454.督促状にご用心 (2005/01/07)

asahi.comに「裁判所から本物の督促状 振り込め詐欺、さらに巧妙化」と言う記事が掲載されています。ついに振り込め詐欺の手口に、裁判所が利用され始めたようです。


これまでと大きく異なるのは、裁判所が本物の督促状を送ってくるところです。簡単な裁判手続きである「支払い督促」や「小額訴訟」を悪用しているそうですが、厄介なのは法的手段を利用しているため、これまでの同様の詐欺事件のように無視を続けると、法的に不利になってしまうことです。


裁判所は書類がそろっていれば申し立てを認め督促状を郵送してしまうので、受け取った方は2週間以内異議の申し立てを裁判所に対して行わなければならないそうです。


2週間を過ぎてしまうと相手の主張が認められたことになってしまい、事の真偽を争うことさえ許されなくなるのです。


裁判所から書類を受け取れば誰しも慌てますが、それと同時に慎重に対応しなければならないと考えるでしょう。どうしたものかと思案している間に、あっという間に2週間は過ぎてしまいます。


これは結局、裁判所に自ら訪れる人は皆善人といった性善説をとっているから起こってしまうのです。こんなに簡単に事の善悪を裁くはずの裁判所が騙されて良いのでしょうか?督促状を受け取った人に、落ち度はあるのでしょうか?


これでは、裁判所がハッカーから受け取ったウィルス感染メールを世間にばら撒いておきながら、メールを受け取った人が悪いと言っているようなものです。


オレオレ詐欺がここまで進化してくると、旧態依然とした裁判所では全く手に負えないのでしょう。これをきっかけに、裁判所がもう少し近代的になれば良いのですが。

443.地震と津波 (2004/12/28)

インドネシアの地震による津波被害は、時間が経つにつれてその甚大さがはっきりしてきました。観光客が多いリゾートが直撃されたため多くのビデオ撮影が残されており、これまで津波自体の記録があまりなかったため知られていなかった津波の被害が、明らかにされつつあります。


津波警報システムが完備されていなかった地域であったため、地震や津波の事を知らずに海岸にいた人が多かったと言います。非日常を求めて訪れる南国のリゾート地で、これほど厳しい現実を目の当たりにするとは思っても見なかったでしょう。


東海、南海地震も、今回の地震と同じ様な構造によって引き起こされると言われています。しかも、一番早いところでは、地震発生から10分後には津波の第一波が到来しますから、津波警報システムが正常に機能したとしても、津波から逃げるだけの時間が確保できるか疑問があります。


特に平野部の大都市では、海岸線からかなり入った地域でも浸水する可能性があります。津波と言えばやって来る波の威力が強いように思いますが、海に海水が戻る時の方が破壊力があると言われています。


南海地震では阪神地方も5メートルぐらいの津波が予想されていますが、このような津波が来てしまえば、人口密集地では今回の津波以上の被害が出るでしょう。


地震も津波も、予報が的中すれば被害がすべて防げると言うわけではありませんが、予報が出たとき、一体何を準備してどこに逃げればいいのかを、もう一度考えておく必要がありそうです。南海地震を想定した訓練を阪神間の各都市で実施したとき、不法駐車によって水門が閉まらなかったりするなどの問題が指摘されたそうです。


近いところで発生した地震の場合、まず大きな揺れがありますから、それと同時に津波に対応しなければなりません。余震が続いている可能性もあり、そのような状況で津波に対して適切な判断が出来るでしょうか。


今回の津波被害で学ぶことは多いと思います。

440.リゾートにおける緊張感 (2004/12/26)

asahi.comに「スマトラ島沖でM8.9 インド洋沿岸、死者3千人以上」という記事が掲載されています。アジアのビーチリゾートも被害を受けていると伝えています。


インドネシアのスマトラ島の地震によって、マレーシアのペナン島ランカウイ等、タイのプーケット島などに津波の被害がでている模様です。年末の休暇でビーチリゾートを訪れている日本人の安否が気遣われています。


マレーシアのペナン島では、5メートルの津波によって繁華街が水浸しになったようです。地震の情報が行き渡っていないらしく、津波の危険を知らずに急に水が引いた海岸で遊んでいた観光客も多かったようです。


ビーチリゾートは、ただでさえ海に近い上に防波堤などはありませんから、津波がまともにやって来たらひとたまりもありません。


津波の程度は、陸地の直下で起こった地震か海洋性の地震かによって大きく異なります。数年前にグアムで大地震があったときには、さほど大きな津波は発生しなかったそうですが、数十メートルの高さに及ぶ津波も珍しくありません。


