103.人に聞けないアメリカ人と日本人の比較 (2003/05/23)

以前、70.恐竜とゴジラ (2003/04/11)で、アメリカ人は体が大きい割に、頭が小さいというお話をしました。


実は、私がUSで自転車を買ったとき、同時にヘルメットも買ったのですが、サイズが合わなくて困ったことがあります。どれもこれも、小さいのです。


巨体揃いのアメリカ人に合わせたサイズが、私に合わないわけがないと、最初は思っていました。何回か試して入るのがなかったので、店員はこれまでに大きすぎて売れ残っていたヘルメットを、最後に持ってきました。これが、ピッタリ入るのです。


店員は、少し驚いていました。売れ残りが売れた喜びより、「おまえすごい頭してるな!」みたいな感じだったのでしょう。


それはさておき、今日の本題です。USのトイレが詰まりやすいのは、ご存じでしょうか?大型のホテルの場合はそうでもないのですが、小さなホテルや個人の家庭のトイレは、明らかに日本より流す能力が低いように思います。


私も、恥ずかしながら、USで自分のアパートやホテル(レジデンスイン)で、計5回ぐらい詰めたことがあります。日本では、そのようなことはありません。


実は、私もなぜ良く詰まるのか、分からないまま過ごしていたのですが、ある時、会社のトイレでそのわけが分かりました。


アメリカ人のトイレ(大)は、早いのです。もうあっという間。座ったかと思えば、もうxxです。日本人でも早い人はいるでしょうが、スピード感が違います。同様に、アメリカ人できばっている人はいないように思います。


これは、米食とパン食、あるいは草食と肉食に関係しているようですが、おそらくアメリカ人は日本人より腸が短いのではないでしょうか?ですから、○○の含水量が多い為、スピード感溢れるxxが可能になるのだと思います。


また狩猟民族は、ゆっくりやっている訳にはいかないのでしょう。アメリカン・バッファローに、お尻を突かれたら痛いですから。


今度、USに行く機会がある方は、是非トイレでしばらく観察してみてはいかがでしょうか?(誰がするか!)

86.ニューヨークワイン (2003/05/01)

日本で米国産のワインと言えば、カリフォルニアワインと言う事になります。デパートなどで売っているのは、まず100%カリフォルニア産と思って間違いないでしょう。


USのスーパーでも、確かにカリフォルニア産のワインが主流です。多くのカリフォルニアワインの農場は、フランスやドイツからの移民によって経営されていますから、ぶどうの栽培や製法は、ヨーロッパの伝統に基づくものなのでしょう。


一方、テーブルワイン、つまり食事の時にがぶがぶ飲む為のワインとして、ニューヨークワインなるものがあります。気楽に飲めるワインと言う事で、それなりに人気があります。


そのニューヨークワインを産出しているエリアの一つに、ニューヨーク州の南中央部に広がる、フィンガーレークス・エリアがあります。ニューヨーク市からは、車で4時間ぐらいでしょうか、やはりヨーロッパからの入植者が作った町が点在し、アムステルダムなどと言った名前の町もあります。よく聞く名前の町では、電子レンジで使えるコレールと言う商品名の食器で有名な、コーニングなどが近くにあります。


フィンガーレークスと言う湖に沿った村には、多くのワイナリーがあり、季節になると休日はどこでも試飲会が開かれています。主人が一人で切り盛りする、西部劇に出てくる酒場のような所から、立派な建物を擁した工場のようなものまで様々です。


味の方はどうかと言うと、ワイナリーごとの差が大きいので一概には言えませんが、淡白な味わいで、気楽に食事と一緒に飲むのに、相応しいと言う感じです。どちらかと言うと、赤の本格的なものを目指したものより、白で軽い感じのものの方が失敗は少ないと思いました。一番おいしかったのはデラウェアでしょうか。時々、マスカットのワインはお目にかかりますが、デラウェアは初めてでしたが、フルーティーでなかなか良かったです。


ニューヨークワインの産地は、フィンガーレークス以外にも、数箇所あるそうです。USで一番古いワイナリーの一つが、ハドソンバレーエリアにあります。一番古いワイナリーの一つとわざわざ言ったのは、もう一つカリフォルニアサンノゼにあるのです。なぜ一番古いワイナリーが2つもあるのか?


