ここで言っているのは、携帯電話がパームっぽくなってきていると言う意味です。
先日、携帯電話の新機種の広告を見ていると、2つほど気になる新機能がありました。
一つ目は、携帯電話の液晶が鏡になるもの。パーム・ウェアではジョーク系ソフトとして定番ですが、携帯電話でも採用されました。コンタクトレンズ着用者には便利であると説明されています。もうひとつはサーチライト。夜、家に帰って鍵穴を探すのに便利であるとの事。
これらの物を常に携帯している人にとっては、携帯電話さえ持っていればいいのですから便利です。必要のない人は別に使わなくても邪魔にはなりません。
私は、携帯電話会社がこの新機能を、単なる付け足しのジョーク機能として追加したとは思えません。これは、携帯電話からのパームに対する挑戦ではないかと。つまり、パームにできることは携帯電話ならなんでもできるよ、と言うことではないかと思ったりします。ジョーク系ソフトでも、1つ1つ取り込まれてしまえば、パーム・ウェアの活躍する範囲が狭められてくるのです。
この新しい携帯電話を持った人が、懐中電灯を同時に持って出かけるでしょうか?もっと大きい手鏡でなければだめだと思うでしょうか?このようにして、携帯電話は、懐中電灯と鏡を取り込み、より一層手放せない存在になるのです。この上PIM機能を拡張して行けばパームが築いた市場を徐々に取り込んで行くかもしれません。そろそろ反撃をしなければ、パームの世界が縮小してしまいそうです。
ゲーム機の市場も、携帯機に関しては油断はできません。ソフトのダウンロードはお手の物ですから、安くいろいろなゲームをリアルタイムに提供することは簡単です。
と、ここまでは実は前置きで、携帯電話に反撃をする久しぶりのパーム販促作戦に行ってみたいと思います。
21.確定申告書作成コーナー (2003/02/23)
私は、サラリーマンなので数年に一度ぐらいで確定申告をします。今年は医療費控除の為に申告する事になりました。住宅取得控除をされる方も多いと思います。
今年は、国税庁のホームページから申請用紙が家庭のプリンターで印刷でき、そのまま郵送で提出できると言うことで早速試してみました。確定申告書の作成ページには、サーバーのメインテナンスの予告があります。何かいやな予感がします。
国税庁のページから、申告書作成のリンクへ飛んで、申告書や控除の種類を選択するあたりは、難なく進むのですが、源泉徴収票のデータ入力あたりから怪しくなってきます。
給与情報を入力した後の画面の切り替えに5分以上かかり、源泉徴収票のデータ入力後にまた5分。医療費控除を選択後、医療費金額の入力画面の切り替えに3分。医療費控除金額入力後、サーバーエラーに何度もトライするも、あげくに”リモートサーバーから切り離されました”と拒否されてしまいました。
税金返すのがいやなのかと疑ってしまいますね。どの画面にも、丁寧に税金の事に関する説明がてんこ盛りですが、ことデータを入力した後の処理が全くだめです。
そもそも、このシステムで印刷した申告書は郵送して、OCRで読みとるそうですが、そのために印刷ずれが出ないように事細かなプリンターの設定に関する説明が書かれています。今回のシステムは、そのあたりに配慮しすぎて、基本的な税金の計算をするプログラムがテストされていない感じです。システムエラーとただ表示されるだけというのは、エラー処理をやっていないと言うことです。
オンライン申請に対応しようとしたが、今年は間に合わないので、印刷、郵送、OCR入力というフローを考えたのでしょうが、どうせオンライン申請が間に合わないのなら、ソフトウェアをダウンロードしてクライアントマシーンで実行する形式の方が、はるかに効率が良かったでしょう。そもそも、電卓でできる計算なのですから、わざわざサーバーに暗号化して大切なデータを転送する必要はありません。
悪戦苦闘、計4時間かけましたが、結局最後の印刷画面まで到達できませんでした。申告用紙をもらってきて、手書きで書いた方が早そうなので、今年の確定申告書作成コーナー奮闘記はこれにて終了させていただきます。もし来年、確定申告する機会がありましたら、是非すんなりと申告書が完成するシステムにしてから、カットーオーバーして頂きたいものです。
20.散髪の日米比較 (2003/02/22)
携帯電話の話が続いたので、ここらで話題を変えまして(変わりすぎですが)、日米散髪比較をしたいと思います。
散髪というのは、結構そのお国柄が表れます。一般にはあまりアメリカでの散髪はお勧めではありません。旅行ガイドでも、是非アメリカで散髪をして帰ろうと書いてあるのを見たことがありません。現地の人も、各家庭でされる場合が多いようです。
東海岸のとある田舎町に住んでいたとき、地元のローカル新聞に年間優秀店舗として載っていた散髪屋に行きました。これが、店舗の雰囲気から映画のセットのようなのです。すり減ったカウンター。使い古された椅子にシミの付いたミラー。その他、骨董品のような器具の数々。博物館そのものです。また、ノーマン・ロックウェルの世界に出てくるようなおじさんが、お客さんの頭をいじっています。
