640.TYPO3と奮闘中 (2007/06/04)

サイトの更新をサボっていると、あっという間に日が経ってしまいます。五月は一回も更新しないうちに終わってしまいました。歳を取るのも早いはずです。(あまり意味なし。)


実は、ここしばらく少しずつではありますが、密かにCMSの勉強をやり始めております。数ヶ月前、レンタルサーバーをグレードアップしたのですが、その目的はCMSを使ってサイトを構築することでしたから、そろそろサーバーの機能を有効に使いたいと思っておりました。


そもそもサイトをBlogに移行したのは、ホームページビルダーではサイト更新の度にインデックスやリンクを同時に変更する手間が大変になってきたためでした。Blogを使ったのは、日記サイト構築ツールというよりは、コンテンツ・マネージメント・ツールとしての機能を利用するためでした。


もちろん、Blogが個人サイトの運営における潮流になっていたのに乗っただけといわれれば、確かにそのとおりであります。しかし、当サイトは、コメントやトラックバックといったBlogを特徴付ける機能の恩恵をあまり享受できないため(俗に言う「不人気サイト」!)、Blogにこだわる必要もないだろうと考えていたわけです。


今使っているさくらインターネットのスタンダードプランでは、BlogツールのMovableTypeと並んで、CMSツールのXOOPS対応を謳っており、以前からXOOPSをインストールして試しておりました。


ただ、XOOPSの機能を拡張するためには、希望する機能を提供してくれるモジュールを探してきてインストールしなければならないのですが、探し方が悪いのでしょう、なかなかうまく情報に行き当たらないのです。そこで、もう少し初心者向けのCMSはないものかと、検索サイトで物色を始めてみました。


すると出てくるは出てくるは。"CMS Matrix"というサイトには、オープンソースのCMSだけでも700以上ものソフトウェアがリストアップされています。


このサイトでは、いくつかのツールを選んで機能の比較をすることができ、また比較項目ごとにランキングされており、セキュリティーやサポート、パフォーマンスごとに、どのツールの評価が高いかを表示することができます。


例えば、フレキシビリティーの項目では、




  1. FlexCMS 9.99
  2. MySource Matrix 6.87
  3. TYPO3 6.84
  4. Plone 6.80
  5. MODx 6.76
  6. eZ publish 6.66
  7. DotNetNuke 6.50
  8. Drupal 6.49
  9. Xaraya 6.46
  10. ExpressionEngine 6.43



を筆頭に、延々とツールが順位別に並んでいます。


いろいろな評価項目における順位をながめておりますと、総合的に高い評価を得ているツールがいくつかありました。TYPO3はその中のひとつで、ヨーロッパを中心に盛んに利用されている、ドイツ発祥のツールのようです。


サイトを覗いてみますと、なかなか手ごわそうなことが書かれています。"Hi,
and welcome to TYPO3!"というツールの紹介ページには、「もしあなたが勉強に1ヶ月を費やす余裕がないなら、誰かの助けを借りるか、どこかよそのCMSツールを探しなさい。」と書かれています。Welcomeという割には、かなり突き放した対応のようです。


曰く、フレキシビリティーと豊富な機能(Richness)には、複雑さ(Complexity)が付き物だと。


さらに続きます。TYPO3は、とても巨大で能力が高いので、すべてを知るためには1週間では無理であり、常にサイトの開発者は長いLearinig
Curveを必要とするとあります。


不用意に検索サイトでTYPO3の記述を探すと、やたらドイツ語のページに行き着いてしまいますが、ドキュメントやビデオによる解説も豊富にあるようですので、気長に勉強するのにネタは十分ありそうです。


どうせ、XOOPSも良く分からなかったですから、TYPO3も良く分からなくて当然と言う構えで、ビデオを使った独習を始めてみました。


年末までに今運営している同窓会のサイトを改良しようと思っていますので、そのときのツールとして採用することをとりあえず目標として、のんびりと勉強してみたいと思います。(のんびりしていては年内には無理かも知れないが。)

639.”You are what you ate.” (2007/04/29)

