向上してきているので、かえって割安になってしまうのです。


今回導入したマシンは、1筐体当たり2CPUを実装して、CPU当たり8GBメモリーを搭載していますが、それでも全体の大きさはタワー型のパソコンとあまり変わりませんし、消費電力も最大で600Wそこそこです。


今日は、借り物のスイッチングハブLANケーブルを自前にものに交換して、とりあえずすべてのセットアップが終わりました。


あとはがんがん使い混むだけの筈なのですが、如何せんUNIXのバージョンが新しすぎてアプリケーションがまだ対応していない為、しばらくはガラガラの状態が続くでしょう。


さあ、今がサーバーで遊ぶチャンスです。ってあまり面白い遊び方を知らないですね。何をやっても仕事にしかならないような気がします。やっぱり業務用はつまらないですね。


新しいマシンの匂いを嗅いでいると、自宅用のパソコンを買い換えたくなってきました。今日はヨドバシカメラにでも寄って帰りましょうか。


以上、業務報告終わり。

525.安くておいしいワインの見分け方 (2005/07/07)

最近PalmTrotterでは、「安い」とか「無料」がキーワードになってきた感があります。そのうち、ケチケチトロッターにサイトの名前を替えるかもしれません。


さて、今日のテーマは「安くておいしいワインの見分け方」です。始めにお断りしておきますが、対象は素人限定、プロや業者の方はお断りします。(要するにいい加減なことを書くと言うことだな!)


高級なワインを高級なレストランで頂く場合は、自分で選ばなくても優秀なソムリエが、世界中の選りすぐりのワインから、食事と好みに合ったワインを選び出してくれるでしょう。


しかし、安いワインを店で選ぶときは、自分で見定めなければなりません。いくら安いワインといっても少しでもおいしいワインにありつきたいですから、見分ける方法があれば試してみたいものです。


さて、とりあえずワインを探しにスーパーやお酒のディスカウント店に行ってみると、500円ぐらいから5000円ぐらいまであって、意外と幅の広い品揃えだったりします。


ここではその中で1000円前後のワインを選ぶことにしましょう。500円辺りだと飲めれば良いと言った感じになりますし、1000円台後半から2000円台にかけては当たり外れが大きく、選ぶのが難しいとされているようです。


家庭で食事と一緒に頂くテーブルワインとしては1000円辺りがお手頃ですし、この値段でおいしいワインに当たれば儲けものでしょう。


そもそもワインのラベルには、やれバニラの香りがするだの、カシスを想わせる余韻が残るだの、土や動物の香りのヒントが感じられるなど、連想ゲームのようなお言葉が並ぶこともしばしばです。


動物の香りとは、何でも洗ったあとの犬の体の匂いに似ているとか。これが褒め言葉になるのですから、ワインとは何と奥が深いものなのでしょう。


ラベルを読んでイメージが湧くのならそれで良いのですが、想像がつかない人もいらっしゃることでしょう。また、安いワインの場合は、特に香りがするわけでもないのに、ラベルには高級ワインと同じようなごたくを並べたものが少なくありません。


そこで本題のおいしいワインの見分け方ですが、「人は外見で判断してはいけない」と学校で教わったとおり、飲んでみるのが一番です。


デパートなどで試飲してからで買うのが、一番確実でよろしいかと思います。誰が何と言おうとも、自分で飲んでみてこれはいけると思えば買って帰れば良いのです。しかし、試飲して買うのでは、ワインを見分けたことにならないですね。ごもっとも。


ワインはご存知のようにコルクの栓を使いますが、だんだんと良質のコルクが採取できなくなってきたため、最近の安いワインではコルクではなく、プラスチックが使われたり、スクリューキャップになっていたりします。


経験では、スクリューキャップやプラスチック製の栓をしたワインでおいしかったものはほとんどありません。一部の地域の高級ワインでは、コルクからスクリューキャップに切り替えるところもあるそうですが、今のところコルクを使ったワインの方が、味に気を使っているような気がします。


しかし、スクリューキャップならば外から見て分かりますが、プラスチック製の栓は、シールされていれば見分けることができません。


そこで、次なる見分け方は、ビンの底くぼみが大きいほど、おいしいワインであると言われています。これは結構通説になっているようですし、割と当たっているような気がします。


確かに、ワインの沈殿物(オリ)を貯めるためにあると言われますから、長い間貯蔵することを想定した高品質なワインにはくぼみが欠かせないでしょう。一般的に白ワインは赤ワインに比べてオリが出にくいため、くぼみは小さいようです。


また、貯蔵中割れにくい丈夫なビンを使ったワインも、品質が高いことが多いそうです。メロンやスイカを選ぶのと同じように、手に持った時ずっしりと重く感じるのが良いワインだと言うことです。


結論としては、持ち上げた時に重たくて、底が大きくくぼんでいるワインがお勧めと言うことでしょうか。さあ、早速本当かどうか、安くて重たくてくぼんだワインを買ってきて試してみましょう。


もし、そのワインがあまりおいしいワインでなかったとしたら、「やっぱりワインは外見で判断してはいけないのだ」としたり顔で言いながら、さらにもう1本ワインの栓を抜きましょう。


そのうち、ワインの味なんて些細なことに思えてきますから。(それは単に泥酔してるだけと違うか!)