376.本当のプログラマーはキッシュを食べない1: かつてはプログラマーだった! (2004/08/25)

初めてパームを手にした時誰もが必ずするように、私もWEBに溢れるパームソフトやDOCを探し回った時期がありました。探せばいくらでもすばらしいソフトウェアに出会えますから、本当に宝の山のようでした。


その時見つけたDOCの中で今でも強く印象に残っているのが、海外サイトで見つけた、"Real Programmers Don’t Eat Quiche"と言うものでした。


パームのサイトで見つけたものですから、てっきりパームの業界の中だけで知られた文章だと思っていたのですが、実は偶然DOCになっていただけで、ソフトウェア業界では有名な1983年に発表された論文だったと言うことに、最近になってやっと気付きました。


思えば、私が今の会社に入った時はプログラマーでした。当時、エンジニアの仲間では、ソフトウェアハードウェアより下に見られていました。


何せ、ソフトウェアはハードウェアの付属品(おまけ)と考えられていた時代です。今でこそマイクロソフトが一世を風靡していますが、昔はソフトウェアだけで商売している会社なんて無かったのです。


本当のプログラマーだったかどうかは分かりませんが、昔は確かに文章を機械語16進数で書いている人がいましたし、あるいは会話の中に使われる動詞のほとんどが、「シフトする」とか「ストアする」などの命令語に置き換わっている人もいました。職人のようなプログラマーがまだ多く存在した時代だったのです。


その頃はコンピューターは、誰にでも使える代物ではありませんでした。しかし今では、ソフトウェア技術が発達したお陰で、エンジニアに限らず子どもから大人まで、性別・職種に関わらず何らかのソフトウェアを作成したり、実行したりできるようになりました。


今から読み返せば、時代背景が変わってしまってピンと来ないものもありますが、なかなか的を得たおもしろい記述もあります。いくつかピックアップして、一緒に本当のプログラマーがどんな人たちか想像してみませんか?

375.高校野球 (2004/08/24)

アテネオリンピックの野球競技で、プロ選手を集めて金メダルを目指した日本チームがオーストラリアチームに2度も跳ね返され、金メダルの望みを絶たれたそうです。


金メダルを獲って日本のプロ野球の人気を呼び戻したかったところですが、これでは逆にプロ野球の人気低迷に拍車をかける事になりかねません。


シドニーオリンピックで負けた時は、プロ・アマの混成チームだったことが敗因の一つであるとされました。そこで、今回はプロ選手だけで編成したチームで臨んだのですが、そう簡単には金メダルを獲らせてもらえなかったようです。


またオーストラリアチームのリリーフで活躍したのが、阪神のウィリアムスだったというのも皮肉な話しではありませんか。野球がオリンピックの正式種目になってからは、大会ごとに各国がレベルアップをしているようです。


確かに一発勝負の大舞台ですから、実力だけではなく運にも左右されるでしょうが、「運も実力のうち」と言います。そもそもだらだらと長いペナントレースを戦っている日本のプロ野球には、オリンピックのような短期決戦の大会は、向いていないのかも知れません。


一方の高校野球は、オリンピック開催中で国内スポーツが夏休み状態の中、多くの入場者を集めたようです。また中継放送がオリンピックと時間が重ならなかったため、視聴率もかなり高かったようです。


私もほとんど30年ぶりに甲子園球場に足を運びました。その昔は1シーズンに必ず数日は朝から晩まで試合を観戦したものですが、持参したラジオのプラスチックが溶けてしまうぐらい日差しが強かったことを覚えています。夏の甲子園と言えばかち割りが名物でしたが、最近は普通のかき氷になってしまったようです。


地元の出場校を応援しに行ったのですが、1回戦で負けてしまいました。あっけなく負けてしまったように感じますが、選手にとっては長い地方大会を勝ち進み、ついに甲子園で負けてしまったと言うことなのでしょう。今大会は、北海道に史上初の優勝旗をもたらし幕を閉じました。


そして負けたチームの選手が甲子園の土を持ち帰るのは、今も昔も変わらないようです。



参加チームの中で

 たったの一度も負けないチームは

ひとつだけ

 でも多分君は知ってる

敗れて消えたチームも

 負けた回数は

たったの一度だけだって事をね



さだまさし

「甲子園」より抜粋 

374.競輪はスポーツだ! (2004/08/22)

