308.ラスベガス入門5: ポーカー (2004/01/28)

ポーカーほど簡単に見えて、実は大変難しいゲームはないでしょう。いろいろな形式のポーカーがありますが、結果的に5枚のカードで組み合わせを作り、対戦相手よりも強いカードを持っていれば勝ちになります。


このゲームを難しくしている訳は、その対戦相手にあります。これまでのゲームの対戦相手はディーラーでしたから、相手の戦略がある場合、ある程度先を読むことが可能でした。ところがポーカーの対戦相手は、どこの誰とも知らない同じテーブルに座ったプレーヤーなのです。


相手の顔を見て強い弱いが分かればまだ良いのですが、人相ではポーカーの強さは判断できません。また毎回相手が変わりますから、よほど人を見る目がない限り、相手の戦略を見抜くことは困難でしょう。


ブラックジャックでさえ、強いカードは弱いカードに必ず勝つことが出来ます。ところがポーカーはそうとは限りません。ワンペアでもスリーカードに勝つことがあるのです。ポーカーフェースとはよく言ったものです。


またポーカーのテーブルは一番奥にあることが多く、その最低賭け金も比較的高い目に設定されているように思います。本当のギャンブラーが集まってくる訳です。


そこでとにかくポーカーがやりたければ、ビデオポーカーにたどり着くわけですが、これをしばらくやっているといくつか気付くことがあります。たとえば2ペアが出来ている場合、1枚切ってフルハウスを狙いがちですが、それより1ペアを崩して3枚切り、3カードを狙った方が高い確率で高配当がねらえます。


またフルハウスや、フラッシュストレートなどほとんど起こらないと思っているようなことが、いったん出始めると意外に簡単に出始めたりします。さすがに4カードは出にくいのですが、これが出たときには機械相手に飛び上がって喜んだりします。


強いカードを揃えるための戦略だけを考えていれば良いビデオポーカーなら、一定のリズムで定石に従ってカードを切っていけば、ある程度の配当は期待できるようです。


しかし、本当のプレーヤー同士のポーカーの場合、強いカードを揃えることよりも、相手に自分が強いカードを持っていると思わせる事の方が遙かに重要ですから、それでなくても若く見られてしまう日本人には、なかなか勝つことの出来ないゲームの一つかもしれません。

307.ラスベガス入門4: クラップス (2004/01/27)

ラスベガスの3大テーブルゲームと言えば、ルーレットブラックジャックと今日ご紹介するクラップスでしょう。特にクラップスは、ワイワイガヤガヤと一番楽しそうにプレーしているので、一度は体験してみたいものです。


ルーレットは知識無しでも、ベテランと全く対等にゲームをすることが出来ます。それに比べてブラックジャックは、戦略的な知識がなければ面白くありませんし、勝つこともできないでしょう。


クラップスは、基本的なルールを覚えてしまえば、配当率もルーレットよりよく、サイコロをプレーヤーが順番に振ることが出来るのでプレーに参加している実感が味わえます。ルーレットに比べればルールを覚えなければならないのが面倒ですが、ブラックジャックみたいに状況を分析して戦略を考える必要はありません。


プレーヤーの中から一人が順番に選ばれ2個のサイコロを振ります。その目の合計が7であるかどうかでゲームが展開されます。実際には多くの賭け方のバリエーションがあるようですが、配当金が極端に不利になるような賭け方、すなわちルールを知らない初心者が引っかかる賭け方を除くと、基本的には1つのルールさえ覚えておけば十分です。


まず1回目のサイコロの目の合計が7または11ならば勝ち、2,3,11ならば負けです。もしこれらの数字でなかった場合は、その目の数が自分の当たりの数になり、2回目以降に再び当たりの数が出れば勝ちになり、その前に7が出れば負けになります。


2個のサイコロを振りますから、全ての場合の数は36通りありますが、7になるのは2このサイコロがユニークですから、1-6、2-5、3-4、4-3、5-2,6-1と6通りあります。6/36で1/6の確率で一番出やすい数字と言うことになります。


