246.まっすぐなもの (2003/11/06)

たまにはこんな話題もお許しください。


私がまだうぶだった頃(いつごろだったか忘れましたが)、夜大阪の天王寺近くを歩いていると、前から大柄の女性がやってきました。スカートをはいていましたが、かなり歩くのが早そうでした。それからどうもガニマタっぽいのでした。


すれ違いざまに、低い声でこう言いました。「お兄さん、今晩付き合わない。」


俗に言うオカマさんだったようです。うぶだった私は、お尻を押さえてそそくさと逃げました。(いや、これはウソです。本当にうぶだった私は、なぜ追突することを「おかま」と言うのか長い間知りませんでした。)


さて時は過ぎて、今やお茶の間のテレビにオカマさんが登場しない日がないぐらいに、広く認知されるようになりました。ニュースでも、なぜ今オカマがもてはやされるのかを取り上げる程です。これほど表に出てこられるようになると、当然街角で出くわすことも多くなってきます。


以前、冬のスキー場でミニスカートをはいて滑っている、その辺りでは有名なオカマさんを見たことがありました。その時は、ミニスカートでスキーをすること自体に驚いてしまい、それがオカマさんであるかどうかより、よく寒いのにあんな格好でスキーができるものだと感心したことがあります。


日本でもこれほどよく出会うのですから、USなどに行ったらもっと頻繁に出くわすのではないかと心配になる方もいらっしゃるでしょう。そのような方に、きっといつか役立つ、教室では聞けない必殺英会話です。(特に男性の方は覚えておきましょう。)


知らない男が隣にやって来て、どうも様子が変だと思っていると、急に耳元で、"Will you enjoy with me tonight?"、なんて言われた事のあるあなた!(そんな人いるか?)


お尻を押さえて走って逃げるのも、それはそれで正解かも知れませんが、ここはひとつ正統派の英会話で対応してみましょう。


"I am straight !"、が正解です。


あるいは、"I am a straight guy."、でも良いでしょう。あくまでまっすぐである事を強調して毅然とした態度で接すれば、相手は勘違いしたことを詫びながらすぐに立ち去るでしょう。


ただし間違えて、"I am a straight gay."、と答えて連れ去られても、責任は取りませんので悪しからず。

245."No"と言う時 (2003/11/06)

“Noと言える日本人”ではないですが、日本人は"Yes/No"をはっきり言わないと言われて来ました。特に、"No"と言ったら失礼ではないかと言うことで、思わず"Yes"と言ってしまうことが多いのは、日本人の奥ゆかしさの現れでしょうか。


では、アメリカ人"NO"と平気で言い切っているのかと言えば、そうでもないように思います。彼らも"No"と言い切ってしまうことは相手に悪いと思っているのか、気を使った丁寧な表現を使うことがあります。


もちろん、自分の意見として"Yes/No"をはっきりしなければならない場合は、"No"と言い切ってしまえばいいのですが、たいていはその後に"No"と言った理由を説明し始めることが多いような気がします。つまり、なぜ"No"と言っているのかを相手に理解してもらうように努力するのです。


ところが、日本人は"Yes/No"をはっきりしなければいけないと言われると、コーヒーのお代わりを勧められても、ひたすら"No!"だけを連呼してしまいがちです。いらない時に無理に"Yes"と言う必要はありませんが、やはり"No"は少しきつい口調になりがちですから、それなりの配慮が必要なようです。


お代わりを勧められた時は、"No thank you."でもいいのですが、"No, I’m fine. Thank you."、と言うのが良さそうです。"No thank
you."だけでは、「ありがたいとは思っていない」と言うことですから、あくまで否定的な印象があります。


はっきりと意思を伝えながら、"Fine"のような肯定的な言葉でとげとげしさをなくすのは良い方法です。この場合、最後の”Thank you.”の前に少し間を空けると良いでしょう。相手の目を見ながらにこやかに話すのがポイントです。