海外旅行で短期滞在する場合は、地震情報が入りにくい事もありますから、十分な高台へ素早く避難できるように準備しておかなければならないと言うことでしょう。


あるアジアのビーチリゾートでは、特定のホテルグループがテロの標的になっていると言う情報もあるそうです。


リゾートにはリラックスするために行くのが本来の目的ですが、同時に緊張感も要求されるようになって来ているようです。

418.食料自給率56%? (2004/12/02)

ウェブログになって困っているのは、エントリーのカテゴリー分けが自動的に行われるために、パームネタが少ないのがすぐにバレてしまうことです。


その代わりに「雑談」のカテゴリーにはどんどんエントリーが増えていきます。このままではサイトの名前を「ザツダン・トロッター」に変えろというコメントを頂くかもしれません。(そんなお節介はいない?)


その対策として、「雑談」のカテゴリーをもう少し細かく分けて雑談のエントリー数を少なくして、相対的にパームネタを多く見せようかと思っております。(かなりインチキ!)


そういえば、11月30日付のasahi.comに、「食料自給率、なぜか16%アップ 食べ残し除いて再計算」と言う記事がありました。これまで40%と計算されてきた食料自給率を、食べ残した食料を除いて計算しなおすと56%になったと言うお話。


この再計算によって政府目標として掲げている、「食料自給率を10年度までに現在の40%から45%へ引き上げる」を、既に達成していることになるそうです。


分数を大きく見せるために、国内生産の分子はそのままで、全体の食料供給量の分母を無理やり小さくしたのでしょうが、小学校の計算練習ではあるまいし意味のある計算とは思えません。


また、食料を熱量換算で計算していますが、お米の国内生産比率が95%であることを考えると、もともと食料自給率が高くなるようなデータを採用していることがわかります。


仮に国内生産が40トンで輸入が60トンだとすると、供給が100トンで自給率は40%になりますが、食べ残しを考慮したら56%になったと言うことは、食べ残しが30トンもあったと言うことになります。


もちろんこれは食べ残しだけでなく流通過程で廃棄されたものなども含むそうですが、国内生産量の4分の3に相当する食料が捨てられている現状に、改善する余地はないのでしょうか?


抜本的な食料自給率改善の対策を講じることもせず、小手先の計算で目標を達成したかのように見せるのも、そろそろ限界に来ているのではないでしょうか?


ところで偉そうなことを言っていても、このサイトのパームネタを多く見せようとしているならば同類ではないかとお叱りを受けそうですね。


わかりました。おっしゃるとおりです。ではパームネタと雑談ネタを分けるのをやめて、一つのカテゴリーに統合することにしましょう。(何も変わってない!)

412.KmartがSearsを買収する日 (2004/11/18)

”The New York Times ON THE WEB”に、KmartがSearsを買収すると言う記事が掲載されています。Kmartと言えば、少し前には倒産したと報じられていましたが、今度は積極的な拡大政策に打って出たようです。


現在、USの小売業で圧倒的に強さを誇っているのはWalmartです。2番手には日本で言うホームセンターであるHome Depotが続き、新しくKmartとSearsが合体すると、それらに次ぐ3番目の規模になるそうです。


プランではそれぞれのブランドは残すものの、Kmartの店舗のうちのかなりの数がSearsに変更されるそうです。同時にそれぞれが持っている独自ブランドを、それぞれの店舗で共有化することが計画されているようです。


新しい本拠地は、有名なシカゴのシアーズタワーになるそうですが、経費の節減の為にライバルのWalmartCostcoが開発してきたビジネス手法を、さらに飛躍する事が必要になるとされています。


KmartとSearsと言えば、長い間USの大衆消費を担ってきたのですが、19世紀に始まったとされるデパートの決まり文句であったキャッチフレーズが、この数十年間の郊外化が進む都市構造に対応しきれなくなっていたと指摘しています。


Kmartと言えば、ディスカウントストアーの草分け的存在ですが、あまりカスタマー主体の発想がなかったように思います。私の経験でも、問題があって返品されたものが、そのまま同じ状態でまた陳列棚に並んでいたことがあり、安心して買い物ができると言うには程遠いものがありました。


日本でも、一時は小売業日本一を誇ったダイエーが、解体の危機に瀕しています。それぞれ一時期はディスカウンターの覇者であった訳ですから、運命的にも共通したものを持っているのでしょう。


KmartとSearsが、過去の栄光から決別し、新世代のライバルたちと再び競い合うことができるのであれば、ダイエーもまた然るべき変革の後には、走り去ったライバルと相まみえることもできるのではないかと思えてくるのです。