363. Jackito TDA? (2004/07/16)

japan.internet.comに、「失くすものは使わない」と言う記事が掲載されています。PDAに付き物のスタイラスをよくなくすが、それなら最初からスタイラスを使わないPDAはどうかと言うのです。


そこで紹介されているJackitoと言うサイトに行くと、なにやら怪しげなPDAが紹介されています。どうもこれまでのPDAではなく、TDA
(Tactile Digital Assistant)と呼ぶようです。

大型の液晶画面を両方の親指で操作し、ハードウェアボタンも手書き認識も使わないそうです。


さらに目立つ特徴としては、7プロセッサーによるマルチタスクをOSがサポートしており、4.5インチの大型スクリーンからは音が出るとのこと。新しさを感じる以上に、少し危険な予感がします。


CPUは、三菱の10Mhzを筆頭にFPGAも搭載しているため、ソフトウェアのアップグレードも容易に出来るそうです。また動作周波数が低いため、単3電池1本で長時間動作するようです。


FAQのページにはこの製品の特徴が紹介されています。「PCとのリンクを取るクレードルをなぜ用意しないか」とか、「高性能の単一プロセッサーを採用しない理由」が並んでいます。


インターフェースとしてブルートゥース、バックアップデバイスとしてとメモリーカード・スロットが装備されており、公衆回線とは携帯電話を介して接続できればよいと割り切っています。


価格について、なぜ600ドルもするのか説明しています。やはり大型のタッチスクリーンがコスト要因だそうですが、7つのCPUやゲートアレイ、低消費電力、マルチタスク処理などを考えれば、リーズナブルな価格だと説明しています。


最初の50万台を生産した後は、量産効果で100ドルぐらいの価格低下が期待できると予想しているそうです。


会社の概要を見てみますと、1999年に設立されたベンチャー企業のようです。他に製品がないため、一体どのぐらいポテンシャルを持った企業か判りませんし、この製品にしても、これまでのPDAに比べてどのようなアドバンテージがあるか、はっきりと解説されているわけではありません。


しかし、PDAの将来に希望を持ったこのような企業が出てくると言うことは、業界にとっては刺激になって良いことでしょうし、PDAそのものの可能性が新たに開拓される事も期待できます。


脚光を浴びてPDAの新しい潮流になっていくかも知れません。

362.無理難題コラムを終えて (2004/07/13)

vega21.comさんと共同で6回連続でお送りして参りました、「無理難題コラム」を読んで頂いた方々には、御礼申し上げます。


ふふふ総帥も、お相手をしていただきまして、どうもありがとうございました。取りあえず終わってほっとしました。やはり大先輩との共同企画となりますと緊張します。


ましてや、次のテーマが一体何になるかドキドキしている間というのは、不安がいっぱいでなかなか苦しいものがありました。(でも癖になりそうな予感もあります。)


しかし、突如目の前に現れるテーマに対して情報を集めるには、やはりインターネットは絶大であることを再認識いたしました。


かなり昔になりますが、某コンピューターメーカーのCMで、「ただの数字であるデータを集めただけではビジネスは成り立ちません。多くのデータからビジネスの判断に結びつく、価値のある情報を引き出すのが、コンピューターの使命です。」みたいなコピーがあったのを思い出しました。


インターネットには今、ありとあらゆる情報が溢れかえっていて、さらに日一日とその情報は膨れ上がっています。すでに人類データーベースとでも呼ぶべき情報がインターネットには蓄積されています。


しかし、情報量が多すぎて、効率よく必要な情報を探し出すのに苦労するようになりました。情報の賞味期限も考慮しなければなりません。もうすでにインターネットの情報は、私たちが探し出すことの出来る限界を超えているのではないでしょうか?


私たちは、生活やビジネスの局面で情報を利用した判断を行いますが、そのうちに人間の処理能力を超えた情報を利用する技術が発達してくるかも知れません。これまでの人類の知恵を総動員して判断を下した方が、的確な場合があるに違いありません。


まだまだ世界は流動的です。しかし、情報が溢れあらゆる経験を人類が経験していく過程で、全ての事象は過去の経験から最適な答えを導くことが出来るようになり、いわゆる定石によって判断することができるようになるかも知れません。


今のように、インターネットの情報を探し回って自分で判断するのではなく、ネット上の人類データーベースから判断して導かれた答えに、私達は従うだけになるかも知れません。