アテネオリンピックの自転車種目チームスプリントで、自転車競技では日本初のメダルとなる銀メダルを獲得したそうです。日本チームの快進撃が続く今大会の中でも、特筆すべきものでしょう。


他の競合チームは、ほとんどがヨーロッパの国々でした。自転車競技と言えば、USでマウンテンバイクが盛んであることを除けば、ヨーロッパが名実共に本場と言えます。


日本のシマノ製の自転車部品は世界に認められるすばらしい製品ですが、ヨーロッパ製の自転車部品には長い経験に裏付けされたノウハウが凝縮されており、そう簡単に超えることは出来ないようです。


その本場ヨーロッパの強豪たちと、まともに競い合った末に銀メダルを獲得したのですから、快挙と言っても良いと思います。


USに住んでいたとき、街中に整備されたサイクリングロードを自転車で走ったら気持ちが良いだろうと思い、街の自転車屋でバイクを買いました。ロードバイクとマウンテンバイクの中間のクロスバイクと呼ばれるものです。


USの自転車屋は、買った人にメインテナンスの講習会を開いたり、自転車のツアーを定期的に開催したりします。私が買った自転車屋では、マウンテンバイクのツアーしか開催していませんでした。


試しにクロスバイクで参加できるかと店長に聞くと、首を横に振って、


「まあ、すぐにパンクするだろうね。」

と言われてしまいました。


ところが家の近くにもう一軒自転車屋があり、そこではロードバイクで街中を走るツアーを土曜日の朝にやっていると言います。早速、土曜の朝に早起きして行ってみました。


いやー、まだオープンしていない自転車屋の前に集まってくる参加者を見て、止めておけば良かったと真剣に思いました。来るやつ来るやつ、みんなすごい脚です。もりもりの筋肉がピストンのように動いています。


しかも、乗っている自転車がどれもこれも速そうなロードバイクです。クロスバイクで来ているやつは1人もいません。


10人ほどの参加者が集まったところで、今日のコースの説明が始まります。どうも自転車屋の店員がリーダーのようです。早速見慣れない顔の、ブヨブヨの脚でクロスバイクに乗った私に声を掛けてくれます。


「初めて参加するようだが、付いて来られない場合は無理をせず、自分のペースで走ってください。道はまっすぐなので迷うことはないでしょう。」

さて、ツーリングが始まり、リーダーは最初のうちは私のペースを伺いながら最後尾を走ってくれましたが、1列で走っていた集団が丘や谷を越えるたびに順番が入れ替わり、さながらロードレースの様子を呈するようになってきました。


かなり行ったところでいったん集合。そこからしばらく、リーダーと雑談しながら併走します。


「ロードバイクでもなく、しかも初参加で(ブヨブヨの脚で)良くここまで付いて来られたな。感心するよ。俺は知り合いが日本にいるから、日本の事はよく知っているんだ。ゲイシャ、フジヤマ、テンプラだろ?ところで、日本にはプロの自転車競技があってうらやましいな。

私は、日本にプロの自転車競技があると言われてもピンと来なかったので、何の事かと聞き返しました。


ケイリンの事だよ。日本にはケイリンと言うスポーツがあって、すばらしい選手がたくさんいると聞いている。

競輪がスポーツという認識は、私には全くありませんでした。あれはギャンブルであり、スポーツのフェアーな精神からはかなり遠いものだと思っていました。しかし、最近ではサッカーの結果に賞金を掛けるようになりましたから、スポーツと賭事は本質的に近いものなのかも知れません。


さてツアーに参加したおかげで、それからの私のバイクの巡航速度は、格段に速くなりました。速いペースにはそれなりのリズム感があり、逆に疲れが少ないのに気付いたのです。天気の良い日には会社までの10マイル程の道のりを自転車で行くのが爽快でした。(会社の階段では膝が笑ってましたが。)


アテネオリンピックで、日本の競輪選手が銀メダルを獲ったと言うニュースを見て、「競輪はやはりスポーツだったのだ!」、と改めて実感した次第です。

362.無理難題コラムを終えて (2004/07/13)

vega21.comさんと共同で6回連続でお送りして参りました、「無理難題コラム」を読んで頂いた方々には、御礼申し上げます。


ふふふ総帥も、お相手をしていただきまして、どうもありがとうございました。取りあえず終わってほっとしました。やはり大先輩との共同企画となりますと緊張します。


ましてや、次のテーマが一体何になるかドキドキしている間というのは、不安がいっぱいでなかなか苦しいものがありました。(でも癖になりそうな予感もあります。)


