ここで言っているのは、携帯電話がパームっぽくなってきていると言う意味です。
先日、携帯電話の新機種の広告を見ていると、2つほど気になる新機能がありました。
一つ目は、携帯電話の液晶が鏡になるもの。パーム・ウェアではジョーク系ソフトとして定番ですが、携帯電話でも採用されました。コンタクトレンズ着用者には便利であると説明されています。もうひとつはサーチライト。夜、家に帰って鍵穴を探すのに便利であるとの事。
これらの物を常に携帯している人にとっては、携帯電話さえ持っていればいいのですから便利です。必要のない人は別に使わなくても邪魔にはなりません。
私は、携帯電話会社がこの新機能を、単なる付け足しのジョーク機能として追加したとは思えません。これは、携帯電話からのパームに対する挑戦ではないかと。つまり、パームにできることは携帯電話ならなんでもできるよ、と言うことではないかと思ったりします。ジョーク系ソフトでも、1つ1つ取り込まれてしまえば、パーム・ウェアの活躍する範囲が狭められてくるのです。
この新しい携帯電話を持った人が、懐中電灯を同時に持って出かけるでしょうか?もっと大きい手鏡でなければだめだと思うでしょうか?このようにして、携帯電話は、懐中電灯と鏡を取り込み、より一層手放せない存在になるのです。この上PIM機能を拡張して行けばパームが築いた市場を徐々に取り込んで行くかもしれません。そろそろ反撃をしなければ、パームの世界が縮小してしまいそうです。
ゲーム機の市場も、携帯機に関しては油断はできません。ソフトのダウンロードはお手の物ですから、安くいろいろなゲームをリアルタイムに提供することは簡単です。
と、ここまでは実は前置きで、携帯電話に反撃をする久しぶりのパーム販促作戦に行ってみたいと思います。
17.携帯電話が開発プラットホームを考える時 (2003/02/14)
さて携帯電話も、機能が豊富になってきて、カメラ機能や通信機能、PIM機能など、電話以外のソフトウェア開発にコストがかかってくるようになってきているようです。
そろそろ、共通化された開発プラットホームが必要になってくるでしょう。そして、電話の基本機能以外の機能を実現するソフトウェアは、OEM調達する事も考えられます。特徴あるベンチャー企業のPIMが採用されたりする事もあるかもしれません。
そこで、共通の開発環境となれば、そのOSの選択が重要になります。パームを始め、WindowsCEと今後注目されるLinuxの3つで考えたとき、どのOSが採用されるでしょう?
実は、ここに私の今一番の心配事があるのです。つまり、携帯電話会社は、開発のコストを削減する目的で採用するわけですから、汎用性があり、長期的にサポートが期待でき、安全であるOSを選択するでしょう。OSのサイズ的には、今PDAで使われているOSが適していると思われ、先ほどの3つの戦いになるに違いないでしょう。
WindowsCEは、なんと言ってもマイクロソフト派には絶対の信頼がありそうで、何も考えなければ一番リスクが少ないように思います。Linuxは、PDAとしては実績がないですが、適応範囲の広いOSであり、汎用性やオープン性でなかなか強くなりそうです。
一方、パームOSですが、PDA分野での実績や豊富なパームウェアなど、携帯電話に組み込めるソフトウェアが多いことなど、十分に対抗できると思います。
携帯電話会社の社長さんが、開発プラットホームを選択しなければならないとしたら、パームを知っているかどうかです。WindowsCEをもし知らなくてもマイクロソフトは知っているでしょうし、Linuxを知らないと言えば恥をかきます。
もし社長さんが、3つのOSの中から1つを選ばなければならないとしたら、パソコンを使ったことがあったらWindowsCE、コンピューターのことを知っていればLinux、パームの愛用者ならパームを選ぶでしょう。うーん、パームを選択する可能性は低そうですね。
これら2つのOSに較べて、パームOSは少しマニアックというか、知らなくても許されると言うか、携帯電話会社の重役会議で”パームOSが絶対に良い!”と言う取締役は、少数派(あるいは変わり者)でしょう。しかし、ここでパームが優位に立たなければ、携帯電話のプラットホームになることはできません。
私は、これから始まるLinuxとの競争がパームOSの今後を決定づける事になると予想しています。まだLinux for PDAに大きな動きがないですが、1年後ぐらいにはパームOSの新たな競争相手になっていると予想しています。
16.PDA第3次普及期はいつ来るか? (2003/02/13)
巷では、パソコンショップのPDA売り場が縮小されつつあるらしく、確かに私の近所でも店に行くたびに、なんとなく売り場が寂れてきているような気がします。
ソニー以外は、製品の数が少なくなってきていますし、並べる製品の数が少なくなれば、展示スペースを小さくするしかありません。
そもそも、本当に必要で買いそうな人は一通り買ってしまったので、新規需要を掘り起こすか、買い換え需要を期待するかしかないのですが、新製品がいまいちアピールできていないのか、新しい購買層が誕生してように思います。ここらで、一発インパクトのある新製品でも投入しないと、せっかく築いてきたPDAという存在自体が、大衆から忘れられてしまいます!!
第1次普及期が電子手帳と呼ばれたザウルスの黎明期、第2次普及期はPDAと呼ばれたパーム&WinCEの黎明期とすれば、第3時普及期はいつ、どんな形でやってくるのでしょうか?
