340.パーム普及作戦小学生編1: 予告 (2004/05/09)

パームの普及は、私達の永遠のテーマです。これまでにも、多くのパーム伝道師の方々がパームの普及活動を続けて来られました。それらの活動のおかげで、多くの新しいパームユーザーが仲間に加わりました。しかし、世の中の様々な分野でパームが受け入れられるようになるには、さらに普及活動を広げていかなければなりません。


一般的に製品が普及する時、次のような過程をたどると考えることができます。まず製品が発表され、世間にその存在価値を問う誕生の後、徐徐に広がりを見せ一部の人たちに認知される黎明期。さらに機能を追加しながら新たなユーザーを開拓していく発展期。そして充実した機能によって多くのユーザーに支えられる成熟期と続きます。


やがて一つの時代が過ぎると、全く別の新しいテクノロジーが現れ、ユーザーが減少に転じる衰退期。そして最後に製品の終焉を迎えます。


今パームはどの段階にいるのでしょうか?発展期であるとも言えますが、ユーザーの広がり方を見ると、いまだに黎明期にいるのかもしれません。あらゆる分野の人がパーム、あるいはPDAを認知していると言えるでしょうか?


携帯電話のように一気に普及の段階を終え、成熟期を迎えているものもありますが、一方でPHSのように、一時は将来が危ぶまれていましたが、独自機能の開発によって新たなユーザーの開拓に活路を見出しているものもあります。


パームもまだまだ新しいユーザーを開拓することができるのではないでしょうか?そして、真の意味において黎明期から発展期に導くことができるのではないでしょうか?


ソニーが、"My First SONY"の一連の製品群を発表したのは1987年のことでした。小さい時からソニー製品に親しんでもらうために設計された製品は、最初海外でのみ展開していましたが、その後国内でも販売されました。このシリーズが、その後のソニーの製品戦略に及ぼした影響がどれほど大きいものだったかは分かりませんが、一定の成果があったと思われます。


328.Palm Day Osakaに学ぶことの雑記で書いたように、本当の意味での小学生パームユーザーを開拓することができれば、彼らは将来に渡って継続的にパームを使い続けるユーザーに成り得るのではないでしょうか?


今回は特集として、如何にして小学生ユーザーを開拓していくべきかを、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

339.GW明けのまどろみ (2004/05/07)

あまりゴールデンウィークに頻繁に更新をしていると、如何にもどこにも行くところがなくて暇にしていると思われるのがイヤで、更新をサボっておりました。そのままサボり癖が付いてしまいました。皆様ゴールデンウィーク明けの週、いかがお過ごしでしょうか?(と、間の抜けたご挨拶をしてみました。)


パーム系サイトでは、たかゆきえさんが復活されたと言う明るいニュースがありましたが、ふふふ総帥vega21.comではMovableTypeへの移行を伴うリニューアルが行われていますし、ちんさんパームボンチでも「大家文庫」がますます充実といった具合に、春のリニューアルが一つのブームになろうとしています。


ところで当サイトでは、リニューアルをするだけのパワーがないものですから、せめてパームぐらいは少しでもいじっておこうと、電池を抜いたままになっているバイザープラチナを取り出して、動作の確認をしてみたり、USBでHotSyncしてみたりしておりました。


以前はノートブックパソコンがメインでしたので、赤外線だけでHotSyncをしていたものですから、さぞかしUSBだと速かろうと思って試してみたのですが、さほど速い訳でもありませんね。やはり、USBでも2.0にならなければ速さを実感する程ではないのでしょう。


プラチナもしばらく使っていた記憶があるのですが、その割には傷一つなく思ったよりきれいだったので、コレクターアイテムとしてしばらく保存しておくことにしました。


では、現用機のm100の方はどうなっているかというと、毎日携帯はしているものの、2MBの内1.3MBがATOCで食いつぶされているいるため、Pileweb巡回のDOCさえ十分にはインストールすることができない有様です。


メインアプリケーションである予定表も、毎日日記のように記録を増やし続けていますので、300KB程のサイズになっています。結局2MBに対して残り100KBぐらいしか空きがないところに、DOCを毎日辛うじて放り込んでいるのは、あまりにも前時代的であります。


