304.ラスベガス入門1: 序章 (2004/01/21)

さて、先週コンシューマーエレクトロニクスショーが閉幕したラスベガスでは、今週から国際建築見本市が開幕しているそうです。会期中の4日間で100カ国から90,000人以上の参加者を見込んでいるそうです。


このようにオフシーズンであるラスベガスでは、ホテルの客室の稼働率を上げるために、国際的な見本市を数多く開催しています。


ラスベガスのホテルといえばその規模の大きさは群を抜いており、一時は世界の10大ホテル中8つまでがラスベガスにあったほどです。5,000室を超える客室数を誇るホテルでは、ロビーの中で迷子になるのはさほど難しいことではありません。


日本の国内では1000室を超えると大ホテルと言えますし、ハワイのワイキキに並ぶホテルも2000室クラスが最大のものでしょう。5000室クラスのホテルは、そうどこにでもあるものではありません。


10年ほど前には、子どもを連れた家族にもラスベガスに来てもらおうと、ジェットコースターなどを完備したアミューズメントパークを併設するホテルが現れました。子どもをアミューズメントパークで遊ばせている間に、お父さんにはカジノに没頭してもらおうという訳です。


しかしながら、結局子どもを連れた家族はカジノで散財するほどの経済的余裕がないと言うことが判り、最近ではそれらのアミューズメントパークの規模を縮小したり、閉鎖したりするところが相次いでいます。


またラスベガスのホテル自体も、すべてが健全な経営を営んでいるとは言えないようです。単独で経営されているホテルは今では珍しい存在になって来ています。またいくつかのグループに系列化されたり、突如閉鎖されたりするホテルが相次いでいます。今週もダウンタウン地区にあるホースシューという老舗ホテルが閉鎖されたそうです。


このように変化の激しいラスベガスであるからこそ常に革新的であり続けることができ、世界中から観光客を引き付けるのかもしれません。


ラスベガスのあるネバダ州では、空港の待合室ガソリンスタンド、あるいはKマートのレジの横にもスロットマシンが並んでおり、どこに行ってもギャンブルだらけという感じがします。でも日本にも繁華街に行けばどこにでもパチンコ屋がありますから、国中ギャンブルだらけだと言うことが出来るかもしれません。


ラスベガスでは、セリーヌ・ディオンなど世界一流のショーを見ることができます。マジックショートップレスショーなどもあります。(ただこれらの定期的に公演されているショーは、コンベンションの時は休演していることが多いようです。)


また、最近充実してきているアウトレットショップなどのショッピングエリアでは、ブランド品から日用品まであらゆる種類の買い物を楽しむことができます。


いろいろな楽しみ方の出来るラスベガスですが、しかしなんといってもラスベガスを特筆すべきものにしているのはカジノでしょう。ほとんどのホテルではカジノにホテルの一番良い場所を割いており、入り口からカジノエリアを通らない限り、客室やフロントに行けないような設計になっています。


ただカジノといっても、テーブルゲームのたぐいはなかなかなじみがないせいか、実際プレイしている日本の観光客はそれほど多くないようです。それぞれのギャンブルにはルールがあり、それを知らないでやるととんでもない痛い目にあうことがあるそうです。スロットマシンばかりではなく、本格的なテーブルゲームを楽しんでみたいものです。


最近東京でもカジノを建設するという話しがありますし、世界の大都市でカジノの施設を持っているところも多くなりました。カジノのゲームについて基本的な知識を持っていれば、役に立つことがあるかもしれません。


そこでそれらのテーブルゲームの中でポピュラーと思われるものをいくつか取り上げ、基本的なところを勉強してみたいと思います。皆さんも真剣にならずにお気軽にどうぞ!

303."CES 2004"に見るデジタル家電 (2004/01/14)

ラスベガスで開催されていたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES
2004)
が、出展数・入場者数共に過去最高を記録して閉幕したそうです。米国のデジタル家電市場の好況を反映して、活気に溢れたものだったそうです。


デジタル家電は家電メーカーだけにとどまらず、いわゆるIT企業がこぞって参入し覇権を握ろうと狙っていますから、このような催しにおいて注目を集める製品を発表することは重要な意味を持つのでしょう。


AV関連の製品は、デジタルテレビを始めとして音楽ゲーム関連の製品が並んだようです。これらはそもそも何らかの情報を主に扱うため、デジタル化が容易ですから今後もデジタル家電の中心的存在になるのは間違いないでしょう。


CESの会場に未来の家"Next Gen04 Demonstration Home"がデーンと建てられていたそうですが、ネットワーク端末のアダプターが完備しており、将来のデジタル家電に家ごと対応できるようになっているそうです。


ただ面白いのは、そのデモンストレーションホームで注目を集めていたのが、デジタルとはあまり関係のないTOTOのウォシュレットだったそうで、米国ではまだ珍しいと見えて興味を示す人が多かったそうです。


