516.無料メーリングリストを比較する1: 無料でもタダでは済まない (2005/06/23)

少し前の雑記でご紹介していましたが、今同級会のサイトを作ろうとしています。その中でメーリングリストを提供しようとしているのですが、なかなか期待通りのサービスはないものですね。


まあ、確かに年間1000円から3000円ほど出せば、小規模なメーリングリストには十分な機能を持ったサービスはたくさんあります。しかし、このサイトで使っているレンタルサーバーが年間1500円ですから、例え1000円だとしても、メーリングリストの為だけに払うには高く感じてしまいます。(かなりケチ!)


また、同級会サイトを勝手に(頼まれもしないで)始めるのですから、そのために費用を掛けるのはあまり好ましくありません。(やっぱりケチ!)


転送メールのアドレスを設定すれば、とりあえずメンバー全員にメールを配信することはできますし、いったいどのぐらいメンバーが利用してくれるか分かりませんから、最初から無理に有料メーリングリストを使う必要はないと考えました。


そこで、無料メーリングリストでどこまで希望する機能が満たすことができるかを、いろいろ検討することにしました。その結果をまとめてみたいと思います。


まず、今回のメーリングリストで必要とされる条件です。



  1. 無料であること。(しつこい!)
  2. 広告がメールに入らないこと。
  3. 参加メンバーが50人までであること。
  4. 携帯メールに対応していること。
  5. 管理・運用が簡単なこと。

特に注意を払った点は、携帯メールを辛うじて使えるレベルのメンバーでも、躊躇なく参加できるようにすることです。


不特定多数を対象にしたメーリングリストなら、それぞれのレベルや興味に応じて参加者が集まるのでしょうが、同級会のようにメンバーが限られていて、その中でできるだけ多くの参加者を集めるには、メーリングリストそのものが誰にでも受け入れられるものでなければなりません。


この条件を満たすのが、なかなか難しいのです。一度メーリングリストを設定してしまうと、そう簡単には変更できませんから、慎重に選ばなくてはなりません。


試行錯誤をした結果、これで行けそうかなと思うサービスが見つかりました。少しでもご参考にしていただければと思い、報告させていただきたいと思います。

515.JAL 多発するトラブルの次に来るものは? (2005/06/22)

日経ビジネス6月20日号に、「御巣鷹山事故から20年 JAL 現場不在の咎」と言う記事が掲載されています。1985年日航ジャンボ機事故から今年で20年になりますが、最近トラブルが続いているJALに何が起こっているかを伝えています。


昔の日本航空は、5年ごとに墜落事故を繰り返していたそうですが、1985年の事故以来墜落事故は起きていないそうです。一見事故を契機に安全性を確立したかのように見えますが、最近のニュースを見ているとそうでもなさそうです。


1985年以前は日本航空が日本の国際線の空を独占してきましたが、1985年からの20年は航空業界に自由化の波が押し寄せ、日本航空もその中で競争に巻き込まれていきます。


国内では全日空が国際定期路線に進出し、さらに海外有力航空会社と提携することによってシェアーを伸ばしています。今やほとんどの経営指標で全日空に負けてしまっているにもかかわらず、未だに日本航空がナンバーワンであるとの自負だけが蔓延っているそうです。


数々の整備不良や乗務員のミスが、特にここ数ヶ月で激増しています。今の日本航空は、過去に消え去った、世界最大を誇ったパン・アメリカン航空の末期の姿に似ていると言います。当時のパン・アメリカン航空内では、決して潰れる事はないと信じられていたそうですが、同じことが日本航空に起こらないとは限りません。


特に、単なるミスの連続だけでなく、整備員の故意によるワイヤーの切断が発生する状態では、もはや安全を語る以前の問題でしょう。その整備員を監視するため、飛行機の整備場に14台もの監視カメラが設置されていると聞いて、まだ日本航空に乗り続けるのんきな乗客がどれほどいるでしょうか?


かつては人気があった日本航空を使ったパックツアーの売れ行きが良くないそうです。旅行会社もできれば他の航空会社を使いたいと言っているそうです。


日本航空でも運行の定時性に力を入れるあまり、安全がおろそかになっていると考えられています。JRの脱線事故の原因と共通する部分が少なくありません。


航空自由化によって、世界中の航空業界は大きく変化しました。かつては格安航空券でしか乗らないと言われたアエロフロート大韓航空が、今や安全性を誇る航空会社に変貌していますし、サービスに関しても、キャセイ・パシフィックユナイテッドなどが、かつてとは見違えるほど良くなったとされています。


しかし一方では、サベナ・ベルギースイス航空のように、実質的に消え去った航空会社があるのも事実です。


日本航空は日本エアシステムと合併して新生日本航空となりました。国内線と国際線の併せ持つ利点を生かして、甦ることができるのでしょうか?