また、家庭に招かれたりレストランで食事をした後、おなかが満腹で苦しい時、"Are you ready for dessert?"、なんて聞かれたら、思わず"No! No!"と連呼してしまいそうですが、それでは如何にも料理がまずかったように聞こえます。


"No. I am full. Thank you"、あるいは"No. I’ve had enough. Thank you."、と言うと相手も納得するでしょう。何もそこまで気にすることはないと言う方もいらっしゃるかもしれませんが、日本語の会話の中でも取り入れてみると、円滑なコミュニケーションができるかもしれません。


ファミリーレストランで、


「コーヒーのお代わりはいかがでしょうか?」


「あっ、いや、結構です。実は食事が大変おいしかったので食べ過ぎてしまいまして、もう私のおなかにはスペースの余裕がありませんので、これ以上勧めていただいてもお断りするしかありませんので申し訳ない事になってしまうので、、、、」


(あのー、最近セルフサービスが増えてきているので、このような会話は必要ないと思いますが。)



242.オーカルカッタ (2003/11/03)

掌極道で、「文化の日を語る 」と題して、台湾と日本での文化の比較をされています。なかなか強烈な印象のある出し物であったようで、このような場合はめちゃくちゃ受けるか、めちゃくちゃ引いてしまうかのいずれかになってしまうのでしょう。くみちょさんの貴重な体験が手に取るように分かって、面白く読ませていただきました。


この下ネタ系のネタは、受けるか受けないかが最も極端に出るものですから、かなりお互いを知り尽くした間柄でなければ、リスクが高いものと言えるようです。下ネタ系でも芸術性が加わればすばらしいものになるのですが、芸術性がないと単なる下品になってしまう可能性があります。


昔、シンガポールに行った時、観光客向けのショーで大蛇を首に巻いて記念写真を撮る出し物がありました。会場から選ばれたお客さんが蛇に怖がっている姿を見て、会場の欧米系の人たちには大受けで、同じ怖がる仕草にげらげらと大笑いしていました。


逆に、私も含めて東洋系のお客さんには、大して受けていなかったように思います。その国それぞれの文化的背景が異なりますから、習慣として笑いに結びつくものとそうでないものが、国によって異なることがあるのでしょう。


ニューヨークエディソンホテルで、ロングランミュージカルの「オーカルカッタ」を見たことがあります。それなりに有名でしたし、長い間続いていると言うことで、はずす事はないだろうと思って見たのです。もう10年以上前の事です。


要は裸の男女が下ネタ系のショートコントを繰り返すのですが、芸としてなかなか普段お目にかかれないと考えれば面白いし、下品と言えば単なる下品かもしれません。


途中の休憩時間に劇場を後にするお客さんも、1組や2組ではありませんでした。その時は決まって、怒った顔をしたご婦人の後を、付き添いの男性が頭をかきながら付いて行きます。


「何でこんなのを私に見せるの?」、「うーん、君にも受けると思ったのになー」、みたいな感じでしょうか。お互いよく知っている間でも、この手のネタには相手がどのように反応するか、解らないものなのかもしれません。

239.ハロウィーン雑感 (2003/10/31)

今日はハロウィーンなのですね。日本でも時々カボチャが飾ってあったりして、クリスマスのようにだんだんと一般的になってきているようです。


日本で言えばお盆に当たりますから、それほど賑やかなお祭りではないはずですが、そこはアメリカ人の事、面白くする術は心得ています。特に子供たちには格好のコスプレ大会の機会ですから、何日も前からどんなコスチュームにするか、真剣に悩んでいます。


カボチャのランタンは、なかなか骨の折れる物で、ナイフで顔をくり抜くのは簡単ですが、その前にカボチャの中身をスプーンで取り出さなければなりません。種の部分は綿のような物の中に種があるだけですから簡単に出せますが、そのままでは肉厚が厚いため、うまく顔の形にくり抜くことはできません。