近い将来、OSとしてはLinuxが登場し、シャープが盟主として第3勢力を形成してIBMが新しいWorkPadを引っさげて再度登場、パーム陣営とWindowsCE陣営と、三つ巴の戦いをするぐらいでなければ、世間の注目を集めることはできません。パームを含めたPDAの発展もあり得ないでしょう。
今までにない新規機能としては、電子財布、電子ID(電子鍵)ぐらいはネットワーク接続と共に包括されていて欲しいです。そのためには、頑丈なセキュリティ機能を、OSとして供給できるかどうかが鍵となります。
IBMがLinuxを採用して再度登場となれば、全く新しい展開が繰り広げられる可能性もあります。IBMはパームを採用したWorkPadである程度経験をし、PCの付属品という位置づけで失敗をしています。次にこの分野に殴り込むときは、失敗をまたする訳にはいきません。
問題は携帯電話ですが、日本に於いては携帯電話のシェアがそのままPDAのシェアになってしまうかもしれません。たとえば、3つの携帯電話会社が、それぞれパーム、CE、LinuxとOSで組むと、それぞれの携帯電話のシェアが、そのままPDAのシェアになってしまうと言うことです。PIM機能がどうのこうのと言っても、携帯電話の使い勝手を差し置いては考えられません。
こう考えていくと、第3世代のPDAこそ、携帯電話を巻き込んだ勢力争いになるでしょう。携帯電話が標準のプラットホームを目指す時、PDAの真価が問われる事となるでしょう。
15.ツインCPUマシン (2003/02/11)
パームOS5が出てきたことによって、CPUのクロックも高速になり、アップリケーションも格段にCPUパワーを食うものが可能になってきました。画像や音楽と言った大きなデータを扱うことができるようになりました。
以前、パソコンのCPUがある程度速くなった時に、マルチメディア・パソコンが出現したのと同じ現象です。大量処理ができるようになったため、新しい使い方を提案すると、必然的に画像や音楽になって行くのでしょう。
ただ、パソコンに関しては、写真画像や動画を再生したり保存することをメインにしている人は、最新のCPUや大容量記録メディアを使用するのですが、相変わらずテキストベースのデータしか扱わない人も多くいるわけで、そのような人は、比較的低速のCPUで、しかもほどほどのディスク容量でも十分なわけです。
ですから、最近は中古パソコンのリメークサービスが始まったりしていて、低価格、低スペックの機種への需要を満たすようになっています。もちろん新製品として発表される物には、最新のCPUと大量のメモリーと記憶装置は欠かせないのですが、ある程度固まったスペックの製品も、派手さはないにしても、それなりの市場を形成しつつあるように思います。
パームの場合も、パームOS5とARMでなければできない機能もありますが、それらが必要のない機能もあるわけで、1台のパームの中に全てを網羅しようとすると、無理や無駄が出てきます。
ツインCPUマシンというのは、低速CPUと高速CPUをひとつの筐体に入れると言うのでもいいのですが、それなら、高速CPUのクロックを10Mhzぐらいから250Mhzぐらいまで可変にするのとあまり代わりません。
いっその事、追加でアクセラレータCPUを搭載でき、基本CPUは、PIM機能とアクセラレータの制御に使うようなアーキテクチュアーにできないものでしょうか?
何が狙いかと言うと、このままではマルチメディア系対応マシンと、テキスト系対応マシンの性能が乖離して行くので、ひとつのパームOSで対応できるように、しておきたいと言うことです。こうすることによって、携帯電話のOSとして利用する場合でも、より柔軟性を持たせることができます。
もちろんパームOS4.1のメインテナンスがずっと続けられるのなら、それも良いと思いますが、だんだんとWindowsCEに近づいていくパームOSを見ていると、CEと全く違ったアーキテクチュアーを採用する方が継続的な発展につながると思うのですがいかがでしょうか?
12.パーム歴 (2003/02/08)
私のこれまでのパーム歴を紹介したいと思います。
初めて手に入れたパームは、WorkPad30Jでした。デザインがいかにも古くて、かっこいいとはお世辞にもいえませんが、使われているプラスティックが丈夫で傷が付かないのが良い点でした。
2年ぐらい使っていたのですが、机から落としたときに液晶が割れたため、しばらくパームのない生活をしておりました。
3ヶ月ぐらいたち、やはりパームがなければ不便になり、いろいろ検討し、当時特売中だったバイザープラチナを買いました。クロックが倍になったので、速いかと思ったのですが、液晶の反応がいまいちであったためか、あまり速さを体感できませんでした。それより、液晶画面の緻密さに欠けているのが、気になりました。
そうこうしているうちに、パームm100の特売が始まり、4900円の値につられて買い、今メインに使っております。最初のうちは、仕事用にm100、プライベート用にプラチナを使っていたのですが、それぞれを分けるのが面倒になり、m100にデータをまとめ、プラチナは予備機になっています。
m100は、液晶の表示はきれいなのですが、少し画面が小さいのが難点でしょうか。しかし、プラスティックで液晶画面がソフトなため、スタイラスがスムーズに使え、安いことから気軽に使えるのが気に入っています。