尾翼に映える太陽が、落日の如く落ちて消えてしまうことがないように願いたいものです。

514.JR宝塚線再開に思う (2005/06/21)

55日ぶりにJR宝塚線の運行が再開されました。通勤・通学が始まった昨日は、主要駅に報道陣も駆けつけ、空にはヘリコプターが舞い、騒然とした中での再開となりましたが、今日は落ち着きを取り戻し、以前と同じような朝の風景に戻ってきました。


再開された列車の先頭車の状況は、既にGEEKpanheadさんが昨日報告されておられますので、私の担当は最後尾、車掌室の様子などをご報告させていただきたいと思います。


昨日は、駅の係員も含めて3人がかりで、ホームの停止位置マークを指差しながら「停止位置よしっ!」はいささか大袈裟。そのあとも背広姿の社員が車掌室に乗り込んできて、発車のあとの確認点呼を車掌と一緒に繰り返していました。


「ホーム異常なし!」「ホーム異常なし!」「車両状態よしっ!」「車両状態よしっ!」と繰り返すのは良いのですが、車両から身を乗り出している車掌が確認するのは当然として、車掌室の中にいる背広の社員には車外の様子が判る訳がありません。


取って付けただけの確認点呼では意味がないと思っていたら、早速今日からは背広社員が乗り込むこともありませんでした。報道関係者へのデモンストレーションだと言われても仕方がないでしょう。


最高速度が120Kmから95Kmに制限されたと言っても、それ程遅いと感じるほどではなく、振り替え輸送で使っていた阪急電車に比べると、まだ十分に速く感じます。


今回最高速度を下げたことによって、宝塚・尼崎駅間で2分ほど余分に時間が掛かるようになりますが、これはもともと中山寺駅に快速を停車させるために、無理に圧縮したのを元に戻したに過ぎません。


快速を中山寺駅に停車させたときに所要時間を延長しなかったことが、その後の定時運行を困難にさせた原因のひとつと言えるでしょう。今後、宝塚・中山寺間に駅を新設するという話もあるようですが、同じ過ちを繰り返さないようにしてもらいたいものです。


事故現場を通り過ぎる時は、少し寒気を感じます。カーブに差し掛かり、この辺りで脱線した思われる位置から衝突したマンションまでは、想像していたより距離が長いと感じました。


この距離を先頭車両は地面に触れることなくマンションまで到達したのですから、コースを外れたジェットコースターのようにすっ飛んで行ったのでしょう。


この事故によって、多くの命が失われました。その犠牲のおかげで、これから安心して電車に乗ることができるようになる、という意見も聞かれます。


しかし、果たしてどれほど安全性が向上したのでしょうか?まだ誰も気付いていない危険が、たくさん潜んでいるような気がします。

513.京都・大阪間電車競争 (2005/06/14)

もう30年近く前になるでしょうか。当時、国鉄新快速は、京都から大阪まで32分ぐらいで走っていたと思います。現在の130Kmで突っ走る新快速でも29分掛かりますから、相当速かったと言えるでしょう。


もっとも今は高槻と新大阪に停車しますが、当時は京都・大阪間はノンストップでしたから、速度的には今より遅かったのでしょうが、それでも、同じ区間をノンストップで走る特急列車を、途中で追い抜いてしまう程でした。「特急料金を払っている列車を追い越すとは何事だ!」と、問題になったこともありました。


一方、迎え撃つ阪急京阪もスピード競争の真っ只中でした。しかし、停車駅が多いこともあり、京都・大阪のそれぞれのターミナル駅まで、36分から40分と言ったところでした。


ダイヤだけを見れば、国鉄が一番速いのははっきりしています。しかし、出発地点と目的地によっては、どの鉄道を使うのが一番早いか判らないものです。


各鉄道間のスピード競争の激しさが増す中、ある鉄道関係の雑誌では、ひとつの実験をすることにしました。実際にある出発地点からそれぞれの鉄道を使って目的地に向かい、どの鉄道が一番先に着くかを競争したのです。


