332.逆さモン・サン・ミッシェルの雑記で、旅行雑誌「ABROAD」の5月号の表紙写真の、モン・サン・ミッシェルが左右逆だと書きましたが、出版社になぜ逆になったかを問い合わせたところ、ご丁寧なご返事をいただくことができました。
この写真は、PPS通信社と言う写真著作権のライセンス業務を行っている会社から提供されたものらしいのですが、レンタルされた時点で既に逆版マウントされていたそうです。
つまり、出版社の作業過程において、間違ったのではないと言うことです。勿論、これ程有名な風景ですから、誰かが印刷に回るまでに気付けば良かったのでしょうが、比較的左右対称に近い風景写真ですから、指摘される事無しに出版に至ったのでしょう。
印刷の写真原稿として、リバーサルフィルム、つまりスライドが使われることが多いのですが、確かにその裏表を判断することは難しいことです。
特に今回の場合、レンタルされたフィルム自体が逆にコピーされたものの場合、フィルムの乳剤面を判断しただけでは、正しく再現できません。あくまで、写真を見た上での判断が必要になります。
ところで、昔聞いた話では、印刷会社の人が印刷原稿の間違いに気付くことがあり、その時点で校正されることもしばしばあるそうです。
ラジオ講座のテキストで、英単語のスペルの誤ったものを選択肢から選ぶ問題があったのですが、印刷会社の人がスペルの誤りに気付き、気を利かして正しいスペルに直したため、選択肢の全てが正しくなってしまったと言う話しを聞いたことがあります。
雑誌の編集作業には、多くの人が雑誌のレイアウトや写真、文章の全てに細心の注意を払い、校正を繰り返します。それでもなお、全ての誤りを取りきれないこともあるのです。
自分のサイトも、読み返すと誤った字や表現をよく発見しますので、完璧な校正の難しさはよく分かります。雑誌の仕事の大変さを垣間見たような気がしました。