禁酒時代醸造を中断していたところと、海の沖合いで醸造をし続けていたところがあって、それぞれ、開始した時期が一番古いと主張したり、一番長い期間続けていると主張したりで、一番古いワイナリーが2つあるそうです。


ところで、フィンガーレークスと言えば、指のように細い湖が並んでいるのですが、ニューヨークから日本に向かう飛行機が、ちょうどフィンガーレークスの真上を通った事があり、窓から眺めたその姿が、掛け値なしに正に手の指が並んでいるのにそっくりでした。ワイナリーとコーニングのガラス博物館等、みどころは多くはありませんが、のどかなワイナリーツアーも楽しいかもしれません。

85.デザートにワインは如何ですか? (2003/04/30)

一般的に、酒飲みは辛党と呼ばれ、甘いものは苦手と言う事になっていますが、一部には酒は結構飲むが甘いものも好きと言う、俗に言う両刀使いと言う方もおられます。実は、私もその口なのですが、そのような方にお勧めできるワインがあります。


デザートワインと称して、小振りのビンに入った白ワインがありますが、シェリー酒のような、女性にも飲みやすい、かなり甘口のワインです。このワインは、LateHarvesting と言って、普通のぶどうの収穫よりかなり遅く、収穫するのだそうです。その結果、ぶどうの木に実が着いたまま糖分が増えて、干しぶどうのようになってくるそうです。発酵させてアルコール化しても、なお甘みが残るだけの糖分を含んでいます。


私が、初めてデザートワインなる物を知ったのは、カリフォルニアのワイナリーでした。その時は、既に他の荷物でいっぱいで、あまり重たいものは持って帰る事が出来なかったので、小さいビンのデザートワインは好都合でした。日本に持って帰って飲んだのですが、香りや色と共に、本当の果実の甘みが大変おいしかったのを覚えています。


ワインの種類に、貴腐ワインというのがあります。やはり、収穫を遅くしてブドウに含まれる糖分を高め、甘口のワインに仕上げるのですが、普通に収穫を遅くすると、ブドウが腐ってしまうところを、貴腐菌と言う細菌が、ブドウの実に繁殖することによって腐敗を防ぐところから、貴腐ワインと呼ばれています。ハンガリーの貴腐ワインであるトカイワインは、かの昔は、王室などにも愛され、ルイ14世も好んで飲んでいたとか。


1989年に、ハンガリーブダペストに行ったとき、地球の歩き方にお勧めとして載っていたレストランに行きました。市の中心部から少し離れていましたが、立派な石畳の広場の一角にあったレストランは、かなり格式があるように見えました。


ハンガリーに行けば、トカイワインを試そうと思っていた私たちは、ワインリストの中から選ぼうとしましたが、値段が書かれていません。トカイワインは、その甘さの度合いを星の数で表現しており(実際は加える貴腐ブドウの量)、星の数が3つとか4つと言う事しか分かりません。


値段が分からなければ、適当に選ぶしかないので、適当に真ん中あたりにあったワインを選んだのですが、ウェイターがえらくうやうやしくボトルを持ってきて、「このワインでよろしゅうございますね」、みたいに見せる物ですから、とんでもなく高そうに思えて、緊張してしまったのを覚えています。


結局、2人でワイン込みで、4,000円ぐらいであったと思います。とにかく、サービスや料理・ワインが良かった割に安かったのは、社会主義の国ならではでしょう。


ハンガリーから、オーストリアに入ったのですが、その国境で出国手続きをする事務所が、免税店にもなっていて、トカイワインを何種類か売っていたのを、余ったフォリントでおみやげに買って帰りました。飲んだ後にラベルだけは写真と一緒に残してあります。


先日、阪急オアシスと言う地元のスーパーで、トカイワインを見つけました。メルシャンワインが輸入している物だったので、日本でも結構簡単に手に入るのでしょう。昔の味を思い出すほど、記憶が定かではないのですが、ブダペストの風景を少し思い出させてくれました。

75.引き返す飛行機 (2003/04/18)

飛行機に乗ってトラブルがあるとしたら、預けた荷物が出てこない事が、良くありますね。最近は、3回乗ったら1回ぐらいの頻度で、荷物が出てこないことがあります。あまり、乗り継ぎ時間に余裕のないスケジュールにすると、やはり出てこないことが多くなるようです。


さて、機体にトラブルがあることも、結構多いのですが、飛ぶ前に油圧が上がらないとか、機体のチェックで異常があるなどの理由で、出発が遅れることは良くあります。


しかし、飛び上がった後にトラブルがあった時には、いったい何が起こっているのか、機長のアナウンスを真剣に聞かなければなりません。今日は、私が体験した引き返し飛行について、お話ししたいと思います。


その1.ナビゲーターが狂ってしまった


あれは、1989年の5月でした。私たちの乗ったスイス航空ボーイング747-300型機は、チューリッヒからボストンに向かって飛び始めて、2時間が経とうとしていました。ちょうど、おそらくフランスと思われるヨーロッパ大陸の端にさしかかり、大西洋上に出ようとしていたときでした。