今回ふふふ総帥から頂いたテーマであったユビキタスによって、情報ITなどの言葉が死語になってしまうのは、それ程遠い未来ではないかも知れません。

361.無理難題コラム5: ユビキタス (2004/07/10)

今回のふふふ総帥から頂いたテーマは、「ユビキタス」。ただし条件付き: 「可能な限り、死語を使って書いてください。」 確かに、vega21.comのコラムに書かれているように、「英語を日本語化した言葉には死語もしくは恥ずかしい言葉が多い」、は納得できます。


その言葉が登場したときには、おそらくイカス言葉であったのが、すたれてくるとダサク感じてしまいます。流行がセンセーショナルであればあるほど、後はどん底になってしまいます。


そう考えると、今日のテーマ「ユビキタス」などは、明らかに死語予備軍でしょう。ユビキタスに限らず、過去から現在まで電算機業界では、毎年のように新造語によるユーザー幻惑作戦が繰り返され、「今導入しないとマーケットのトレンドキャッチアップ出来ない」、とユーザーを信じ込ませて来ましたから、死語となってしまった電算機業界用語(IT用語)は少なくありません。


これまでの1人に1台のネットワークにつながったパソコンから、複数のネットワークコンピューターを利用するようになると言うのなら、何も「ユビキタス」等とハイカラな言葉を使わないで、「どこでもコンピューター」や、「ゴロゴロしているコンピューター」「腐るほどあるコンピューター」でも良いのダッチューノ


つまり、「ユビキタス」のような、最初はカッコつけてイケイケの言葉を使うと、結局最後には使うのが恥ずかしながらになるのです。


ユビキタスと言えば、どこでもコンピューターですから、パームを始めとするPDAはユビキタス・コンピューティングの最右翼ですが、PDAや電子手帳というと死語になりそうな感じです。電子手帳に限らず、電子○○はほとんどが既に恥ずかしいかも知れません。


セロハンで出来たテープをセロテープと呼び続けているように、手のひらに載せて使うコンピューターを、「パーム・コンピューター」と呼び続けたいものです。少なくとも「ユビキタス」が死語になったとしても。


ところで、死後の世界では、死語だけしか使ってはいけないそうです。なんとお寒い世界なのでしょう!


さて、イケイケドンドンでやって来ました「無理難題コラム」も、ついに次回はクライマックス最終章です。


テーマは、「明るい未来」です。ふふふ総帥、締めをよろしくお願いいたします。

360.無理難題コラム3: 日本でTreo600が使えるようになるための方策 (2004/07/08)

さて、ふふふ総帥から次に頂いたお題は、「日本でTreo600が使えるようになるための方策」であります。確かにパーム・コミュニティーにおきまして、Treoを始めとするスマートフォンを熱望する声が多いのは事実であります。


日本の携帯電話市場においては、日本独自規格の採用により、いわゆる世界でシェアを取っているノキアモトローラの製品はそれ程多く出回っておりません。


反対もまたしかりで、国内のメーカーが世界の携帯電話市場で、多くのシェアを取っている訳ではありません。この辺りの解説はアットマーク・アイティの解説記事、「先行するヨーロッパの携帯電話OS事情 ―世界標準から取り残される日本の携帯電話―」が、将来展望も含めて良くまとまっています。


もう2年も前の記事ですが、今の日本の携帯電話業界が抱える問題がそのまま浮き彫りにされています。パソコンとワープロ専用機に例えて、日本の閉鎖的な携帯電話環境を問題視しています。


ハードウェアとソフトウェアが一体になったワープロが、汎用性のあるパソコンに取って代わられた例や、長い間NEC独自規格が主流であったために、世界標準から取り残されてしまったパソコンの例をあげ、日本の携帯電話がまた同じ道を歩む可能性を指摘しています。


Treo600に魅力を感じ、何とか日本で携帯電話として使えないかと模索されている方も多いようですが、同じCDMA方式のauであっても、発信回路に細工をしないと使えないと聞いたことがありますので、ハードウェア的には同一ではないようです。


また、通信プロトコルなどもキャリアごとに違いがあるでしょうから、アマチュア無線のトランシーバーに改造しそうな「とらじろうさん」ならともかく、一般的には諦めるしかないようです。


そもそも、日本ではPIM機能を搭載したスマートフォンは売れないと言う定説があるようで、今の携帯電話が提供する簡易版のPIM機能で十分だと考えられているのでしょう。


