671.2回目の台湾出張2: 食は台湾にあり (2008/06/09)

いや、「食は広州にあり」の方が一般的でしょうが、あちらは「何でも食す!」というゲテモノ食いのパラダイスという意味であり(本当か?)「何を食べてもおいしい」を期待するなら台湾でしょう。


とは言うものの、台湾料理の味が合わないと嘆いて帰ってくる日本人がいることも確かなようです。そのような場合は大抵、「もう二度と行きたくない」と思われるそうな。確かに、「食」を除けばそれほど無理に行く必要があるかは疑問です。


言い換えれば、台湾における「食」は非常に重要な要素であるわけで、それがハマってしまうとなかなか魅力的な国に思えてくるわけです。


さて、今回の旅行には同じ運命の3人の日本人がいます。皆さん台湾の味にはハマったくちのようで、逆にまずいものに出くわすことが難しいと言い切ります。


ですから、客先で昼と夜に届けられるお弁当のメニューに変わったものがあると取り合いになります。色や形がグロテスクであったり、いったい材料が何であるかが分からないものに、異常に挑戦心が湧いてくるのです。


しかしほとんどの場合は、期待を裏切っておいしいという結果であり、外れた場合でも「日本並み」という評価になります。


弁当のお値段はというと、概ね40NT$と言いますから140円ぐらいですか。この値段でこの弁当が食べられれば、わざわざ高い有名レストランに行かなくても、十分に食の欲求を満たすことができます。


土・日を含めて、大概は夜10時過ぎまで仕事をしていましたから、用意してくれたお弁当をいただいていたのです。しかし、幸か不幸かたまには早く帰れてしまうことがありまして、そのような時はまず自分でレストランを探す必要が出てくるわけです。


そういうこともあろうかと、台湾に5年住んでいた友人からとっておきのレストラン情報を聞いておいたのです。(急に決まった出張の割には段取りが良い?)


地元のエンジニアもこぞって「一度は是非食べて帰れ」とお墨付きのレストラン「鼎泰豊」世界10大レストランに数えられるとあらば無視する訳にも参りません。


本店がある永康街まで、MRTの古亭駅から歩いてみます。何せJCBでもらったピラピラの地図が頼りですから、思った通りに(地図の通りに)は参りません。正しそうに見える地図の行間を(?)読みながら店に辿りついたら、ツアー客で店の前は人だかりができています。


仕方がないので、すぐ近くにある地元の人に人気との永康街「高紀」に行ってみますと、空いていてすぐにテーブルに通されます。実はこれが台湾での初めてのレストランですから、緊張しますね。


その緊張した理由は、何を隠そう遥か昔に行った中国でのレストランでの恐ろしい思いでがあるからなのですが、さすがに台湾ではちゃんと客として扱ってくれます。(当たり前か?) 友人に勧められた小龍包やエビ餃子、スープをいただき満腹です。


店を出て、先ほどの「鼎泰豊」に行くと店先の雑踏がなくなっていたので、今がチャンスとばかり小龍包のハシゴ決めて店に入ろうとすると、営業は夜の9時までとのこと。


仕方がないのでまたの機会にすることにして、もう1軒地元でお勧めという「奇福扁食」というワンタンの店を探してみました。永康街の道路を隔てたすぐ近くにあるのですが、ここは観光客は来ないだろうと思われる暗い通りにありましたが、シャッターが下ろされていて閉店後なのか店がなくなっているのかよく判りません。


結局後日、「鼎泰豊」と「奇福」には再度トライして訪れたのですが、さすがに「鼎泰豊」は逸品でまた食べたくなるおいしさです。ただ、冷えてしまうとややつまらない味になってしまうのは、残念というより不思議です。


「奇福」のワンタンは、うす味のスープがあっさりしていておいしいです。味にインパクトがないと言えなくもありませんが、「鼎泰豊」で食べた後に行ったのであっさり味がちょうど良かったようです。


帰りは「中正記念堂」まで歩いて行き、夜中ではありましたがその大理石の壮大な壁に圧倒されました。長い階段ではアベックやグループが語らい合っていて、夜中の散歩には絶好です。