今朝、今年中学一年生になった息子と駅まで歩いていた時、こんな話をしました。


息子 「よく野菜を食べないと体に良くないと言われるけど、ライオンばかり食べて野菜を食べないのに、どうして健康なのか分かる?」

おやじ 「わからんな。ゼーゼー!」(歩き急いで息が切れている。)

息子 「ライオンが食べる草食動物がいつも草を食べていて、ライオンはその肉を食べているので、野菜の栄養を草食動物の肉から取っているんだよ。」

そう言えば、時々クレジットカード会社から送られてくる雑誌の最新号に、おもしろいサイエンス・コラムがありました。タイトルは、


"You are what you ate."


西洋の古い諺だそうです。北海道大学南川教授が研究されている「同位体地球化学」についての記事でした。その科学考古学とも呼ばれている学問は、化石などを組成する原子の同位体を調べることによって、外観からだけでは分からない環境の変化などを調査しようとするものです。


例えば、古墳遺跡を調査した結果、イノシシ食用にしていた時代があったことが分かったとします。しかし、そのイノシシが狩猟されたものか、あるいは家畜として飼育されたものかによって、当時の生活を知る上で大きな違いが生じてきます。家畜であった場合は、狩猟の場合に較べて食料の確保がより安定するでしょうから、同じ場所に長い期間居住することが出来るため、組織的な社会が発達していた可能性が高くなります。


しかし、出土したイノシシの骨を眺めていただけでは、食用にしていたことまでは分かったとしても、野生のイノシシであったか家畜であったかは分かりません。


炭素原子には、質量が12のものと13のものがあり、通常植物はどちらも区別することなく光合成に利用するそうです(C3型植物)。ところが、光合成をする植物のなかでヒエアワなどの穀物類(C4型植物)は、質量13の炭素原子をより多く光合成に使うそうで、その結果穀物を多く摂取したイノシシの骨には、質量13の炭素が通常より多く含まれることになるそうです。


この事により、これまで家畜としての飼育の証拠がはっきりしているのは、弥生時代(約2千年前)以降とされてきたそうですが、沖縄地方で縄文後期に出土するイノシシの骨から抽出された炭素原子の同位体の解析から、それらが家畜として飼育されていたことが分かってきたそうです。


同様に、古代人の骨の炭素同位体を観測することによって、農耕が始まった時期を推測することが出来るそうです。気候の寒冷化はC4植物の繁殖を促すため、人類が穀物の栽培を始めた時期と寒冷化の時期が一致する事が予想できるそうです。


なるほど、確かに "You are what you ate." ですね。


そう言えば、中学のころ理科で人体を構成する元素を覚えたことがありました。テストに出題されると思っていたので、自分なりの覚え方を考えて必至に覚えたことを思い出しました。今でも覚えているのは、


酸素(O)、炭素(C)、水素(H)、カルシウム(Ca)、窒素(N)、リン(P)、塩素(Cl)、硫黄(S)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、フッ素(F)、鉄(Fe)


あと2つ元素があったのですが、さすがに思い出せません。体内に占める割合の高い順に覚えていたのですが、今インターネットで調べると順番が違っているようです。記憶がいい加減なのか、昔の理科の教科書が間違っていたのか、はたまた人体を構成する元素の割合が30年以上立つと変わってしまったのか分かりません。(たぶん記憶がいい加減!)


はじめの話に戻りますが、確かに元素と言う観点から見れば、ライオンの体を構成している元素には、草食動物が食べていた草を構成していた元素が含まれているはずでしょう。もしその草食動物がほとんど草しか食べていなかったとすると、ライオンの体は、ほとんど草を構成している元素からなっていると予想できます。


ただ、だからと言って、私たちが肉を食べれば、野菜を食べたのと同じであるとは言えません。食物を構成する元素は同じだとしても、物質が異なっているからです。


例えば、草に含まれるビタミンCが、同じだけ肉にもあるとは言えないでしょうし、一口にアミノ酸と言っても、その種類によって異なった作用を人体に与えるでしょう。


"You are what you ate."

されど


"What I eat are not what my foods ate." (何のこっちゃ!)

