306.ラスベガス入門3: ブラックジャック (2004/01/25)

ルーレットで勝つか負けるかは運のみで決まります。どこにどのように賭けても、出る確率に応じた配当金が得られますから、どこに賭けても大きく結果に差が出ることはありません。


しかしブラックジャックは運だけでなく、戦略的にどう勝負していくかと言うことに大きく左右されます。最低限のルールと勝つための知識がなければ、あっという間に負けてしまうことになります。


プレーヤーとディーラーで勝負をしますので、テーブルに何人座っていても勝負をする相手はディーラーです。ですから、ディーラーが強いか弱いかが重要です。


トランプの10,J、Q、Kは全て10に数え、エースは自由に1か11と数えます。2枚以上のカードで合計21に一番近い数字になるようにします。22以上になれば、バースト(どぼん)になり、たとえディーラーがバーストして引き分けでもプレーヤーの負けになります。


1枚のエースと1枚の10以上のカードの組み合わせをブラックジャックと呼び、3枚以上のカードで出来た21に勝つことが出来ます。ブラックジャックによる配当は、通常の勝ちが1倍の配当をもらえるのに対して、1.5倍の配当がもらえます。


さて、ディーラーが強いか弱いかが重要と書きましたが、実際はディーラーには自由度がないことになっています。つまり、ディーラーは全部のプレーヤーのカードを配り終わった後伏せてあった自分のカードを公開し、合計が17以上になるまでカードを引き続けなければならないのです。


16以下であるうちはカードを引く事を止めることが出来ず、また17を超えた時点でそれ以上カードを引く事が出来ません。すなわち、ディーラーのカードは必ず17以上(バーストも含む)しかあり得ないと言うことです。


つまり誰がディーラーであっても、全く同じカードの引き方をしなければならず、個人的な差は出ない筈なのです。


ただ、カジノによっては17までは引き続けるとしても、エースを10として数えて17以上の場合のみ、さらにカードを引くことを許している場合があります。例えばプレーヤーが2人いて一人が16でもう一人が18の時、ディーラーのカードが17になったとき、16の人とその時点で勝負をし、さらにカードを引いてその後の結果で18の人と勝負をすることが出来るのです。


ディーラーがバーストする事もありますが、それでも16の人には勝ちますからディーラーの損害はなくなります。17以上でいっさいカードが引けなくなるルールと大きく違い、ディーラー側に有利なルールです。


また15と16では16の方が強いように思いますが、ディーラーが15や16の事はないので、15と16はどちらも同じ強さと言うことになります。

さて、ブラックジャックの配当率ですが、全くミスをせずに定石に従った手を作っていけば、99%ぐらいになるそうです。つまり100ドル賭けても99ドル残っていると言うことです。これはルーレットに比べれば遙かに良い数字と言えるでしょう。


しかしこれは、あくまで定石に従った場合であり、定石を無視すればはるかに悪い結果しか残せないでしょう。このあたりは大きく負けることのないルーレットと違う点です。


では、実際のカジノでディーラーとプレーヤーのゲームを見ているとどうかというと、これが不思議なことが多く起こってしまうのです。例えばプレーヤーが15や16ぐらいの手しかないときには、ディーラーは18ぐらいの手で勝ちますし、プレーヤーが21の手を作って勝ったと思い込んでいると、ディーラーはブラックジャックを完成していて、根こそぎ取って行かれるのです。


何回かそのような光景を見ていると、何か仕掛けがあるのではないかと思えてきます。また、慣れない手つきの初心者のディーラーの場合は、ディーラーが負けていることが多く、明らかに強いディーラーと弱いディーラーがいるように思われます。


本当にディーラーのカードの引き方にルールがあるのならば、強さに違いがないはずですが、ベテランに見えるディーラーが配当を出している光景にはなかなか出くわしません。


プレーヤーの自信ありげな手をあざ笑うように、ディーラーが勝ち続けるのを見ると、「これは勝てんわ!」、と退散せざるを得ないのです。