この7が1回目に出るか、当たりの数が2回目以降に7より先に出ると勝ちになる賭け方「パスライン」と呼び、配当金の最も期待できる基本的な賭け方の一つです。


基本的に「パスライン」と同じ賭け方ですが、2回目以降好きなときに賭けることが出来る「カム」、「パスライン」と「カム」で1回目で勝ち負けが決まらない時に追加で掛けることが出来る「オッズ賭け」が、クラップスで最低知っておかなければならない賭け方です。


これら以外の賭け方は、運試しには良いかもしれませんが配当の倍率が悪いため、カジノ側のお客さんになるのがイヤな方は差し控えた方が良いようです。


この「オッズ賭け」の配当は、当たりの数の出る確率そのままの配当金がもらえますから、カジノ側のアドバンテージは全くなく、プレーヤーとディーラーは全く対等になります。ですから「オッズ賭け」を如何に有効に生かすかが、クラップスを楽しむ上で重要になります。


おそらくここに書いた説明ではわかりにくいでしょうが、一度ルールが分かってしまうと、テーブルの運命を共にするプレーヤー同士で盛り上がって行くことが出来ます。クラップスは、USのカジノで一番楽しい時間が過ごせるゲームの一つではないでしょうか。

306.ラスベガス入門3: ブラックジャック (2004/01/25)

ルーレットで勝つか負けるかは運のみで決まります。どこにどのように賭けても、出る確率に応じた配当金が得られますから、どこに賭けても大きく結果に差が出ることはありません。


しかしブラックジャックは運だけでなく、戦略的にどう勝負していくかと言うことに大きく左右されます。最低限のルールと勝つための知識がなければ、あっという間に負けてしまうことになります。


プレーヤーとディーラーで勝負をしますので、テーブルに何人座っていても勝負をする相手はディーラーです。ですから、ディーラーが強いか弱いかが重要です。


トランプの10,J、Q、Kは全て10に数え、エースは自由に1か11と数えます。2枚以上のカードで合計21に一番近い数字になるようにします。22以上になれば、バースト(どぼん)になり、たとえディーラーがバーストして引き分けでもプレーヤーの負けになります。


1枚のエースと1枚の10以上のカードの組み合わせをブラックジャックと呼び、3枚以上のカードで出来た21に勝つことが出来ます。ブラックジャックによる配当は、通常の勝ちが1倍の配当をもらえるのに対して、1.5倍の配当がもらえます。


さて、ディーラーが強いか弱いかが重要と書きましたが、実際はディーラーには自由度がないことになっています。つまり、ディーラーは全部のプレーヤーのカードを配り終わった後伏せてあった自分のカードを公開し、合計が17以上になるまでカードを引き続けなければならないのです。


16以下であるうちはカードを引く事を止めることが出来ず、また17を超えた時点でそれ以上カードを引く事が出来ません。すなわち、ディーラーのカードは必ず17以上(バーストも含む)しかあり得ないと言うことです。


つまり誰がディーラーであっても、全く同じカードの引き方をしなければならず、個人的な差は出ない筈なのです。


ただ、カジノによっては17までは引き続けるとしても、エースを10として数えて17以上の場合のみ、さらにカードを引くことを許している場合があります。例えばプレーヤーが2人いて一人が16でもう一人が18の時、ディーラーのカードが17になったとき、16の人とその時点で勝負をし、さらにカードを引いてその後の結果で18の人と勝負をすることが出来るのです。


ディーラーがバーストする事もありますが、それでも16の人には勝ちますからディーラーの損害はなくなります。17以上でいっさいカードが引けなくなるルールと大きく違い、ディーラー側に有利なルールです。


また15と16では16の方が強いように思いますが、ディーラーが15や16の事はないので、15と16はどちらも同じ強さと言うことになります。

さて、ブラックジャックの配当率ですが、全くミスをせずに定石に従った手を作っていけば、99%ぐらいになるそうです。つまり100ドル賭けても99ドル残っていると言うことです。これはルーレットに比べれば遙かに良い数字と言えるでしょう。