さて変わり種と言えば、TMIOでしょう。"Tonight’s Menu Intelligent Ovens"とそのままのネーミングですが、今晩のおかずを賢く調理すると言ったところでしょうか。


TMIOのサイトに行くと、「"Jetsons"のように誰でも料理できる」と紹介されています。"Jetsons"とは30年ぐらい前にテレビで放映されていた米国アニメです。未来の自家用機で空中都市の空間を飛び交い、楽しく明るい未来を描いた番組でしたが、その中に自動調理器が出てきます。


TMIOのオーブンは普通のオーブンの機能に加えて、インターネットから操作することが出来ることと、調理するまでは冷蔵することが出来る点が異なっています。自宅に帰る時間にあわせて、外出先からインターネット携帯電話で調理の時間を指定することが出来るそうです。


料理の材料は事前に用意しておかなければなりませんから、メニューを急に変えることは出来ませんが、家に帰ったときにアツアツの食事が出来ていることに意味がある人には良いかもしれません。


ただ、オーブンで何時間も調理するような料理なら便利かもしれませんが、数分で出来てしまう料理なら、家に帰ってからスイッチを入れても遅くないように思ったりしますし、冷蔵庫からその時に出せば良いので冷蔵機能も必要かどうか疑問が出てきます。


しかし特殊な用途、例えば介護が必要な人に温かい食事を届ける代わりになるとすれば、それはすばらしいことです。またこの製品が、将来は自動調理器に少しずつ近づいて行くのではないかと言う期待も出来ます。


Jetsonsの自動調理器は、食品の材料は粉末のような物を入れるだけであらゆる料理が作れました。でんぷんやタンパク質の粉末とサラダオイルを入れて、調味料の素をカートリッジで装填すれば、ハンバーグでもおでんでも、何でも出来る調理器があれば料理の革命です。キッチンはもはや家には必要なくなります。


最近、狂牛病鳥インフルエンザのニュースが相次いでいますが、そのうち地球上の全ての食材が汚染されてしまい、化学的に合成されたタンパク質を使って自動調理器で食事を作るのが、当たり前になってしまうかもしれません。


TMIOのオーブンがこれからどのように発展して行くのでしょうか?デジタル家電の究極の姿がそこにあるような気がします。

293.クリスマスプレゼントと返品 (2003/12/25)

さて、日本でもクリスマスプレゼントで右往左往している訳ですが、当然USなどでもプレゼント選びには大変な労力を要しているようです。


USでは子供や若い人ばかりでなく、全ての家族がお互いに複数個のプレゼントをやり取りしますから、その数も相当なものになります。


ウォールマートのような大規模店では、サンクスギビングが終わると同時にクリスマス商戦がスタートします。夫向けには趣味の大工道具を、妻向けには趣味のケーキ作り機を贈ったりすることが多いようです。


勿論、人それぞれで欲しいものが違うでしょうから、日本と同じようにきれいな洋服やバッグがプレゼントとして選ばれる事もあるでしょう。しかし、日本に比べると装飾品より実質的な物で、普段買えない贅沢な物を贈る事が多いような気がします。


当然、趣味性があって普段から欲しいと思っていた物にはこだわりがありますから、家族が選んだ物が本人の希望していた物と違っている場合があります。そこで返品が必要になってきます。


返品自体は普段から珍しいことではありませんから、たとえ家族からもらったプレゼントであっても気兼ね無しに返品をします。贈った方もわきまえていますから、返品されても不満はないようです。


それなら最初から欲しい物を聞いてから買えば良いのにと思いますが、それではクリスマスの日に驚かすことが出来ません。"Surprise"もプレゼントのうちと言うことなのでしょう。


結局クリスマスの翌日から、店には返品の為の長蛇の列が出来ることになります。たいてい店の方でも、返品の為のレジを特別に設けていることが多いようです。


そこで"Refund"か"Change"をしてもらい、晴れて本当に欲しかった物を手に入れることが出来るのです。何か面倒くさいことをしているなと思いますが、その過程をまた楽しんでいるのでしょう。


クリスマス・バーゲンがクリスマス直後から始まりますが、クリスマス用品の売れ残りなどが破格の値段で売りに出され、また新たな買い物に走り回るのです。(アメリカ人て本当に買い物が好きですね、日本人もだけど。)

290.真冬の怪奇話し (2003/12/22)

パルマガで機長さんが、CNNに掲載されている怪奇話しを紹介されておられます。日本ではこの手の話しは夏場に限るようですが、欧米ではハロウィーンの季節に多くなりますし、ゾクッとするには冬場も相応しいかもしれません。


ロンドン郊外にあるハンプトン・コート宮殿の監視カメラに写った姿に、いろいろな憶測が飛んでいるそうです。ロンドンと言えばロンドン塔がこの手の名所として有名ですが、古い建物が多い都市ではどこの国に行っても同様の話しが数多く伝えられてます。