あるいは、シグマリオンの販売が一部のユーザーに留まっている事も、スマートフォンの開発に踏み切れない理由かも知れません。


ただ、「17.携帯電話が開発プラットホームを考える時 (2003/02/14)」にも書いていますが、携帯電話のアプリケーション・ソフトウェアの開発プラットフォームとしてのパームOSには、過去のソフトウェア資産の流用や開発費の削減などのメリットがあります。


スマートフォンの汎用性や進歩性を正しく評価し、開発環境の世界標準化を図って行かなければ、今後携帯電話の市場が先細りになるかも知れません。


良い機会ですから、日本でTreo600が使えるようになるための方策を練りましょう。(そんなに簡単に行くのでしょうか?今後取りあえず、「スマートフォン普及作戦」を進めていきます。)


それではふふふ総帥、そろそろ本領を発揮していただいて、「夏のバカンス!」でお願いします。(バカンスって死語?)

359.無理難題コラム1: 参議院選挙 (2004/07/06)

vega21.comふふふ総帥との共同企画が、「いきなりリレーコラム」だったはずが、いつの間に「無理難題コラム」に変わっていました。しかも初回のテーマが「参議院選挙」とは確かに無理難題でございます。


政治と宗教に関しての話題を避けて通ってきた当サイトと致しましては、当たり障りのないところでウェブにある情報を拾いながら、お次の方に引き継いでいきたいと思います。


そう言えば、数週間前から選挙ポスターの掲示板が近所に設置されて、何の選挙が始まるのかと思っていたら、参議院の選挙だったのですね。その掲示板の半分しか埋まらない候補者のポスターを見ていて、いまいち盛り上がりに欠けると思っているのは私ばかりでしょうか?


試しにGoogleで「参議院選挙」を検索してみると、政党のホームページの間に埋もれそうになっている、総務省・中央選挙管理会のページを見つけました。


「日本に関心を持てるのは、スポーツだけですか?」「あなたの一票には力がある。」、とサッカーの中山雅史選手と白石美帆さんが笑顔で語りかけます。


当日投票できない人のための「期日前投票制度」「郵便等投票制度」、あるいは「不在者投票制度」の具体的な方法が紹介されています。


選挙制度には国民の過半数の投票率が不可欠ですが、最近の投票率の推移はどうなっているのでしょうか?International IDEAには各国の選挙の投票率等のデータが網羅されていますが、日本の投票率は25年ぐらい前までは70%台をキープしていましたが、その後徐々に落ち始め、最近10年では60%台をキープすることができなくなってきました。


他の国々でも同様に、投票率は低下傾向にあるようです。フィリピンやドイツなどでは今でも80%程度を保っていますから、国によって状況は同じとは言えませんが、選挙制度を継続するためには、そろそろ投票率の低下傾向に歯止めを掛ける必要がありそうです。


また、記憶に新しい米国大統領選のフロリダ州の集計ミスに代表されるように、僅少差で決着が着く場合の、選挙システムの精度の曖昧さにも問題があります。集計をやり直すたびに結果が異なるようでは、投票の信頼性に疑問が生じます。


選挙の結果によって、戦争が始まるかどうかが決まる場合がありますから、信頼性の高い選挙システムの構築が望まれるところです。


IT Media Mewsの古いところを探してみると、古いパンチカード・システムの問題新しい投票システム開発のニュースが、前回の大統領選の問題が発生した頃に論じられています。


古いパンチカードシステムはIBM誕生のきっかけでしたし、新しいシステムにはユニシスデルマイクロソフトが参画しているようです。選挙とITは深い関わりがありますが、信頼性のある投票システムによって投票集計の精度を高めて行くことが、選挙制度の信頼を保つために求められています。


日本でも携帯電話を使った自動投票集計システムが、特許を取得しています。投票即集計が可能となれば、開票速報の経過を見ながら投票する事が、技術的には可能になるかも知れません。その投票に対応した携帯機器の中に、パームが含まれていればうれしいのですが。


投票に行く手間を省くことによって投票率の低下を防ぐことが、新しい投票集計システムによって可能になるかも知れません。


ただ、選挙が終わった日に、日曜夜の全てのテレビ番組が特番を組み、開票速報を見て過ごすのも、それはそれで楽しみかも知れませんが、、、


最後に参議院ホームページを紹介しておきます。FAQにはトリビア的話題がありますので、意外と楽しめます。


さて、非常に中途半端になってしまいましたが、お後に引き継ぎたいと思います。ではふふふ総帥殿、明日は「お中元」でよろしくお願いいたしまする。