いや、「食は広州にあり」の方が一般的でしょうが、あちらは「何でも食す!」というゲテモノ食いのパラダイスという意味であり(本当か?)、「何を食べてもおいしい」を期待するなら台湾でしょう。
とは言うものの、台湾料理の味が合わないと嘆いて帰ってくる日本人がいることも確かなようです。そのような場合は大抵、「もう二度と行きたくない」と思われるそうな。確かに、「食」を除けばそれほど無理に行く必要があるかは疑問です。
言い換えれば、台湾における「食」は非常に重要な要素であるわけで、それがハマってしまうとなかなか魅力的な国に思えてくるわけです。
さて、今回の旅行には同じ運命の3人の日本人がいます。皆さん台湾の味にはハマったくちのようで、逆にまずいものに出くわすことが難しいと言い切ります。
ですから、客先で昼と夜に届けられるお弁当のメニューに変わったものがあると取り合いになります。色や形がグロテスクであったり、いったい材料が何であるかが分からないものに、異常に挑戦心が湧いてくるのです。
しかしほとんどの場合は、期待を裏切っておいしいという結果であり、外れた場合でも「日本並み」という評価になります。
弁当のお値段はというと、概ね40NT$と言いますから140円ぐらいですか。この値段でこの弁当が食べられれば、わざわざ高い有名レストランに行かなくても、十分に食の欲求を満たすことができます。
土・日を含めて、大概は夜10時過ぎまで仕事をしていましたから、用意してくれたお弁当をいただいていたのです。しかし、幸か不幸かたまには早く帰れてしまうことがありまして、そのような時はまず自分でレストランを探す必要が出てくるわけです。
そういうこともあろうかと、台湾に5年住んでいた友人からとっておきのレストラン情報を聞いておいたのです。(急に決まった出張の割には段取りが良い?)
地元のエンジニアもこぞって「一度は是非食べて帰れ」とお墨付きのレストラン「鼎泰豊」。世界10大レストランに数えられるとあらば無視する訳にも参りません。
本店がある永康街まで、MRTの古亭駅から歩いてみます。何せJCBでもらったピラピラの地図が頼りですから、思った通りに(地図の通りに)は参りません。正しそうに見える地図の行間を(?)読みながら店に辿りついたら、ツアー客で店の前は人だかりができています。
仕方がないので、すぐ近くにある地元の人に人気との永康街「高紀」に行ってみますと、空いていてすぐにテーブルに通されます。実はこれが台湾での初めてのレストランですから、緊張しますね。
その緊張した理由は、何を隠そう遥か昔に行った中国でのレストランでの恐ろしい思いでがあるからなのですが、さすがに台湾ではちゃんと客として扱ってくれます。(当たり前か?) 友人に勧められた小龍包やエビ餃子、スープをいただき満腹です。
店を出て、先ほどの「鼎泰豊」に行くと店先の雑踏がなくなっていたので、今がチャンスとばかり小龍包のハシゴ決めて店に入ろうとすると、営業は夜の9時までとのこと。
仕方がないのでまたの機会にすることにして、もう1軒地元でお勧めという「奇福扁食」というワンタンの店を探してみました。永康街の道路を隔てたすぐ近くにあるのですが、ここは観光客は来ないだろうと思われる暗い通りにありましたが、シャッターが下ろされていて閉店後なのか店がなくなっているのかよく判りません。
結局後日、「鼎泰豊」と「奇福」には再度トライして訪れたのですが、さすがに「鼎泰豊」は逸品でまた食べたくなるおいしさです。ただ、冷えてしまうとややつまらない味になってしまうのは、残念というより不思議です。
「奇福」のワンタンは、うす味のスープがあっさりしていておいしいです。味にインパクトがないと言えなくもありませんが、「鼎泰豊」で食べた後に行ったのであっさり味がちょうど良かったようです。
帰りは「中正記念堂」まで歩いて行き、夜中ではありましたがその大理石の壮大な壁に圧倒されました。長い階段ではアベックやグループが語らい合っていて、夜中の散歩には絶好です。
さて、「高紀」も「鼎泰豊」も小龍包のお値段は170NT$(約600円)。地元の台湾人に言わせると普通に食べるレストランの3倍はするので、そう気安く行けるところではないとのこと。
海外ではやたら酸っぱかったり、匂いがきつすぎて食べられないものに出くわすことが多いのですが、台湾料理は少し甘めが基本のようです。ですから台湾料理が合う人は、基本的に甘めの味付けが好きな人なのかも知れません。
さて、毎晩帰るのが遅いと言えども、それより遅くまでやっているのが台北夜市。今回も2つほど訪れてみました。