638.無料ウィルス対策ソフトウェア5: ウィルス対策に隙は付き物 (2007/04/25)

今回、いくつかのウィルス対策ソフトウェアを試してみたのですが、改めてウィルスの脅威を感じると共に、完璧な対策の難しさを感じました。


アンチウィルス・ソフトウェアのウィルス検出能力ランキングでは、それぞれのソフトウェアの検出能力を最大限に発揮するように設定して行っています。しかし、それでも100%に到達するのは困難ですし、50%にも達しなかったソフトウェアも多かったようです。


また、ヒューリスティック・アルゴリズムを使って、定義ファイルにないウィルスに対応するものもありますが、新種のウィルスが日々登場している現状では、常駐スキャンを行っていても安心はできません。


ウィルス定義に反映されない間に感染したウィルスを除去するために、フルファイルスキャンを行わなければならないということ自体、ウィルス対策に隙は付き物であることを示しています。


一方、今回試してみたAOLが提供するActive Virus Shieldは、それ自体がスパイウェア的な動作をするために、インストールをためらいます。


そもそも、ウィルス対策ソフトウェアはウィルス情報を自動的に収集・転送しますから、信頼できるソフトウェア会社のものを使いたいものですが、この信用できる会社がこの世の中にあるのかどうかも疑わしいところです。


とにかく、ネットワークにつなぐことは情報の漏洩の危険性をはらんでいるということを、常に肝に銘じておくべきでしょう。


今ではパソコンだけでなく、携帯電話やデジタルテレビ、オンラインゲーム機など、多くのデジタル機器がインターネットに接続されています。ウィルス感染の危険性に常にさらされてきたパソコンと、同じ轍を踏まないようにしてもらいたいものです。

637.無料ウィルス対策ソフトウェア4: BitDefender (2007/04/24)

このソフトウェアを開発したのは、1990年に創設されたSOFTWINを言う会社で、過去5年間に年率50%以上の売り上げの増加を記録しているそうです。


BitDefenderは、200カ国、4100万の個人や企業での実績があり、東ヨーロッパのソフトウェア産業のリーダーだといっています。(bitdefenderの公式サイトより)


無料ウィルス対策ソフトのBitDefender 8 Free Edition は、マニュアルやスケジュールスキャンのみで常駐スキャンはありませんが、そのためその他の常駐ウィルス対策ソフトと同居させることができます。


インストールは特に問題なく終了しました。確かに常駐スキャンのオプションは、オフのままで変更できないようになっています。マニュアルスキャンのオプションは、十分揃っているようです。


インストール後はスタートアップ時に自動的にロードされるのですが、これは常駐スキャンができる製品版と同じ設定になっているためで、後からスタートアップ時のロードをしないように設定することができます。


スキャンの速度は、Active Virus Shieldよりは少し早いようですが、どちらかと言えば遅いほうの部類かもしれません。ウィルス定義の自動更新もできますが、非常駐スキャンしか使えませんから、自動更新のチェックをはずしてオンデマンドで更新した方が良いでしょう。


メニューは英語のみですが、ひとつ気になると言うか面白いのは、メニューのフォントが変わっていて文字が読みにくいことでした。これはこれで、如何にも東ヨーロッパっぽくてよいのですが、メニューを選択するときに読み間違えないようにしなければなりません。


さて、BitDefenderをインストールした後で、Active Virus Shieldの常駐スキャンがTrojanの警告を発しました。以前にインストールしていたJavaのパッケージの中のひとつのファイルが引っかかったようです。


一度フルスキャンをやったときにはパスしましたので、ウィルス定義が更新されたため発見されたのでしょう。試しに、そのファイルをBitDefenderでマニュアルスキャンをしてみたのですが、すんなりとパスしてしまいました。


ActiveVirus Shieldがウィルスを発見すると、警告の画面からウィルス情報サイト”Viruslist.com”へのリンクが表示されます。しかし、そのサイトで検索してもそのファイルがウィルスであるという情報はありませんでした。


ウィルス検出能力が高いとFalse Errorが多くなるのでしょうが、この場合どちらのソフトを信じれば良いか判断の難しいところです。3つ目のソフトウェアの意見を聞いてみたくなります。


