さて携帯電話も、機能が豊富になってきて、カメラ機能や通信機能、PIM機能など、電話以外のソフトウェア開発にコストがかかってくるようになってきているようです。
そろそろ、共通化された開発プラットホームが必要になってくるでしょう。そして、電話の基本機能以外の機能を実現するソフトウェアは、OEM調達する事も考えられます。特徴あるベンチャー企業のPIMが採用されたりする事もあるかもしれません。
そこで、共通の開発環境となれば、そのOSの選択が重要になります。パームを始め、WindowsCEと今後注目されるLinuxの3つで考えたとき、どのOSが採用されるでしょう?
実は、ここに私の今一番の心配事があるのです。つまり、携帯電話会社は、開発のコストを削減する目的で採用するわけですから、汎用性があり、長期的にサポートが期待でき、安全であるOSを選択するでしょう。OSのサイズ的には、今PDAで使われているOSが適していると思われ、先ほどの3つの戦いになるに違いないでしょう。
WindowsCEは、なんと言ってもマイクロソフト派には絶対の信頼がありそうで、何も考えなければ一番リスクが少ないように思います。Linuxは、PDAとしては実績がないですが、適応範囲の広いOSであり、汎用性やオープン性でなかなか強くなりそうです。
一方、パームOSですが、PDA分野での実績や豊富なパームウェアなど、携帯電話に組み込めるソフトウェアが多いことなど、十分に対抗できると思います。
携帯電話会社の社長さんが、開発プラットホームを選択しなければならないとしたら、パームを知っているかどうかです。WindowsCEをもし知らなくてもマイクロソフトは知っているでしょうし、Linuxを知らないと言えば恥をかきます。
もし社長さんが、3つのOSの中から1つを選ばなければならないとしたら、パソコンを使ったことがあったらWindowsCE、コンピューターのことを知っていればLinux、パームの愛用者ならパームを選ぶでしょう。うーん、パームを選択する可能性は低そうですね。
これら2つのOSに較べて、パームOSは少しマニアックというか、知らなくても許されると言うか、携帯電話会社の重役会議で”パームOSが絶対に良い!”と言う取締役は、少数派(あるいは変わり者)でしょう。しかし、ここでパームが優位に立たなければ、携帯電話のプラットホームになることはできません。
私は、これから始まるLinuxとの競争がパームOSの今後を決定づける事になると予想しています。まだLinux for PDAに大きな動きがないですが、1年後ぐらいにはパームOSの新たな競争相手になっていると予想しています。