さて、「高紀」も「鼎泰豊」も小龍包のお値段は170NT$(約600円)。地元の台湾人に言わせると普通に食べるレストランの3倍はするので、そう気安く行けるところではないとのこと。


海外ではやたら酸っぱかったり、匂いがきつすぎて食べられないものに出くわすことが多いのですが、台湾料理は少し甘めが基本のようです。ですから台湾料理が合う人は、基本的に甘めの味付けが好きな人なのかも知れません。


さて、毎晩帰るのが遅いと言えども、それより遅くまでやっているのが台北夜市。今回も2つほど訪れてみました。

670.2回目の台湾出張1: 弾丸トラベラー (2008/05/21)

「明日から台湾に行ってサポートしてこい!」と毎度突然の出張命令。別に台湾は好きですからいつでも飛んで行きますが、そんな急に飛行機が取れるかなと、いそいそと旅行会社に電話してみます。


帰りの日程変更が可能な航空券を依頼すると、キャセイ・パシフィックではFIXに比べて倍ほどの値段になってしまい、何と14万円の正規運賃になってしまいます。


ところがエバー航空ならその半額以下で、帰りの日程を変更することができるそうなので、これに決定。


台湾フリークな人に聞いてみると、敢えてエバー航空を選ぶほど人気があるとのこと。海運会社が経営しているそうですが、確かにエバーグリーンの貨物船は写真で見たことがあります。ホテルはグランド・フォルモーサ・リージェント。フォーシーズンズ系列とのことですので、間違いはないでしょう。


今回は、前回のように2泊3日ではなくもう少し長くなりそうなので、以前5年ほど台北に住んいた友人夫婦に台北のおもしろそうな所をメールで聞いてみました。ほどなく返事があり、グルメを中心とした情報をいただきました。これを今回の課題として、台湾を楽しんで来ることにいたしましょう。


と言っている間に桃園国際空港に到着。東京に出張するのとさほど変わりません。エバー航空は機体も新しく、なかなかサービスもよかったのですが、何せたった2時間のフライトですからあまりサービスの差は気になりません。それより、エバー航空は新しいターミナル2から発着するのが一番のメリットと言えるでしょう。


さて、到着ロビーについて台湾ドルを手に入れるのですが、台湾のATMは英語モードにしても一部は中国語のまま表示されることがあります。何が起こっているのかよくわからないままに、現金は出ないでカードとレシートだけがつき返されるのですが、レシートには中国語しか書かれておらず見当がつきません。


隣にあった銀行の窓口がATMと同じ銀行だったので聞いてみると、レシートのMSG#の欄に何らかの数字が書かれている場合は、すべてエラーだとのこと。どうもこのクレジットカード(AMEX)は扱っていないらしいので、別のカード(JCB)を試すと今度はビンゴー!これでタクシーに乗れます。


しかし、空港からのタクシーは飛ばすこと飛ばすこと。それとどうしてこちらのタクシーの窓には、中途半端なカーテンがあるのでしょうか? 左右に大きく振られ、飛びゆく景色を眺めながら、いざ台北に出陣です!

669.USでのレンタカーには国際免許が不要? (2008/05/06)

何と言ってもゴールデンウィークであります。今年は連休の日数が少ないと言うことで、海外に出かける人が少ないと言うことですが、そこはやはり日本では一番休みやすい時期ですから、それなりにバカンスを楽しんでいる方も多いことでしょう。


さて、海外に行くときの「3つの神器」と言えば、パスポート、クレジットカード、国際免許証でしょうか。これらはそれぞれ手続きが必要ですから、予め準備をしておかなければなりません。


この連休前に、ある取引先の会社の方が急遽USに出張に行くと言うことで、国際免許証を申請することになりました。免許センターに電話をして窓口が開いている時間を確認するのですが、何せ連休中は役所関係も休みになりますから、なかなかスケジュールが合いません。


