414.食中毒も使いよう (2004/11/22)

食虫毒を起こす原因の中でも、ボツリヌス菌が出すボツリヌス毒素は最も毒性が強く、細菌性食中毒としては最も致死率が高いとされています。ところでボツリヌス毒素には神経を麻痺させる効果があり、最近ではこの強い毒性を医療分野に利用するようになってきました。


ボトックス治療と呼ばれるその方法は、患部にボツリヌス毒素を注射し、近傍の筋肉の緊張を緩和することによって、期待する効果を得るものです。


例えば、眼瞼痙攣(がんけんけいれん)や顔面痙攣と呼ばれる病気の場合は、顔や眼の筋肉が痙攣するのですが、ボトックス注射によって痙攣が一時的に治まるそうです。


ボツリヌス毒素自体は、体の代謝によって徐々に排泄されていくため、持続期間は6ヶ月程度だそうです。ですから、効果が低下してくると施術を繰り返す必要があります。毒素が強く危険性が高いため、施術は特別な認定を受けた医師しかできないことになっているそうです。


現在保険治療の対象になっているのは、眼瞼痙攣など一部の疾患に限られているようですが、筋肉の緊張を緩和する事を利用して、強い肩こりの治療に使われることもあるそうです。


しかし、ボトックス治療を有名にしたのは、何と言っても顔のしわ取りでしょう。ボトックスでネットを検索すると、次から次と美容整形医院のページが出てきます。顔の筋肉の緊張が取れると、顔のしわがなくなると言うわけです。


実際顔のしわ取りが目的でなくても、肩こりや顔の痙攣の為にボトックス注射を施すと、顔のしわがなくなってしまいツルツル・ピチピチになるそうです。たいてい副作用と言えば不快なものがほとんどですが、顔の痙攣を治したついでにしわが取れれば、一挙両得と言えるかも知れません。


以前はしわを伸ばすために、あごの下で顔の皮膚を引っ張る手術がありましたが、ボトックス注射なら傷跡も残りません。テレビに出演しているそろそろお年の女優さんは言うに及ばず、男女を問わずかなりの数の芸能人の方が利用されていると言う噂は、果たして本当でしょうか?


ただ、ボトックス注射で顔のしわを取った方は、化粧品のCMに出演するのはやめてもらいたいものです。(一体誰の事でしょうね?)

413.2年D組 (2004/11/22)

先週の土曜日に、毎年恒例になっております高校時代のクラス会に行って参りました。昨年も”259.2年D組 (2003/11/30)”で紹介したのですが、毎年同じ時期に開催されているとは言え、その年毎に新たな発見や感動があります。


その昔には同級生であったとしてもその後の人生は様々であり、その結果今では見違えるように老け込んだ者がいるかと思えば、いまだに高校生の時と変わらぬ印象を保っている者がいたりします。ただ、昔と印象が変わらない場合は、大概は昔から老けて見られていただけかも知れません。


一方の先生は、今や女子大の教授に収まっておられるためか、白髪もなくフサフサした頭髪は参加者の中でも1,2を争う若さを誇り、女子大生から若さを吸い取っているのではないかとさえ思えるほどです。


今回のイベントとしては、趣味で8ミリを撮っていた同級生が、デジタル・アーカイブした映像を映写したことでした。私たちの頃は映像はまだ8ミリの時代でしたから、最近では映写すること自体困難になっていますが、デジタル化することによって、パソコンとプロジェクターがあればそれが可能になっています。


さすがに20年以上前の映像ですから、俗に言う雨が降った状態ではありますが、そこに映し出された無声映画には、私たちの青春の思い出がいっぱい詰まっていました。


当時第28回記念祭と呼んでいた学園祭運動会を撮影したフィルムには、忘れかかっていた思い出がたくさん写っていました。またこれほど古い映像になると、当時の時代背景を見るだけでも面白いものです。


私たちの普段の生活の中では、今現在の自分の姿しか見えないのですが、遠い昔の自分の姿を見ることによって、長い時間の流れにある時は逆らいながら、ある時は流れに身を任せながら生きてきたのだということに改めて気付きました。


次々と壁に映し出される青春グラフィティー。その映像が映し出されていた30分の間、私の心は映像の中の17歳の頃に、タイム・トラベルしていたのでした。