しかしこれは、あくまで定石に従った場合であり、定石を無視すればはるかに悪い結果しか残せないでしょう。このあたりは大きく負けることのないルーレットと違う点です。


では、実際のカジノでディーラーとプレーヤーのゲームを見ているとどうかというと、これが不思議なことが多く起こってしまうのです。例えばプレーヤーが15や16ぐらいの手しかないときには、ディーラーは18ぐらいの手で勝ちますし、プレーヤーが21の手を作って勝ったと思い込んでいると、ディーラーはブラックジャックを完成していて、根こそぎ取って行かれるのです。


何回かそのような光景を見ていると、何か仕掛けがあるのではないかと思えてきます。また、慣れない手つきの初心者のディーラーの場合は、ディーラーが負けていることが多く、明らかに強いディーラーと弱いディーラーがいるように思われます。


本当にディーラーのカードの引き方にルールがあるのならば、強さに違いがないはずですが、ベテランに見えるディーラーが配当を出している光景にはなかなか出くわしません。


プレーヤーの自信ありげな手をあざ笑うように、ディーラーが勝ち続けるのを見ると、「これは勝てんわ!」、と退散せざるを得ないのです。

305.ラスベガス入門2: ルーレット (2004/01/23)

一番ポピュラーでルールが簡単であるのは、何と言ってもルーレットでしょう。円盤に「1」から「36」までの赤と黒で色分けされた数字が刻まれており、その他に緑の「0」と「00」の計38個の数字のどこに玉が入るかを当てます。


出そうな目の所に、掛け金を現金チップを置けばそれで完了です。「ノーモアベット」のかけ声までに置かなければなりませんが、後はディーラーが全てを取り仕切ってくれます。


通りがかりに1回だけプレイするのも良いですし、じっくり同じテーブルで長時間費やしても構いません。


テーブルにはそれぞれ最低の賭け金が決められています。"Minimum Bet is
$25."とテーブルに表示されていれば、最低$25を1回に賭けなければならないと言うことです。


場所にも寄りますが、大衆的なところでは最低の賭け金も低い目で$5ぐらいから、高級なところでは$25や$100、あるいはVIPエリアでは$1000などと言うところもあるそうです。


ルーレットが初心者に向いていると言われる理由は、どこに賭けても同じ配当倍率であると言うことと、戦略や知識によって得をしたり損をしたりすることがないと言うことのようです。


そのほかのゲームでは、初心者では全く歯が立たなかったり、知識がないために大損をすることもあり得ますが、ルーレットは初心者でもその時の運次第で勝つことも出来るのです。


ルーレットはまた、ディーラーとの間の勝負と言えますから、客同士で勝負をするポーカーのように、場数を踏んで相手の戦略を研究しなければ強くなれないと言うこともありません。


スロットマシンを除いたテーブルゲームの中では最も取り組みやすく、直感的で分かりやすいと言えるでしょう。


ルーレットには難しいルールがないと言いましたが、それでも簡単なルールやマナーがあります。


基本的に次に出そうだと思う目にチップを置くのですが、単独の番号の上に置けばその番号に来たときだけ配当がもらえますが、同様に2,3,4,6個の番号のどれかに来るような賭け方もできます。


あるいは、偶数・奇数のどちらかに賭けたり、黒と赤、数字の前半か後半などの様々な賭け方ができます。


それぞれチップを置く場所が決まっており、どこに賭けたかはっきりディーラーに分かるようにしなければなりません。


いずれにしても、その目の出る確率に応じた配当が当たった時にもらえますから、どこに賭けた方が得などという事はありません。


ただ「赤か黒」とか「偶数か奇数」に賭けていれば、50%の確率で当たると思いがちですが、実際は「0」や「00」などがあるため、38回に2度の確率でそれらのいずれに賭けても負けることがあります。


「0」と「00」の為に18/38、すなわち94.7%の配当率(5.26%ずつお金を失っていく)になります。


ルーレットは、同じ人が何カ所にも賭けることが出来ますから、誰がどこに賭けたかがディーラーに分かりやすくするために、そのテーブルでのみ使用できるプレーヤーごとに色分けされたチップを使います。


