244.ゲノムひろば (2003/11/05)

昨日、当サイトを読んでくださっているYさんと言う方から、メールを頂きました。“一般の方々に科学をもっと広く知ってもらおう”、と活動をされておられるそうです。


ご専門が生物の分野だと言うことで、ゲノムに関する一般向けのイベント「ゲノムひろば」を、紹介していただきました。今週の週末に京都の四条烏丸で開催されるそうです。


イベントのタイトルが親しみやすい感じがしますし、サブタイトルも、「ゲノムに触って!ゲノムで感じて!市民との交流イベント」、とあるように、何かゲノムと簡単に触れ合えることができる予感がします。


私も、科学する心は幼少の頃に養われるものと考えておりますので、このような企画のイベントは、出来るだけ子供を連れて行くようにしています。ゲノムは、私の年代では学校では習わなかったので、かなり手強そうな感じがしますが、このイベントは楽しめるかもしれません。


ゲノムと言えば、あらゆる動植物のゲノム解析が進行していたり、最近解析結果が特許申請されたりして、言葉としてはよく耳にするようになってきました。また、生命の誕生や進化、病気や遺伝の話は、実は生活に一番密接に関連したテーマでもあるのです。


また子供にとっては、メダカショウジョウバエを見たり、普段あまり見ることのできない、ホヤ,線虫,細胞性粘菌などを顕微鏡で見ることができると言うことで、生物に対して興味を持つきっかけになるかもしれません。


そう言えば、昔ショウジョウバエを研究対象にしていた方から、「ショウジョウバエ羽を動かす筋肉は1本だけであり、遺伝子を操作してその筋肉の運動能力を変化させることによって、色々な筋肉に関するデータが集められるのだ」、という講釈を受けた事を思い出しました。


筋肉は、ショウジョウバエも人間も同じ組織からできていて、ショウジョウバエの筋肉はその基本を成すものだと教わりました。ショウジョウバエの筋肉より原始的になると、繊毛運動などの違う動きになるので、筋肉を持つ生物の研究には、ショウジョウバエが欠かせないのだと言われていました。


あれから15年が過ぎようとしていますが、その間のライフサイエンスの発達は目を見張るものがあります。


秋の行楽シーズンです。もし、京都の紅葉を見て疲れたなら、細胞性粘菌を顕微鏡で覗くのも、新たな発見があるかもしれません。(かなり新鮮かもしれない!)

243.森林は育てるもの (2003/11/04)

カリフォルニア州南部の森林火災が、ようやく鎮火しようとしています。これほどまでに燃え広がったのは、枯れた木を伐採して来なかったからだと、新知事は力説しています。


日本の林業が、一部のブランド銘木以外利用されなくなったのは、間伐植林の手間をかけなかったからだと言われています。森を育てるのは何十年とかかる長い仕事です。長い仕事になればなるほど、その間に少しでも手を抜けば、確実にその影響が出てきます。


神戸にある六甲山は、明治までは禿げ山だったそうです。元々花崗岩でできた山で、自然と木が生長するには適していなかったのかもしれません。その後植林に力を注いだおかげで、今では緑豊かな木々に覆われています。


松食い虫の被害を避けるため、ある時期からを積極的に植林してきたそうですが、最近これら常緑の針葉樹によって、低層に生えるべき草花が育ちにくいと指摘されています。そこで常緑の杉や桧を間引いて、その代わりに落葉する広葉樹を植えて行こうとしています。


広葉樹は、葉を落とすことから下層部の草にも日が当たる時間が増え、落ちた葉が土地を肥やすので多くの植物が育つ、いわゆる雑木林を形成し易くなります。雑木林は植物のみならず、小動物にとっても住み易い環境を形成します。


また、針葉樹は根の張り方が少なく、土砂崩れ鉄砲水などの災害が起きやすいのですが、広葉樹根を広く張るため地面の保水力が増し、水災害の対策としても効果があるようです。


一般的に、広葉樹はその枝葉が空中に広がっているのと同じだけ、地中に根を張り巡らせているそうです。つまり、上から見て枝葉が投影される地面には、根が伸びていると言うことです。それだけ大地に根ざしていると言うことでしょう。