そうこうしていると、日本に在住しているアメリカ人から、「USでレンタカーを借りるのに、国際免許はイラナイゼ!」とのメッセージ。しかし、にわかには信じられません。


聞くところによると、先月USに滞在していた同僚が、国際免許の有効期限が切れるので一旦帰国しようとしたが、国際免許が要らないことが判ったため、そのまま滞在し運転を続けていたとのこと。既に実績があるようです。


ハワイやグアムは以前から日本人が多いと言うことで、日本の免許証だけでレンタカーを借りることが出来ましたが、それ以外のUS地域で日本の免許がそのまま有効だと言う話しは、これまで一度も聞いたことがありませんでした。


しかし、Hertzのウェブページを覗いてみると、確かに日本の免許証のコピーを予めHertzに送り免許の翻訳証を受け取っておく事によって、国際免許証を所持しなくともUSでレンタカーを運転できるとあります。


そもそも国際免許証とはそれ自体が免許証としての効力を持っている訳ではなく、国内の免許を各国語に翻訳したものに過ぎません。だからこそ海外での運転中には、国内の免許証と同時携帯していなければならないのです。


つまり、翻訳が正しい事が保証できれば、別に警察管轄の組織によって発行される必要はまったくないのです。現にUSにおいて国際免許証の発行は、以前からAAA(日本で言うところのJAF)が行っています。日本で免許センターなどが独占的に発給する必要性があるかどうか甚だ疑問です。


ところで、海外で警官に車を停められて免許を見せろと言われた事がある人に聞いてみると、国際免許証が本当に正しい免許証であるかどうか判断できないそぶりを見せる事が多いようです。


少なくともUSでは、国際免許証よりもHertzが発行する翻訳証の方が、理解されやすいのではないでしょうか。ただ、免許証をよく理解されない方が、些細な違反を犯したときに見逃してくれる可能性が高いというのも確かですが。


それから、国際免許証や翻訳証を携えていれば、現地のドライバーと同じ運転資格が与えられているものと考えがちですが、それは自動車を運転する技術を持つことを証明すると同時に、当地の交通規則に関する知識がないことをも証明していると肝に銘じるべきでしょう。


いったん海外で事故を起こせば、不利な立場に立たされることが多いと言われます。少なくとも必ず守らなければならない交通ルールについては、予め良く理解しておくことが必要でしょう。

668.メイヨークリニック受診日記9: まとめ (2008/04/27)

さて、8回にわたってメイヨークリニックでの診察を受けてきた印象をまとめてみたいと思います。


さすがに全米、あるいは世界各国から診療に訪れるだけあって、病院のシステムとしての完成度の高さを感じました。朝早くから詰めかける多くの患者さんを、効率よくさばくための工夫が、あらゆる所に施されているのではないかと思います。


海外からの患者をサポートする専門窓口の設定や通訳制度など、グローバルに医療を展開しているということを意識させる特徴には事欠きません。また、病院を取り巻くように建っているホテルの多さが、この街が病院を中心として成り立っていることを物語っています。


医療レベルについては、今回の非常に限られた経験から評価することは無理があるとは思いますが、最新の医療を受けることができる病院の一つであることは確かでしょう。


ただ最初は、ひょっとしたら日本の医療に比べてダントツに進んだ医療が実施されているのではないかという期待もあったのですが、ことアレルギーに関してはあまり大きな違いは感じられませんでした。全く想像を絶するお見立ても期待していたのですが、それほどびっくりするようなことはありませんでした。


しかし、その対象となる症状によって同じ印象になるとは限りませんから、もっとUSで研究の進んだ分野においては、この限りではないかも知れません。また日本の方が進んでいる分野もあるでしょう。


担当してくれた医師たちは、紳士的で誇りを持って治療に取り組んでいると感じました。いや、これは日本の医師にも言えることですが。


さて治療費ですが、今回は診察のみで投薬や施術はなかったのですが、複数の診療科を受けたこともあってかなり高いものになりました。日本のように保険が適用された後の金額でないこともあって、なおさら高く見えてしまいます。