覚悟を決めて待っていると順番がやってきて、そのテカリの出た革張りの椅子に座らされます。どのぐらい切るのかといったような質問の後、でっかいバリカンを取り出しました。あの羊を丸刈りするようなぶっといコードの付いたやつです。
ここで注釈ですが、一般に日本では刈り上げる部分のみにバリカンを使い、それ以外ははさみを使います。私の頭は、日本でははさみだけで散髪してもらっています。
さて、唸りをあげてバリカンが襲ってきます。”いかん、このままでは丸刈りにされてしまう”と思ったのですが、なんとそのでかいバリカンとくしを巧みに使い、うまい具合に毛をすき取っていきます。ものの5分ぐらいで散髪は終わりました。
これはこれで技術だと思いました。日本でバリカンをここまで細かく使いこなす人は見たことがありません。もし同じような散髪屋が日本にもあるとしたら大したものです。まあ、日本ではこのような散髪屋があったとしても、古いと言うだけで誰も行かないでしょうし、ましてやバリカンだけで刈られるのにも、抵抗があるかもしれません。
散髪が終わった後は、これもまたでっかい掃除機で、首や体に付いた毛を吸い取っていきます。もちろんひげ剃りはありません。でも、これと同じような散髪屋のチェーンが日本でも増えてきていますが、店の古さとバリカンは、なかなか真似のできない事だと思います。(何も真似をするほどの事ではないですが。)ちなみに、散髪料は1997年当時$10でした。これも、日本の散髪チェーンと同じですね。
19.電車の中での携帯電話 (2003/02/18)
ここ数年、携帯電話を電車内で使わないようにとアナウンスが続いていますが、皆さん従われていますか?
車掌さんのアナウンスが響き渡っている間でも、私が乗っている電車では無視している人がほとんどです。なぜでしょうか?
- 私のはPHSに見えるから、携帯電話ではないと思ってくれているだろう。
- スケジュールやメールを打ち込んでいるから、電波は出ないのでペースメーカーには影響しないはず。
- そもそも、携帯電話は暇なときに使う物。電車の中以外は歩いていたり、友達としゃべったりで忙しいので、電車の中ぐらいしか暇がない。
- 自分の周りには、ペースメーカーを頼りにしているような、弱々しい人は見受けられないから、電波が出ていても大丈夫だ。
ごもっともです。私は、携帯電話を持たない主義ですのでよく分かりませんが、こんなところが電車の中で携帯電話を持ち出す言い訳でしょう。
ちなみに、ペースメーカーを付けている人の中には、弱々しいどころか意外にビンビンに元気そうな人も多いらしいです。
それはさておいて、WorkPad 31Jと言う、PHS内蔵の機種が出たときに、このままでは私の30Jも電車の中で使えなくなると思いました。PDAから電波が出ているというのが一般常識になれば、PDAも携帯電話と一緒に電車の中で使用禁止になってしまうと。
いや、PDAを知らない人から見れば、携帯電話もPDAも同じに見えるかもしれません。パームでCrs-Medocを使っていても、他の人から見れば、”でかい携帯電話を電車の中で使っている悪いやつ”と見られているのでしょうか?
18.携帯電話型カメラの秘められた可能性 (2003/02/16)
昨年末、神戸のルミナリエに行きました。点灯の時間を並んで待っていました。30分ぐらい前から通りには大勢の人が集まってきて、今か今かと待っていました。
ちょうど時間になって、点灯し始めました。周りでは皆さんが感嘆の声を上げています。みんなぞろぞろと歩き始めました。その時、私は奇妙な光景を目にしました。多くの人が携帯電話を頭の上に掲げたのです。そのあまりの数の多さは、まさに雨の後のタケノコのようです。
実は、最初何をやっているのかよく分かりませんでした。何しろ、私が持っていた写真撮影の既成概念では、理解できなかったのです。カメラは覗いて撮る物と昔は相場が決まっていました。今はこのような写真の撮り方があるのかと改めて思いました。
ひょっとして、私が今まで駅などで携帯電話でメールを打っていると思っていた人たちのうち、いくらかの人は実は写真を撮っていたかもしれません。
今まで、カメラという物はカメラの形をしていたので、写真を撮る行為は周りにいる物にとって明らかでありました。ところが携帯電話に取り込まれたために、写真撮影という行為が、周りの人に気づかれないうちに成される可能性があると言うことに気づきました。
これは、写真の分野で街頭スナップや、あるいは隠し撮りと行った物も、撮られる側にカメラを意識させないことによって、自然な姿を映すことが重要なのですが、携帯電話によるスナップ写真には、これまでのカメラにない表現の可能性があると言えます。
今までのカメラでは、撮られる側に気づかれないようにするために、小型カメラを使ったり、作動音の小さいカメラを使ったりしました。プロカメラマンなら、わざわざローライやライカと言った高級カメラを使ったりするのですが、携帯電話によるスナップ写真は、もっと自由度が高まり、スナップ撮影の新しい手法になる可能性があります。
今後高画質カメラを内蔵した携帯電話が、すなわちカムフラージュしたカメラと言う位置づけで、写真の世界に新しい表現をもたらすかもしれません。