バックアップだハードリセットだとしている内に、ATOCのデータが壊れてしまったので、ATOCを久しぶりに削除してみることにしました。1.3MBのスペースと言えば、今では微々たるものに思えますが、テキストベースのDOCを読ませると、日常の通勤時の暇つぶしには十分すぎるほどです。


まあ、パーム愛好者でいまだにm100をメインマシンとして使っているのも滑稽ですが、実際音楽や画像を持ち歩かなければ、紙の手帳代わりにはこれ以上のスペックは要らないのです。


パームをはじめとするPDAも、どんどんと高機能になっていきますから、そのうち画期的な新製品が登場するまでは、しばらくドラゴンボールを愛用しようと思っております。もう少しで「わび」の世界に入りそうです。

338.逆さモン・サン・ミッシェル(続き) (2004/04/29)

332.逆さモン・サン・ミッシェルの雑記で、旅行雑誌「ABROAD」の5月号の表紙写真の、モン・サン・ミッシェルが左右逆だと書きましたが、出版社になぜ逆になったかを問い合わせたところ、ご丁寧なご返事をいただくことができました。


この写真は、PPS通信社と言う写真著作権のライセンス業務を行っている会社から提供されたものらしいのですが、レンタルされた時点で既に逆版マウントされていたそうです。


つまり、出版社の作業過程において、間違ったのではないと言うことです。勿論、これ程有名な風景ですから、誰かが印刷に回るまでに気付けば良かったのでしょうが、比較的左右対称に近い風景写真ですから、指摘される事無しに出版に至ったのでしょう。


印刷の写真原稿として、リバーサルフィルム、つまりスライドが使われることが多いのですが、確かにその裏表を判断することは難しいことです。


特に今回の場合、レンタルされたフィルム自体が逆にコピーされたものの場合、フィルムの乳剤面を判断しただけでは、正しく再現できません。あくまで、写真を見た上での判断が必要になります。


ところで、昔聞いた話では、印刷会社の人が印刷原稿の間違いに気付くことがあり、その時点で校正されることもしばしばあるそうです。


ラジオ講座のテキストで、英単語のスペルの誤ったものを選択肢から選ぶ問題があったのですが、印刷会社の人がスペルの誤りに気付き、気を利かして正しいスペルに直したため、選択肢の全てが正しくなってしまったと言う話しを聞いたことがあります。


雑誌の編集作業には、多くの人が雑誌のレイアウトや写真、文章の全てに細心の注意を払い、校正を繰り返します。それでもなお、全ての誤りを取りきれないこともあるのです。


自分のサイトも、読み返すと誤った字や表現をよく発見しますので、完璧な校正の難しさはよく分かります。雑誌の仕事の大変さを垣間見たような気がしました。

337.秒速30万キロメートル4: それでも地球は回っている (2004/04/28)

確かに今、多くの小学生が天動説、すなわち地球の周りを太陽が回っていると信じていたら、自然科学の教育は一体どうなっているのだと思ってしまいます。「嘆かわしいことだ、そんな簡単なことさえ解っていないとは!」


しかし、大人にしても地動説がなぜ正しいかを正しく説明できる人は、少ないのではないでしょうか?ただ単に、事実であるように教わってきただけで、実験で確かめたわけでもありませんし、ロケットに乗って見てきたわけでもありません。


昔の人が長い間信じてきたのと同じように、現代の私達も、ただ目の前にある空を見ているだけでは、天動説が正しいのか地動説が正しいのか、よく分からないのではないでしょうか?


例えば小学生に、なぜ地球が太陽の周りを回っているのか説明して欲しいと言われて、すぐに答えが思いつく人がどのぐらいいるでしょうか?