森林の育成・保護には多くの人手と時間がかかります。また、継続的なメインテナンスも欠かせません。企業の中には、本来の事業とは別に、積極的に植林事業を進めているところもあります。


22世紀の森林は、もう生長し始めているのです。

242.オーカルカッタ (2003/11/03)

掌極道で、「文化の日を語る 」と題して、台湾と日本での文化の比較をされています。なかなか強烈な印象のある出し物であったようで、このような場合はめちゃくちゃ受けるか、めちゃくちゃ引いてしまうかのいずれかになってしまうのでしょう。くみちょさんの貴重な体験が手に取るように分かって、面白く読ませていただきました。


この下ネタ系のネタは、受けるか受けないかが最も極端に出るものですから、かなりお互いを知り尽くした間柄でなければ、リスクが高いものと言えるようです。下ネタ系でも芸術性が加わればすばらしいものになるのですが、芸術性がないと単なる下品になってしまう可能性があります。


昔、シンガポールに行った時、観光客向けのショーで大蛇を首に巻いて記念写真を撮る出し物がありました。会場から選ばれたお客さんが蛇に怖がっている姿を見て、会場の欧米系の人たちには大受けで、同じ怖がる仕草にげらげらと大笑いしていました。


逆に、私も含めて東洋系のお客さんには、大して受けていなかったように思います。その国それぞれの文化的背景が異なりますから、習慣として笑いに結びつくものとそうでないものが、国によって異なることがあるのでしょう。


ニューヨークエディソンホテルで、ロングランミュージカルの「オーカルカッタ」を見たことがあります。それなりに有名でしたし、長い間続いていると言うことで、はずす事はないだろうと思って見たのです。もう10年以上前の事です。


要は裸の男女が下ネタ系のショートコントを繰り返すのですが、芸としてなかなか普段お目にかかれないと考えれば面白いし、下品と言えば単なる下品かもしれません。


途中の休憩時間に劇場を後にするお客さんも、1組や2組ではありませんでした。その時は決まって、怒った顔をしたご婦人の後を、付き添いの男性が頭をかきながら付いて行きます。


「何でこんなのを私に見せるの?」、「うーん、君にも受けると思ったのになー」、みたいな感じでしょうか。お互いよく知っている間でも、この手のネタには相手がどのように反応するか、解らないものなのかもしれません。

241.ベーキングソーダで歯磨き (2003/11/03)

ベーキングソーダと呼ぶぐらいですから、パンやお菓子作りに欠かせないのは言うまでもありませんが、USでは文字通り魔法の粉と称して、様々な利用方法があるようです。日本では重曹と呼びますが、家庭で常備しておくほど一般的には使われていないと思います。


ARM & HAMMERと言う会社は、そのベーキングソーダを販売していますが、アメリカの家庭ではベーキングソーダは様々な使われ方をしていて、各家庭には大きな箱に入ったベーキングソーダが必ずあります。


日本では、冷蔵庫の消臭には活性炭を使いますが、USでは活性炭の代わりにベーキングソーダを使います。黒い活性炭を消臭剤として使い慣れていると、あの白い粉が臭いを吸収するとは感覚的に信じがたいのですが、USでは常識になっているようです


また、ベーキングソーダで歯を磨くのが一般的になっていて、先ほどのARM & HAMMER社の歯磨きがヒットしたのを受けて、クレストやコルゲート等他のメーカーも追従して、多くの歯磨きに添加されるようになりました。USではほとんどの歯科医師が、ベーキングソーダを使った歯磨きを推奨しているそうです。


USでは子供たちの歯に虫歯は無いと言われています。小さいときからフッ素入りのチューアブル剤を使ったり、フッ素入りの歯磨きを使っているため、虫歯治療で歯科医を訪れる子供が減っているようです。そのため虫歯の治療をする歯科医が減って、代わりに矯正歯科などの専門医が増えているそうです。


USでは歯並びが悪い事を嫌いますから、子供の内から歯については注意をするのでしょう。また、成人になってから歯列矯正をしている人も多いようです。


日本の一部の歯科医でも、重曹を使った歯磨きを勧めているようです。最近はフッ素入りの歯磨きが増えてきましたが、これからは重曹入りのものも登場するかもしれません。80才で20本の自分の歯を残そうという目標が掲げられています。その為には今からベーキングパウダーで磨くのも良いかもしれません。