596.スカイプ携帯とパームOS (2006/08/27)

asahi.comが8月25日に、「携帯電話に定額IP化の波 米でスカイプ搭載型発売」と言うニュースを掲載しています。USの企業「ネットギア」が今月発売したスカイプ搭載の携帯電話について書いています。


これまで通話時間による従量制で課金されてきた電話料金が、ADSLのように定額制になっていき、その結果これまでの携帯電話のビジネスモデルが崩れ去る可能性があると指摘しています。


インターネットを使うIP電話が既存の固定電話を置き換えつつあるように、携帯電話回線もインターネットによって置き換わり始めたと言うことでしょう。


雑記504を書いた1年以上前には、日本の電話会社はスカイプを取るに足らない物と片づけていましたが、ここに来て無視できない存在であることを認識し始めたのでしょうか。携帯電話の生命線はその伝送経路にありますから、インターネットを経由するIP電話が普及してくると、これまでの携帯電話ビジネスを大きく変えることは間違いないでしょう。


無線LANが使える環境ならば通話に対しては基本的に無料になりますから、これまでのように、広範な専用携帯電話回線のネットワークを構築するだけで携帯電話の占有率を維持することが、出来なくなってしまいます。


またドイツでは、携帯電話の電波にスカイプの音声信号を乗せる定額サービスを開始したそうです。月額39.95ユーロ(約5900円)だそうですから、十分携帯電話に対抗することが出来そうです。


日本の携帯電話は、端末から回線、コンテンツに至るまで、徹底して電話会社(キャリアー)が主導権を持ち、圧倒的な収益構造を築いてきました。


無線LANを使う場合は、回線自体が電話専用ではありませんから、電話会社が主導的立場に立てなくなるどころか、電話会社の必要さえなくなってしまうかも知れません。


携帯端末も国際的な共通仕様になっていき、ソフトウエアを入れ替えるだけでどこの国の言語にも対応できるようになるでしょうから、選択の自由度は格段に広がることになります。


現にウィルコムW―ZERO3のような、無線LANが搭載されていてソフトウェアのインストールが出来る機種ならば、スカイプ対応に簡単にすることが出来ます。ウィルコムが「スカイプの利用を推奨してはいないが、拒否は出来ない。」と言っているあたりが、携帯電話キャリアーとしての苦悩を表しています。


無線LANのバンド幅など、既存のインフラだけでスカイプの普及を支えることは困難でしょうが、また迎え撃つ携帯電話会社も、これまでのようにインフラ整備のための投資を続けることは出来なくなるでしょう。いずれにしても、スカイプによって世界中の携帯電話業界が大きく変わることになりそうです。


最後に、パームもスカイプによって息を吹き返すことはないでしょうか? これまでモバイル機器としては携帯電話に席巻されて来ましたが、スカイプが普及し始めた今、やっとパームOSが互角に戦える時が来たのではないでしょうか?


何? まだパームOS版スカイプがない? 


既に時機を逸していたようです。

595.リチウムイオン電池問題 (2006/08/26)

ソニー製リチウムイオン電池の回収騒ぎが起きています。デルアップルノートブックパソコンに使われている充電池において、使用条件によってはリチウム金属が析出し正極と負極が短絡することによって、発熱発火の危険性があると言うことです。


安全性の観点からこの問題を捉えると、近年海外旅行にノートパソコンを持参する人が増えてきており、機内での使用も可能になっていることから、飛行中の発火による事故の危険性が問われています。


機内にはあらゆる危険物の持ち込みが禁止されて来ました。以前なら預け入れ荷物の中なら持ち込めた物でも、最近の状勢ではあらゆる危険物を排除する傾向が強まってきています。


航空機の運航に障害を及ぼす可能性がある物は徹底的に排除する構えですから、このままリチウムイオン電池の安全性に疑問がもたれる状態が続けば、ノートパソコンの航空機への持ち込みが禁止される可能性も無いとは言えません。


電池が発火する事故は、これまでおそらくパソコンの使用中に起こることがほとんどだったと思われますが、微弱な電流は常に流れているでしょうし、自然放電による電解液の変化もあるでしょう。ソニー製品に限らず、リチウムイオン電池の安全性に対する検証を、業界全体で行っていく必要がありそうです。


また一方、製品の品質という観点からは、例え発火に至らないような場合でも、電池に品質的な問題があることが分かっているのなら、全数を市場から回収し交換に応じる必要があるのではないかと思われます。


新聞の報道によると、今回回収に応じるのは、デルとアップルのノートパソコン用として出荷されたものに限るとされているようです。ノートパソコンの電源部にも安全装置があり、もし電池内部で短絡などによる以上が検知されたときは、自動的に電源をシャットダウンする為、安全性には問題と言うのが理由のようです。


しかし、リチウムイオン電池が期待されるべき品質を満たしていないのにも関わらず、発火しなければ交換に応じないと言うのは、許されるのでしょうか?