Active Virus Shieldによる一度目の検疫は失敗したのですが、一度削除してからリストアした後では検疫することができました。


今回試したBitDefenderは、少しメニューの文字が読みにくいことを除けば、安定した動作と高いウィルス検出能力を持っているようです。常駐スキャンがないためこれ一本と言うわけにはいきませんが、安心感を高めるためにインストールしておくのも良いのではないでしょうか。

636.無料ウィルス対策ソフトウェア3: Active Virus Shield by AOL (2007/04/23)

さて、無料ウィルス対策ソフトの比較を行う上でよく参照されているサイトに、GIGAZINEがあります。「アンチウイルスソフトウェアランキング、最強はどれ?」を見てみると、無料ウィルスソフトの検出率が、よく名前を聞く有料ソフトと遜色ないことが分かります。


ノートンのアンチウィルスと言えば、一番売れているウィルス対策ソフトとして有名ですが、それよりも無料ソフトのほうが性能がよいとなれば、お金を払うことに疑問を持つのも当然でしょう。


ただし、この比較に用いられた147184個のウィルスは、 Kaspersky、 F-Prot、 Nod32、 Dr.Web、 BitDefender、McAfeeから提供されたもので、ノートン先生が使い慣れたノートに記載されていないものも多かったのでしょう。


また、2006年8月が最新の結果ですから、その後のウィルス検出状況によっては、検出能力が変わってきていることも考えられます。


しかし、そうは言ってもKasperskyの検出能力は魅力的です。価格.com事件のウィルスに一番早く対応していたと言うのもうなずけます。その同じ検出エンジンを搭載した、AOLから無料で提供されているActive Virus Shieldは、無料ウィルスソフトとして、真っ先に候補に挙がることでしょう。


ただし、AOLとの契約で、AOL関連の企業からのメールを受けなければならないことや、パソコンの使用状況が吸い上げられることに同意しなければなりませんから、誰にでもお勧めできるわけではありません。


一度、最高の検出能力を持ったソフトを試そうと、インストールしてみたのですが、常駐スキャンでは問題が出ないものの、ファイルのスキャン(特にMy Comupter
Scan)ではかなりの確立でフリーズしてしまいます。


このソフトは、インストール後必ず一回はフルスキャンを実行しなければなりませんから、完了するまで何回もフリーズを繰り返すことになってしまいました。


これはAOLバージョンだけの問題ではないようで、純正のKasperskyでも同様の問題があるようです。対策としてメールファイルに対するスキャンを対象からはずすことが、Kasperskyのフォーラムでアドバイスされています。どうも古いメールのファイルがあると、そのフォーマットに対応できずフリーズすることがあるそうです。


ただ、私の場合はメールのスキャンをやめても変化せず、またフリーズするファイルも一様ではありませんでした。


何回かフリーズを繰り返しながら、やっとフルスキャンが完了したのですが、そのフルスキャンも3時間ぐらいかかりました。


Kasperskyのソフトウェアの優れた点は高いウィルス検出能力だけでなく、スパイウェアも同様に検出できるところにあります。スパイウェア対策ソフトを使う必要がないのでありがたいのですが、ファイルスキャンで何回もフリーズするのでは安心して使うことができません。


少し古いバージョン5では、フリーズだけでなく、Windowのブルースクリーンになったり、OSのインストールのし直しが必要になったケースもあったそうです。もう少し待ったほうが、安定してくるのかもしれません。さて、ファイルスキャンがなかなかうまくいかないのですが、一度フルスキャンが通ってしまった後の常駐スキャンは、問題なく動作しています。


無料バージョンでは常駐スキャンが提供されていないのですが、BitDefenderという、マニュアルスキャンで高いウィルス検出能力を誇っているソフトウェアがあります。常駐スキャンはActive Virus Shieldで行うことにすれば、ウィルス検出能力では定評のあるソフトで常駐・非常駐スキャンに対応することができるでしょう。


そこで、BitDefenderを、Active Virus Shieldに加えてインストールしてみることにしました。