私たちは、ヨーロッパ大陸を名残惜しんで、外の景色を見ていました。が、海岸線を真下に見る辺りで、急に旋回を始めました。最初、大西洋に出たら、航路が変わるため、進路を変えているのだと思っていたのですが、旋回が90度を超えると、何かおかしいなと思い始めました。


前方のスクリーンには、地図の上に飛行機のマークが軌跡と共に表示されていましたが、その飛行機も同じところで回り出しました。そこで、機長のアナウンスがありました。


「当機は、ナビゲーターが故障した模様です。これから、大西洋を横断するのは、困難ですので、一旦チューリッヒ空港に引き返します。チューリッヒ空港は、スイス航空の本拠地ですので、到着次第、予備の用意された代替機に乗り換えて、すぐに出発できるようになっております。ご安心ください。」


さて、壊れているのはナビゲーターで、エンジンは調子がいいみたいなので、乗客一同、取りあえず安心してチューリッヒに着くのを待ちました。着陸もうまくいき、みんな乗り換えの案内があると思って待っていましたが、一向にその気配がありません。


最初は、機内で待機していましたが、長くなりそうだと言うことで、待合室に誘導されました。当時、スイス航空は安全な航空会社と言うことだったらしく、乗客は口々に、


「スイス航空だから、無事引き返せたけど、他の航空会社だったら、とっくに落ちていたわよ。」


みたいなことをしゃべりあっていました。ところで、代わりの飛行機は結局用意されてはいませんでした。ボーイング747-300型機は当時一番大きい飛行機でほぼ満席だった為、代替機を用意しても一機では乗り切らないので、とにかく修理をしようとしていると言うことでした。


2時間ぐらいの修理時間の後、再び同じ機体に搭乗したのですが、ちょうど2階席で修理したメカニックが、道具を持って降りていくのに出くわしたのですが、ほんとにこの人が直せるのかな、と言う感じで、ボストンに着くまで不安で一杯だったのを覚えています。


その2.オーバーヒート


今度は、1998年2月、デトロイトからホノルルに向かうノースウエスト航空DC-10に乗っていたときの話です。飛び立って1時間半程した時です。機長のアナウンスが入りました。


「当機は、現在高度xxフィート、時速xxマイルで飛行しております。」


私は、”おかしいな、さっき機長は同じ様なアナウンスを既にしているのに、何で2回目のアナウンスをしているのかな?それと、なんか高度がいつもより低いし、速度も少し遅いな”、と思っていました。


機長は、アナウンスを続けているのですが、どうも歯切れが悪く、何を言っているのかよく分かりません。どうもこのまま飛行を続けるのに、自信がないと言っているようです。


「これから、ハワイまではまだまだ遠い様ですが、太平洋も越えて飛んでいかなければなりません。この飛行機は、ダグラスDC-10と言いまして、エンジンが3機付いておりますが、そのうちの第2エンジンと言うのが、後ろの垂直尾翼に突き刺さっているようにあるのですが、、、」


何とも歯切れが悪い、もう5分ぐらいしゃべっています。乗客も、何となく変だなと気づいてきました。


「実は、先ほどから、エンジンの温度計を気にしているのですが、どうも、第2エンジンがオーバーヒートしているみたいなので、このまま使い続けると、火災が発生するかもしれないので、先ほど、第2エンジンを、アイドリング状態にしました。」


何!エンジントラブルだと!乗客はざわつきます。


「ご心配なく。DC-10は、エンジン2機でもハワイぐらいまでなら、飛んでいけます。ご安心ください。ただ、もう一つエンジンが止まると、高度を維持することが難しくなります。従って、これから、デトロイトに引き返すことにします。」


一刻も早く引き返してください。その1時間半が長かったこと。しかも、今度はエンジンが2つしかないので、着陸も心配です。


「ガタン、ゴトン。」


少し大きめのショックがありましたが、無事着陸しました。さて、今回も代替機があるように機長は言っていたのですが、着いてみるとやはり用意されてなく、修理が終わるまで機内に閉じこめられて、2時間程して再び飛び立ちました。


機長が言いにくそうに説明していたは、乗客にショックを与えないようにしていたのでしょう。パニックにならないようにするためには、何を言っているのか分からないぐらいが、ちょうど良いのかもしれません。


これ以外に、デトロイトで乗り継ぎの時に、搭乗口に行ったら、乗るはずの飛行機のエンジンが、その場でバラバラに分解されて修理中だったこともありました。搭乗口の係員は飛ばしますと強気でしたが、どう見てもエンジンを元に戻せないだろうと思っていたら、案の定フライトキャンセルになりました。


このようなことが、一度でもあると、たまにしか乗らない私などは、飛行機は怖いと思ってしまうのですが、昨日登場したスチュアーデスさんは、飛行機ほど安全なものはないと信じ切っていました。少しでも不安を感じたりしたら、搭乗業務はできないのでしょうね。