「この湯沸かし器は、火を噴いて火事になる場合は交換いたしますが、火が勝手に消える場合は安全性には問題がありませんから、修理費を頂きます。」では通用しないでしょう。


ソニーはアイディアや新規性で長けたものを持っていながら、品質面では長年問題を抱え続けてきました。今回の事故をきっかけに、ソニータイマーなどという不名誉な称号を、拭い去ってもらいたいものです。

594.お盆休み (2006/08/16)

暑い日が続いておりますが、皆様如何お過ごしでしょうか? すっかり更新の頻度が減ってきておりまして、このままでは盆と正月にしか更新がないサイトになってしまいそうです。


この時期多くの人が移動していると見えて、見慣れないナンバーの車が多くなりました。また量販店に行きましても、どの時間帯でも閉店前のような閑散とした雰囲気が漂っています。店員の方にも、あまり売ろうとする意気込みがないようです。


とりあえず1週間休むことにしたのですが、最近はメールで大抵の仕事は片が付いてしまい、パソコンを持ち帰る事によって仕事が出来る態勢が出来上がってしまいますから、後はメールを開くか開かないかはやる気の問題になります。(ここで開いたら負け!)


巷ではガソリンの価格がじわりじわりと上昇を続けています。そう言えば、20数年前にも1リットル180円ぐらいの時があったような記憶があります。


ガソリンスタンドでレギュラー145円なんていう看板を見ると、一瞬アメリカに来たのかなと錯覚しそうです。当のUSでは、今や1ガロン3ドルを超えていると言うことのようですが、代替ガソリンについて、もう少し真剣に考えていかなければならないようです。


話は変わりますが、実はこれまで携帯電話を持っていませんでした。さすがに最近携帯電話を持たない人は少なくなりました。職場で唯一持っていなかった同僚も最近になって手に入れたらしく、知る限りで持っていない大人は私一人になってしまいました。そう言えば、インド人も9割方携帯電話を持っていると言うことでした。


これまで持っていなかった理由を考えてみると、毎日決まった行動しかしていなかったので、緊急の連絡をする必要があまりなかったことと、電車の中で大声で通話する人が絶えないことに携帯電話に対する嫌悪感を抱いていたからでしょうか。


いや、忘れておりました。パームを常に愛用しておりますから、携帯電話を持つのはタブーだったからです。(忘れるなよ!)


最近は、いろいろな割引制度があって、携帯電話の料金も手頃になっているのですね。キャリアーによる違いもほとんどないように見えます。


最初はウィルコムで決まりだと思っていたのですが、機種の選択の余地がないことは致命的と言えましょう。以前に比べると、一通りのバリエーションを揃えたと言うことですが、他と較べると機種の選択範囲はかなり限定的です。


PHSの利点の一つとして、電波強度(SAR値)が携帯電話より微弱であると言うことが挙げられます。そもそも、携帯電話が使っているホイップアンテナは、手に持つ事によって体がアンテナの一部を構成する(静電容量によってグランドになる)訳ですから、人体に影響がない訳はありません。


特にアンテナの至近距離にある脳に対する影響が問題視されますが、タバコの煙の影響を実証するのでさえ、つまり目に見える煙でさえ、数十年の論議が必要であった事を考えると、当分結論が出ることはなさそうです。


体に悪影響があるとは思いながら、大したことはなかろうと高をくくるしかありません。実は、現在担当しているのも携帯電話用のLSIの設計ですので、これも何かの縁でしょう。


最近は色やデザインに凝ったものがたくさんあるようです。早速探しに行ってみましょう。(ただし対象は、1円端末のみ。←ケチ)

593.「ダイヤよりプラズマテレビ」 (2006/08/03)

Infoseekニュースに、「今どきの女性は、ダイヤモンドよりプラズマテレビの方が好きである。」と言うニュースが掲載されていました。米国の調査で、テクノロジー製品に対する男女差がなくなってきており、女性の75%は、ダイヤモンドのネックレスより、プラズマテレビを選ぶと答えたそうです。


米ケーブルテレビ会社の調査に基づく結果だそうですが、平均的に所有している電子機器の数は、男性6.9個に対して女性は6.6個とほぼ同数に並び、約半数の女性が、パソコンのトラブルを自分で解決していると答えたそうです。


正に男性の助けは要らないと言うことなのでしょうが、確かに駅の喫煙コーナーでタバコを燻らす女性の群を見るにつけ、男子と女性の差はなくなりつつあることを実感いたします。


ダイヤモンドよりプラズマテレビというのは、ダイヤモンドにもう興味がなくなったという事ではなく、「既にダイヤはいくつも持っているのでもう要らない。」と言うことかも知れません。


それだけでは宝飾より電子機器の方が好きだとは言い切れないと思いますが、少なくとも以前は全く興味がなかった電子機器が、欲しい物のリストに上がってきたことは確かなのでしょう。


さらに同じ調査では、56%の女性がフロリダ旅行よりプラズマテレビを望み、86%がブランドの靴よりデジタル・ビデオカメラが欲しいと答えたそうです。


これまで、女性は一般的に電子機器には興味を示さず、もっぱらファッションにこだわりを持っていると思われていました。しかし、ファッションにかけてきたお金を、電子機器に投じるようになってきているとすれば、これまでの商品開発の考え方を、変えていかなければならない時期に来ているのかも知れません。


確かにプラズマテレビや液晶テレビを買う時に、最も発言力があるのは主婦であるとも言われています。女性をターゲットにした商品戦略が、ますます重要になっていく事でしょう。


それでは、女性専用パームの構想でも練ってみますか? (今さら遅すぎるか!)