スタートを正午とし、出発地点は京都市役所、目的地は大阪市役所でした。


京都市役所は、一番繁華な河原町三条・四条のすぐ北にあり、京阪の三条駅まで徒歩7分、阪急の河原町駅まで徒歩10分の距離にあります。一方、国鉄京都駅まではバスに乗らなければならず、30分以上は覚悟しなければなりませんでした。


また、大阪市役所は淀屋橋にあり、京阪淀屋橋駅からはすぐのところにありますが、国鉄と阪急は、地下鉄御堂筋線を一駅乗らなければなりません。


3人の雑誌スタッフが、正午ちょうどに京都市役所前をスタートして、それぞれの駅から電車に乗り、大阪市役所前で再び集合したのですが、果たしてどのルートが一番早かったのでしょうか?


結果は、阪急が一番早く、次に京阪、最後は国鉄だったと思います。一番有利だと思われた京阪は、ダイヤの関係で出発駅での待ち時間が長かった為に、2位止まりになったようです。また、全体としてはどのルートでもそれ程大きな差がなく、1位と3位の差は10数分だったと思います。


さて、あれから30年近く経った今、同じ競争をすればどうなるでしょうか?「ジョルダンの乗り換え案内」で京都市役所から大阪市役所をシミュレートしてみました。各市役所の最寄りの地下鉄駅まで、徒歩5分とした結果は次の通りでした。



  1. 京阪 13:07到着
  2. JR 13:14到着
  3. 阪急 13:18到着

今回は阪急の始発駅での待ち時間が長くなってしまい、不利になってしまいました。JRが2位に食い込んだのは、車両の高速化もさることながら、京都市地下鉄が開通したおかげで、JR京都駅までの時間が大幅に短縮された効果が大きいようです。


目的地に早く到着することは、交通機関にとって大切なことですが、それ以外にも駅の利便性駅構内の移動のしやすさ運行の定時性車内の快適さリーズナブルな運賃など、鉄道を選ぶ上で重要な要素はいくつかあります。


車両の高速化だけに目を奪われるのではなく、鉄道システム全体の調和を取りながら進歩することによって、安全で快適な交通システムを目指してもらいたいものです。

512.大阪・三ノ宮間19分 (2005/06/13)

今朝の電車は踏んだり蹴ったりでした。まず早朝の踏み切り無謀横断によって、全体が5分程度遅れているところに、別の線区で起きた人身事故によって乗り入れている各列車の遅れが拡大しました。


とどめは先行する快速電車のパンタグラフにビニールが巻きつき、取り除く作業の為後続の列車が駅で長い間停車する結果となりました。


最近特に目に付くのは、踏み切りの無謀横断が増えてきていることです。社会の秩序が守られなくなってきていることの表れなのでしょうか?さらなる悪化によって、鉄道システムが崩壊することがないことを願います。


関西圏のJRは、ほかの私鉄に比べて同一列車の運転区間が長いため、事故や故障の影響が広い範囲に及ぶ反面、一気に連続した区間を乗り換えなしに乗車する事ができるメリットもあります。


高速化と共に整備されたアーバンネットワークによって、通勤圏・通学圏が拡大したのは確かですし、日帰り旅行に利用する人も増えてきました。しかし、行き過ぎた車両の高速化を反省する機運が高まってきました。


JR宝塚線の再開に際しては、最高速度が120Kmから100Km以下に暫定的に変更されようとしています。JR西日本の高速化によって安全性が犠牲になったという考えから、他の在来線の最高速度も下げることが検討されているそうです。


今130Km運転を実施している新快速は、大阪・三ノ宮間を19分で結んでいます。最高速度を落とすことによって19分が20分台になると、印象が大きく変わると懸念されているそうですが、阪神間を併走する阪急や阪神が28分前後掛かっている現状では、スピードの優位性は大きく変化しないと思われます。


また実際にはこれらの駅が出発地点や目的地であることは稀ですから、乗り継ぎや徒歩に掛かる時間を考慮した場合、主要駅間の所要時間はひとつの要素に過ぎないと言えるでしょう。


そう言えば25年ぐらい前に、鉄道関係の雑誌に面白い記事が掲載されたことがありました。それは、JRがまだ民営化される以前でしたが、すでに列車の高速化が始まっていた頃でした。