しかし、突如目の前に現れるテーマに対して情報を集めるには、やはりインターネットは絶大であることを再認識いたしました。


かなり昔になりますが、某コンピューターメーカーのCMで、「ただの数字であるデータを集めただけではビジネスは成り立ちません。多くのデータからビジネスの判断に結びつく、価値のある情報を引き出すのが、コンピューターの使命です。」みたいなコピーがあったのを思い出しました。


インターネットには今、ありとあらゆる情報が溢れかえっていて、さらに日一日とその情報は膨れ上がっています。すでに人類データーベースとでも呼ぶべき情報がインターネットには蓄積されています。


しかし、情報量が多すぎて、効率よく必要な情報を探し出すのに苦労するようになりました。情報の賞味期限も考慮しなければなりません。もうすでにインターネットの情報は、私たちが探し出すことの出来る限界を超えているのではないでしょうか?


私たちは、生活やビジネスの局面で情報を利用した判断を行いますが、そのうちに人間の処理能力を超えた情報を利用する技術が発達してくるかも知れません。これまでの人類の知恵を総動員して判断を下した方が、的確な場合があるに違いありません。


まだまだ世界は流動的です。しかし、情報が溢れあらゆる経験を人類が経験していく過程で、全ての事象は過去の経験から最適な答えを導くことが出来るようになり、いわゆる定石によって判断することができるようになるかも知れません。


今のように、インターネットの情報を探し回って自分で判断するのではなく、ネット上の人類データーベースから判断して導かれた答えに、私達は従うだけになるかも知れません。


今回ふふふ総帥から頂いたテーマであったユビキタスによって、情報ITなどの言葉が死語になってしまうのは、それ程遠い未来ではないかも知れません。

361.無理難題コラム5: ユビキタス (2004/07/10)

今回のふふふ総帥から頂いたテーマは、「ユビキタス」。ただし条件付き: 「可能な限り、死語を使って書いてください。」 確かに、vega21.comのコラムに書かれているように、「英語を日本語化した言葉には死語もしくは恥ずかしい言葉が多い」、は納得できます。


その言葉が登場したときには、おそらくイカス言葉であったのが、すたれてくるとダサク感じてしまいます。流行がセンセーショナルであればあるほど、後はどん底になってしまいます。


そう考えると、今日のテーマ「ユビキタス」などは、明らかに死語予備軍でしょう。ユビキタスに限らず、過去から現在まで電算機業界では、毎年のように新造語によるユーザー幻惑作戦が繰り返され、「今導入しないとマーケットのトレンドキャッチアップ出来ない」、とユーザーを信じ込ませて来ましたから、死語となってしまった電算機業界用語(IT用語)は少なくありません。


これまでの1人に1台のネットワークにつながったパソコンから、複数のネットワークコンピューターを利用するようになると言うのなら、何も「ユビキタス」等とハイカラな言葉を使わないで、「どこでもコンピューター」や、「ゴロゴロしているコンピューター」「腐るほどあるコンピューター」でも良いのダッチューノ


つまり、「ユビキタス」のような、最初はカッコつけてイケイケの言葉を使うと、結局最後には使うのが恥ずかしながらになるのです。


ユビキタスと言えば、どこでもコンピューターですから、パームを始めとするPDAはユビキタス・コンピューティングの最右翼ですが、PDAや電子手帳というと死語になりそうな感じです。電子手帳に限らず、電子○○はほとんどが既に恥ずかしいかも知れません。


セロハンで出来たテープをセロテープと呼び続けているように、手のひらに載せて使うコンピューターを、「パーム・コンピューター」と呼び続けたいものです。少なくとも「ユビキタス」が死語になったとしても。


ところで、死後の世界では、死語だけしか使ってはいけないそうです。なんとお寒い世界なのでしょう!


さて、イケイケドンドンでやって来ました「無理難題コラム」も、ついに次回はクライマックス最終章です。


テーマは、「明るい未来」です。ふふふ総帥、締めをよろしくお願いいたします。