“Noと言える日本人”ではないですが、日本人は"Yes/No"をはっきり言わないと言われて来ました。特に、"No"と言ったら失礼ではないかと言うことで、思わず"Yes"と言ってしまうことが多いのは、日本人の奥ゆかしさの現れでしょうか。
では、アメリカ人が"NO"と平気で言い切っているのかと言えば、そうでもないように思います。彼らも"No"と言い切ってしまうことは相手に悪いと思っているのか、気を使った丁寧な表現を使うことがあります。
もちろん、自分の意見として"Yes/No"をはっきりしなければならない場合は、"No"と言い切ってしまえばいいのですが、たいていはその後に"No"と言った理由を説明し始めることが多いような気がします。つまり、なぜ"No"と言っているのかを相手に理解してもらうように努力するのです。
ところが、日本人は"Yes/No"をはっきりしなければいけないと言われると、コーヒーのお代わりを勧められても、ひたすら"No!"だけを連呼してしまいがちです。いらない時に無理に"Yes"と言う必要はありませんが、やはり"No"は少しきつい口調になりがちですから、それなりの配慮が必要なようです。
お代わりを勧められた時は、"No thank you."でもいいのですが、"No, I’m fine. Thank you."、と言うのが良さそうです。"No thank
you."だけでは、「ありがたいとは思っていない」と言うことですから、あくまで否定的な印象があります。
はっきりと意思を伝えながら、"Fine"のような肯定的な言葉でとげとげしさをなくすのは良い方法です。この場合、最後の”Thank you.”の前に少し間を空けると良いでしょう。相手の目を見ながらにこやかに話すのがポイントです。
また、家庭に招かれたりレストランで食事をした後、おなかが満腹で苦しい時、"Are you ready for dessert?"、なんて聞かれたら、思わず"No! No!"と連呼してしまいそうですが、それでは如何にも料理がまずかったように聞こえます。
"No. I am full. Thank you"、あるいは"No. I’ve had enough. Thank you."、と言うと相手も納得するでしょう。何もそこまで気にすることはないと言う方もいらっしゃるかもしれませんが、日本語の会話の中でも取り入れてみると、円滑なコミュニケーションができるかもしれません。
ファミリーレストランで、
「コーヒーのお代わりはいかがでしょうか?」
「あっ、いや、結構です。実は食事が大変おいしかったので食べ過ぎてしまいまして、もう私のおなかにはスペースの余裕がありませんので、これ以上勧めていただいてもお断りするしかありませんので申し訳ない事になってしまうので、、、、」
(あのー、最近セルフサービスが増えてきているので、このような会話は必要ないと思いますが。)