74.スチュアーデス日記 (2003/04/17)

最近の国際情勢においては、たとえゴールデンウィークといえども、海外旅行に出かける人は、例年に比べ少なくなっているようです。旅行会社も、ゴールデンウィークに激安を謳ったツアーを企画するところもあり、出発日に近づけば近づくほど、更に残った席の値段を下げていくそうです。特に、今年は大きな休みを取りにくい連休になっていますので、なおさら長い旅行はしにくい状況になっています。


そこで、せめて海外に飛び出す気分だけでも出すために、飛行機ネタを少しばかり紹介したいと思います。


以前、某航空会社の国際線スチュアーデスをされていた方の近くに住んでいたことがあり、いろいろと面白い話を聞くことが出来ました。その時に聞いた話の中で、印象に残っている話を今日はしてみたいと思います。あっと驚くスチュアーデス日記です。


その1.ワインはお肌に良いらしい?


国際線ならお酒のサービスがありますね。小瓶でサーブされる時もありますが、フルボトルのワインの場合もあります。さて問題は、残ったお酒はどうするのかと言うことです。当然、お酒として飲める状態であったなら、入国する際に課税されてしまいますから、お酒として飲めない状態にしなければなりません。


栓を抜いていない場合は、施錠してその国内で使用できないようにすれば良いようですが、栓を抜いてしまったワインは、どうするのでしょうか?


実は、どうも捨てているらしいのです。


到着間際に残ったワインは、スチュアーデスの皆さんの手で、ギャレで捨てられているそうです。どうせ捨てるなら、手でも洗ってみようと思うのも自然です。ファーストクラスなどでサーブされるワインの中には、かなりのお高いものがあるようですが、それらを捨てる作業はなかなかの迫力がありそうです。


スチュアーデスの皆さんの間では、こんな会話がされているのでしょうか?


「ドンペリを、飲んで喜んでいるうちは素人ね。あのたまらないお肌の刺激を知らないうちは、ドンペリ通とは、言えないわよ。」


その2.ドアロックは確実に?


さて、あなたの乗ったジャンボ機は、お客さんの搭乗も全て完了し、滑走路に向かって動き出しました。さあ、これから離陸までが緊張する瞬間です。


機内では、ビデオで救命胴衣の着用手順の説明が始まり、続いて非常口の場所を説明しています。機長が、アテンダントに何やら、「離陸するのでドアのモードを切り替えろ」、とかアナウンスで指示を出します。


すると、それまで客室内で忙しく離陸前の仕事をしていた乗務員が、一斉にそれぞれの担当するドアに行き、なにやらレバーを操作すると、全員で完了を指差して確認します。


私は長い間、空の上で、急にドアが開かないように、ドアロックをしているのだとてっきり思っていました。しかし、これはドアを開けた時に、自動的にシューター(すべり台)が膨らんで出るようなモードに変えているのだそうです。


いつも、この作業は、ドアロックだと思っていましたので、終わった時にホッとしていたのですが、馬鹿らしく思えてきます。それより、機長が、暗に「次にドアを開けるときは、海に不時着したあとかもしれないよ、と言っているようなものですから、真剣に救命胴衣の付け方を復習しておくべきだったのかもしれません。


その3.河童


さて、飛行機にはいろいろなお客さんがいるわけですが、極めつけにこんな話があるそうです。ヨーロッパから日本に向かう便に、ある一見普通のサラリーマンに見える、中年の帽子をかぶったお客さんが乗っていたのですが、離陸してすぐに、スチュアーデスさんを呼んでこう言ったそうです。


「大きな声では言えないのですが、実は私は河童です。だから、1時間おきに私の頭の上に水をかけてもらえませんか?さもなければ、日本につく前に死んでしまうかもしれません。


よく、このような変な人はいるらしいのですが、あまりに真剣に言われたので、そのスチュアーデスさんは、機長に相談に行ったそうです。すると、機長は、


冗談で言っているとは思うけど、もし、ほっておいて何か問題が起きても困るので、言われたとおりにしておこう。


と言われたそうです。そのスチュアーデスさんは、そのお客さんの言われたとおりに、1時間おきに帽子を取り、頭の上に手に取った水をパッパとかけたそうです。


別に、帽子を取っても頭の上にお皿があるわけでもなく、普通の人にしか見えないのですが、そのお水かけは日本に到着するまで、10時間以上も続いたそうです。


さて、日本に着いて、搭乗客が機内から降りる時、そのお客さんは、そのスチュアーデスさんに、


「頭を湿らせてくれたおかげで、快適なフライトだった、ありがとう。」


と言って降りて行ったそうです。