そこで、スプーンで削りながら肉厚を薄くするのですが、カボチャといっても食用ではないため結構硬く、そう簡単には削ることができません。小一時間ぐらいカボチャと格闘して、やっと顔をカービングできるところまでたどり着きます。


種は、フライパンで炒めれば食べることができるようです。ひまわりの種に似た感じですが、それほどおいしいとは思いません。実のほうも、カボチャパイにでもなればいいのですが、これは捨てるしかないようです。


そうこうして、やっとジャッコウランタンが完成します。中にロウソクを入れて、ハロウィーンの当日、"Trick or Treat!"に来る子供たちを、玄関先で迎えることになります。


最近は、どこに行っても物騒ですから、子供だけで行くことは許されず、必ず親が付いて行きます。一時、子供がもらったお菓子の中に、毒が入れられていたことがあり、どこの家にでも勝手に行って言い訳ではないようです。


親が付いていき、この家の人は安心だとか、ここの人は子供好きだ、などと確認しながら子供に行っても良い家を指図します。


また、子供が来ることを好まない家もあり、その場合は明かりを消して、ハロウィーンの飾りつけもしていないようです。このような場合、親は「この家の人は子供に来て欲しくなさそうだ」、と言って子供に次の家を促します。


田舎に行くと、山のハイキングコースに野外のお化け屋敷のような物を設けて、子供たち怖い話を聞かせたり、お化けの首が空中に舞っている出し物を見せたりします。普段はハイキングコースでも、夜になると真っ暗になりますから、なかなか迫力があります。


日本では、ハロウィーンもクリスマスもどちらも同じように楽しみますが、USではハロウィーンは子供の物、クリスマスは家族の物と決まっているようです。


そういう意味では、ハロウィーンは子供が主役になれる唯一の日ですから、張り切って"Trick or Treat!"と叫びながら家々を駆け回るのです。

218.アリガタヤ、アリガタヤ (2003/10/10)

日本人は、英語の発音が下手だと言われて来ました。分かりやすい例として、"What time is it now?"が良く使われます。日本人が一生懸命正確に発音しようとしても通じないときは、いっその事「掘った芋いじるな!」と言ったほうが通じることがあると言われたりもします。


そもそも、海外で"Waht time is it now"なんて聞くことはほとんどありませんが、「掘った芋いじるな!」と言うのにもそこそこ発音のコツがありそうですから、素直に英語の発音を練習するほうが良さそうです。


ところで、それまでの日本の英語教育で耳にすることがなかったような発音の表現に、USに行くとしばしば出くわす事があります。そのような発音は、決まってあるシチュエーションで登場し、気になってくると良く出くわすのです。しかし、どういう意味かと聞くタイミングが難しく、いつまでも分からないままになってしまいます。


その中で、私には「アリガタヤ」と聞こえる表現がありました。ご存知の方は「ははーん」と気づかれたでしょうが、私はこの言葉の意味を知るまでに、数ヶ月過ごしてしまいました。


仕事の打ち合わせなどをする時に、最後のほうで相槌を打つように、「アリガタヤ、アリガタヤ」を連発します。しかも、この表現を使うのは、どちらかと言うと威勢の良いタイプの人に限られます。


しばらく経って、同僚に何と言っていて何の意味なのか聞いてみました。要は、"I got ya!"で、"ya"は"you"のこと。「私は、あなたを理解した」と言う意味だと教えてくれました。


たいていは、最初良く分からなかったことが、その後で分かった場合に良く出てくるように思います。「何だ、そういう意味だったのか。今分かったよ」みたいな感じでしょうか。


実際は、「アリガタヤ」ではなく、「アイガッチャ」に聞こえますが、日本語が懐かしくなってきた頃に聞くと、「アリガタヤ」に聞こえてしまうから不思議です(ローレライの人魚か?)。


ただ、少しラフな感じがしますし(実際向こうでもラフな人しか使わない)、日本人が使う場面を考えずに言ってしまうと問題があるかもしれません。まあ、"I understand."辺りを使っていたほうが無難なのでしょうね。