テーブルゲームと言うぐらいですから、欧米の人たちはテーブル・マナーがよく、周囲に迷惑を掛けるような人は皆無です。地元から来ている常連客も、如何にも観光客に見える人も、お互いのプレーの邪魔にならないように気を付けているようです。


ルーレットは、カジノの最もポピュラーなゲームとして、気楽にその時の運試しをするのに向いているのではないでしょうか。

304.ラスベガス入門1: 序章 (2004/01/21)

さて、先週コンシューマーエレクトロニクスショーが閉幕したラスベガスでは、今週から国際建築見本市が開幕しているそうです。会期中の4日間で100カ国から90,000人以上の参加者を見込んでいるそうです。


このようにオフシーズンであるラスベガスでは、ホテルの客室の稼働率を上げるために、国際的な見本市を数多く開催しています。


ラスベガスのホテルといえばその規模の大きさは群を抜いており、一時は世界の10大ホテル中8つまでがラスベガスにあったほどです。5,000室を超える客室数を誇るホテルでは、ロビーの中で迷子になるのはさほど難しいことではありません。


日本の国内では1000室を超えると大ホテルと言えますし、ハワイのワイキキに並ぶホテルも2000室クラスが最大のものでしょう。5000室クラスのホテルは、そうどこにでもあるものではありません。


10年ほど前には、子どもを連れた家族にもラスベガスに来てもらおうと、ジェットコースターなどを完備したアミューズメントパークを併設するホテルが現れました。子どもをアミューズメントパークで遊ばせている間に、お父さんにはカジノに没頭してもらおうという訳です。


しかしながら、結局子どもを連れた家族はカジノで散財するほどの経済的余裕がないと言うことが判り、最近ではそれらのアミューズメントパークの規模を縮小したり、閉鎖したりするところが相次いでいます。


またラスベガスのホテル自体も、すべてが健全な経営を営んでいるとは言えないようです。単独で経営されているホテルは今では珍しい存在になって来ています。またいくつかのグループに系列化されたり、突如閉鎖されたりするホテルが相次いでいます。今週もダウンタウン地区にあるホースシューという老舗ホテルが閉鎖されたそうです。


このように変化の激しいラスベガスであるからこそ常に革新的であり続けることができ、世界中から観光客を引き付けるのかもしれません。


ラスベガスのあるネバダ州では、空港の待合室ガソリンスタンド、あるいはKマートのレジの横にもスロットマシンが並んでおり、どこに行ってもギャンブルだらけという感じがします。でも日本にも繁華街に行けばどこにでもパチンコ屋がありますから、国中ギャンブルだらけだと言うことが出来るかもしれません。


ラスベガスでは、セリーヌ・ディオンなど世界一流のショーを見ることができます。マジックショートップレスショーなどもあります。(ただこれらの定期的に公演されているショーは、コンベンションの時は休演していることが多いようです。)


また、最近充実してきているアウトレットショップなどのショッピングエリアでは、ブランド品から日用品まであらゆる種類の買い物を楽しむことができます。


いろいろな楽しみ方の出来るラスベガスですが、しかしなんといってもラスベガスを特筆すべきものにしているのはカジノでしょう。ほとんどのホテルではカジノにホテルの一番良い場所を割いており、入り口からカジノエリアを通らない限り、客室やフロントに行けないような設計になっています。


ただカジノといっても、テーブルゲームのたぐいはなかなかなじみがないせいか、実際プレイしている日本の観光客はそれほど多くないようです。それぞれのギャンブルにはルールがあり、それを知らないでやるととんでもない痛い目にあうことがあるそうです。スロットマシンばかりではなく、本格的なテーブルゲームを楽しんでみたいものです。


最近東京でもカジノを建設するという話しがありますし、世界の大都市でカジノの施設を持っているところも多くなりました。カジノのゲームについて基本的な知識を持っていれば、役に立つことがあるかもしれません。


そこでそれらのテーブルゲームの中でポピュラーと思われるものをいくつか取り上げ、基本的なところを勉強してみたいと思います。皆さんも真剣にならずにお気軽にどうぞ!