今回の一連の診察にかかった費用は以下の通りです。































































Service Description US$
pulmonary diffusing capacity (呼吸器テスト) 185
xray chest pa & lateral (胸部レントゲン撮影) 135
comprehensive hist & phys exam -international
(診察)
285
spirometry fvc exp flows mvv w/dilator(呼吸器テスト) 225
ct maxillofacial scn-w/o contr (CTスキャン) 1040
skin sensitization tst-percut 56 units (皮膚アレルギーテスト) 616
detail exam consult-allergy (診察) 280
detail follow-up report visit – allergy (診察) 165
images copied to cd (CD作成料) 7.50
postage-xray copies spec deliv (郵送料) 13
expanded exam & consult -ent (診察) 215
nasal endoscopy, diagnostic, uni/bilateral (内視鏡検査) 365
detailed hist & phys exam -ent (診察) 190




よく海外で病気になるとべらぼうな金額が請求されると聞きますが、確かに保険なしでの海外渡航には高額医療費のリスクがあることを実感しました。


今回の経験では、特に4人もの医師の診察と、レントゲン、心肺テスト、アレルギー検査、CTスキャンなどの検査を受けることができ、なかなか緊張感のある貴重な経験をすることができました。


やはり海外では日本と勝手が違うため思い通りに行かないことが多いですし、時間や費用の点で無理な場合もあり得るでしょう。海外に出かけるときは、健康に不安のない万全の態勢で臨みたいものです。

667.メイヨークリニック受診日記8: どんでん返し (2008/04/24)

さて、2度目の耳鼻科の予約をもらった水曜日の午後。通訳のMJさんにも来ていただいた。


診察室で待っていると、最初は研修医らしい若い先生が入って来られました。「ドクターが来るまで私が診察します」と言いながら問診をした後、さらに鼻の中にファイバースコープを通して鼻腔内の様子を診察されました。


思えば、これまでも何回も診察をしてもらいましたが、鼻の中を本格的に覗いてもらったのは初めてです。日本の耳鼻科なら、まず間違いなく最初から鼻の中を見るでしょう。テストの結果やCTスキャンの画像しか見なかったこれまでの診察に比べて、かえって新鮮さを感じました。


いったん若い医師が出て、しばらくしてからDr.Friedmannが診察室に入って来られました。40才を少し過ぎたバリバリのやり手と言った感じでしょうか。


手術専門医と聞いていましたから、手術を前提とした話をされるものと思い込んでいたのですが、ここで予想していなかった「どんでん返し」が起こります。


手術をしても再発の可能性が高く、数カ月再発する場合もあるとのこと。


噴霧剤などの薬が、手術をしないと薬が鼻の奥に届かないと言うのはこれまでと同じでしたが、手術をすればそれで完治するというものではなく、手術をしてもしないでも、ずっと何らかの処置を続けなければならないとのこと。


現在の研究では、まだ再発を防ぐ有効な方法は見つかっていないので、手術はそれほど勧めないとおっしゃいます。


US滞在中には無理だとしても、いずれ手術をせねばなるまいと観念していたのですが、スーッと気が抜けたような感じです。


ただ、鼻の洗浄は常にした方が良いと言うことで、塩水で洗浄する器具と、それとは別に鼻の横の鼻腔を洗浄する器具と処方箋をもらいました。


面白いのは、鼻に液状の薬剤を入れる事が、州の法律上許されていないと言うこと。この処方箋による薬は、フロリダの会社しか調整する事ができないらしく、通常はFAXでその会社に処方箋を送り、薬剤を送ってもらうことになるそうです。今回は、送ってもらう時間がないので、日本で調剤できる薬局を探すことにしました。


あと日本での耳鼻科の紹介をお願いしたら、メールを送れば折り返し教えてくれるという事になり、担当のナースのメールアドレスを教えてもらいました。


これで3週間かけて内科、アレルギー科、耳鼻科を巡ったメイヨークリニックの受診体験が終わりました。最後のどんでん返しには驚きましたが、とても良い経験をすることができました。(あとは請求書に驚くだけ!)