本来この方面への感性が鈍い性質なのですが、このロンドンのニュースを見て、私の不思議な体験について書いてみようと思いました。


2002年6月に、フランスのロアール地方の古城巡りをしました。いくつかのお城を回った中に、シュノンソー城がありました。歴代の城主が女性であったと言うことで、その女性的な美しさが魅力の古城として有名です。


6人の女性城主がそれぞれ寝室に使っていた部屋が公開されています。それぞれに趣味が異なり、きれいな庭園と合わせて見比べることができるので人気があります。


この地方にある由緒ある歴史的な建物は、そのほとんどが第一次大戦中病院として使われていたそうで、当時のベッドが並んだ病室の写真が展示されており、その優美な外観とは異なった暗い過去も歴史に刻んでいるようです。


建物の3階は長い間荒れたままになっていたそうで、最近になって過去の資料を基に内装を再現して公開したそうです。3階には国王が暗殺された後ずっと喪に服していたと言う、ルイーズ・ド・ロレーヌの居室がありました。


3階にあるその部屋は、喪に服したと言うとおり壁をすべて黒く塗りつぶしてあります。黒といっても不思議な黒で、薄い墨を使ったような少し青みがかかった色をしていました。


部屋に入ってから30秒ぐらい、小学校の教室ぐらいの大きさの部屋の真ん中から全体を見回していました。しかし、だんだんと重くなってきて心臓バクバクしてきました。何かに押さえつけられているようで、このままでは呼吸もできなくなる予感がして、部屋から急いで出て、2階への階段を下りました。その階段の途中から楽になり、2階に着いたときには既に元に戻っていました。


いったい何があったのか今も分かりません。ひょっとして、暗殺された国王が私の前世の姿なのかもしれません。いや、暗殺の犯人の方が可能性が高そうです。


今も財布の中にはお守りとして、そのシュノンソー城で手に入れた記念メダルが鈍い光を放っています。

281.空港でフィルムのX線カブリを防ぐには (2003/12/15)

最近はデジタルカメラの普及であまり気にしないでよくなってきましたが、フィルムを使って撮影される方は、空港のX線検査で露光してしまうことが心配です。


従来の装置では低照度のX線によって検査を行っており、疑わしい場合は人手による検査をしていましたから、X線カブリが発生することは何回もX線検査を行わない限りありませんでした。


よく「ASA1000までのフィルムの場合は露光することはありません」、と書かれた検査装置がありますが、これは以前から使われている古いタイプのものです。


しかし、コダックが提供している情報によると、最近空港で採用されているX線検査装置は、怪しい物体が検出されるやいなや、強力なX線を自動的に発生させ、追加スキャンの機能によって徹底的に検査をするそうです。


特に、フィルム乳剤中のハロゲン化銀フィルムの金属容器(パトローネ)は、追加のX線スキャンを起動してしまうのに十分怪しい影を映してしまうそうです。


以前は預託荷物(Checked Baggage)の検査にのみ使われていたそうですが、最近は機内持ち込み手荷物の検査にも使用されているので注意が必要だとしています。この最新のX線検査装置の名前は、インビジョン テクノロジーズ社CTX-5000と言う装置で、手荷物検査エリアに、"InVision"のマークが付いていないか確認する必要があると注意を促しています。


さて対策としては、未現像のフィルム必ず係官に申請して、人手によるマニュアルチェック、あるいは物理検査(Physical
Check)
を要求することです。
FAA(米国連邦航空局)の規定 「FAA規則108.17(第108部–航空機運用者の安全性)(e)」 の中に、旅客の権利についての記述があるそうですが、要約すると以下の2点になります。



  1. 機内持ち込み荷物や預託荷物が、X線によって検査されることを旅客に知らせる必要があり、また旅客にカメラやフィルムの検査が、X線検査システムを通さずに行えることをアドバイスする必要がある。
  2. 旅客が要求した場合、カメラやフィルムはX線検査システムを通すことなく検査されなければならない。

この装置にかかると、未現像フィルムはASA100程度でも1回でX線カブリを起こす事があるそうですから、必ず申請してマニュアル検査をしてもらうようにしなければなりません。


最新の装置では液体の場合、可燃性の危険な物かどうかまで判断できるそうです。燃料用のアルコールとテキーラをどのように区別するのか興味がありますが、そのノウハウは機密事項なのでしょう。


このFAAの規定は、米国内の航空旅客にのみ適応されますので、日本国内はこの限りではないようです。先月関空の手荷物検査所場では、ASA1000以下なら露光しないと言っていましたから、まだこの最新機種は採用されていないようです。


ただ何回もX線検査をする場合は、もっと低い感度でもカブリを起こす危険性がありますから、できる限りX線検査を通さないように心がける事が必要だと思います。