そもそも、地動説コペルニクスによって唱えられたのは、16世紀になってからでした。それまでにも、航海で進路を決めるために不可欠の天文観測が発達していましたが、体系的に地動説を唱えるまでには至らなかったのです。


ガリレオの登場する17世紀には、天体望遠鏡が発明され、さらに詳しい天体の観測が行われるようになりました。しかし、太陽が中心になってその回りを地球などの惑星が廻っていると言うことを世間が認めるのには、さらに長い年月がかかったのです。


「それでも地球は動いている」、の言葉で有名なガリレオは、ピサの大聖堂の灯籠の揺れ方から振り子の等時性を発見しますが、同じ振り子を使って地球の自転を物理的に証明したのは、1851年フーコーによって行われた実験によるものとされています。


ところで、もし全ての天体が地球を中心にして、地球との引力によって引き合いながら、軌道上を1日1回、回っているとしたら、全ての天体の軌道が同じである必要があります。軌道とは、引力によって落ちていくと同時に、遠心力で外に飛ばされるのですから、同じ公転時間を保つには、同じ軌道上を同じ速度で移動していなければなりません。


ガリレオが、地動説を唱えていた頃、まだ天体がその相互間の引力によって、影響しあっていると言うことが知られていませんでした。すなわち、どのような法則で天体が動いているかが解っていなかったのです。


ガリレオが亡くなった同じ年(1642年)に、その意志を引き継ぐようにニュートンが生まれています。ニュートンが発見した万有引力の法則によって、初めて天体の動きを理論的に説明することができるようになったのです。


昨日の雑記で調べた地球から太陽までの距離を半径として、地球は365日かかって1周します。もし地球が自転せずに太陽が地球の周りを1日で公転するとすれば、とんでもなく早い速度で回らなければならず、軌道上にとどまることはできないでしょう。


「だから地球は回っている!」 地動説が確立するまでの道のりは、長く遠いものだったのです。


太陽が地球の周りを回っていると思っている子どもたちに、ただ「それは間違いで、地球の方が回っているんだ」、と答えだけを教え込むことより、先人たちが歩んだ科学の歴史を紐解いたり、振り子の動きからなぜ地球の自転が証明できるかを一緒に考えることが、必要なのではないでしょうか?

336.秒速30万キロメートル3: 太陽と地球 (2004/04/27)

成り行き上、トコトンまで理科が続いていきますが、もうしばらくご辛抱ください。


以前、331.「太陽は地球の周りを回っている」と言う雑記で、月の満ち欠けがなぜ起こるのか知らない小学生が多いと言う話を書きました。太陽に照らされた月が地球の周りを回ることによって、太陽の光を反射した部分が様々な形に見えるのですが、実際にはどのように太陽、地球、月が配置されているのでしょうか?


よく図鑑などで見た図を思い出すと、太陽がサッカーボールぐらいなら、地球はテニスボールぐらいで、月はピンポン玉より少し小さいぐらいでしょうか?


確かに、子ども科学館のようなところに行くと太陽系の模型があり、中心にある太陽から順番に、水星、金星、地球、火星等の公転軌道を示しています。太陽が一番大きいのは良いのですが、本当にその大きさで正しいのでしょうか?


最近はこの手の情報がインターネットに溢れていますから、すぐに調べることができます。



地球の赤道半径
6,378キロメートル
月の赤道半径
1,738キロメートル
太陽の赤道半径
1,400,000キロメートル
地球から太陽までの距離
平均149,600,000キロメートル

では、もし地球直径10センチメートルの円で描いたとしたら、2.7センチメートルですが、太陽はなんと21.9メートルにもなり、模型として同じ土俵に乗せるのは桁が違い過ぎるのが解ります。


さらに、地球から太陽までの距離約1.2キロメートルになります。これでは、運動場を使っても展示することはできなくなります。


あるいは、無理に屋内で展示するために、地球から太陽までの距離を10メートルとすると、太陽の直径は18センチメートルとなり展示可能ですが、地球の直径は0.8ミリメートルになってしまいます。これでは展示向きの模型が作りにくいわけです。


さて、地球から太陽までの距離はたいそう遠いのですが、それは1秒間に30万キロメートル、地球を7周り半の光をしても、かなり骨が折れるようです。


光の速さで8分20秒(500秒)かかると言いますから、地球の円周の7.5倍をさらに500倍しなければならないのです。


毎朝空を仰いで眺めているお天道様も、意外と近づき難い存在だったのですね。(サンダーバード3号以外は誰も近づかないと思いますが?)