380.電子書籍とメディア (2004/09/11)

モバイル機器の総合セミナーmobidec 2004が開催され、その中の電子書籍をテーマとした講演で、PDAは「ギア好きの男性の愛好品」と称されていたと言うニュースが、ITmedia Mobileの8月27日付けの記事に書かれていました。


パーム系サイトではこの記事についてあまり話題にならなかったようですが(無視したサイトも多かったのかも知れません)、ビジネスとして電子書籍を軌道に乗せようとするなら、最も普及度の高い機器を対象にするのは当然と言えます。


KDDIでは電子書籍を利用するための機器として、PC、PDA、専用機、それと携帯電話を比較したそうですが、PDAは先ほどの理由で没、PCは「本は机に座って読む物ではない」と没、電子書籍専用機は「関係者しか持っていないほど普及していない」と没にされています。


対して携帯電話は、普及度や広範なユーザー層、携帯性などで電子書籍に一番適していると結論付けたようです。KDDIが出す結論ですから携帯電話が主役になるのは当然の結果ですが、普及率が高いことによる携帯電話の優位性以外は他の機器にも活躍の場がありそうに思えます。


おそらく、携帯電話によって普及する電子書籍があるのと同時に、PCでしか実用にならない書籍が登場したり、PDAでなければ使いづらい電子書籍も登場するのではなかろうかと思うのです。あるいは、専用機でなければ読むことの出来ない電子書籍もあって良いと思います。


電子書籍とは呼ばれていなくても、既に文字情報や画像情報を取り扱うメディアはたくさんあります。それを書籍がデジタル化されたと捉えるかどうかは別にして雑誌ガイドブック等によってこれまでは伝達されてきた情報のかなりの部分が、既にデジタルメディアを通して氾濫しています。


電子書籍という言葉にとらわれずに、広い意味で文字や画像などの2次元情報を扱うメディア全体の健全な発展を期待したいものです。

379.激しさを増す日本の気候 (2004/09/09)

最近の日本の気象はすっかり荒々しくなって参りまして、地震台風も中途半端ではございません。


特に今回の台風では、神戸市内で2号線が1メートル近くも冠水したり、大阪の中之島で川の水が溢れたりしています。地球温暖化の影響で、既に潮位が上がってきているのではないかと心配になってきます。浅間山まで噴火するに至り、「日本沈没」を地で行く様相を呈してまいりました。


以前ベトナム人と一緒に仕事をしていた時、ベトナムの嵐のすごさを語ってくれたことがありました。朝、起きると家の中を川が流れていて、いろいろな物が流れて来てその中から気に入った物を拾い集めるそうです。実際は、自分の物も流れて行ってしまうでしょうが、スペクタクル映画のような光景は珍しくないと半ば自慢していました。


また竜巻などは以前は日本ではめったに発生しませんでしたが、最近では被害が出るほどの大規模なものが報告されるようになりました。以前はフロリダに来る強烈なハリケーントルネードは、日本の気候で無いものと思っていましたが、食生活の欧米化と共に気候も似てきているのでしょうか?


さらにテロに出くわすことまでも考えると、正に身の回りは危険がいっぱい、いつ何時災害にあっても不思議ではありません。


紀伊半島の南海域で連続して発生している地震によって、南海地震の発生が抑制され、逆に東海地震の発生が早まるのではないかと言うニュースがありましたが、地震は大きく膨らんだ風船が壊れるのと同じように、どの大きさになったら必ず割れるというののでないだけに、実際にその通りになるかどうかは予想が難しそうです。


地震は「いつ起こるか?」ではなく「必ず起こるもの」と考えておく必要があるのでしょう。

378.本当のプログラマーはキッシュを食べない3: 本当のプログラミング (2004/09/01)

Don’t comment their code. If it was hard
to write, it should be hard to understand
and even harder to modify.


プログラムはそれを書いた人の個性を良く表します。「プログラム式」ではなく「プログラム言語」とはよく言ったものです。正に文章と同じように上手いものから下手なものまで芸術的なものから書き殴ったものまで、様々なプログラムがあります。


プログラミングを仕事とする場合、過去に書かれたプログラムに機能を追加したり、バグを直したりすることがよくありますが、プログラムの事が書かれたドキュメントがあると助かる場合があります。


しかし、しっかりとしたドキュメントがあるようなプログラムには大抵、プログラムのソースコードに有効なコメントが加えられていることが多いものです。反対に、ドキュメントがないプログラムに限って、コメントも一切無いことが常のようです。


本当のプログラマーは、コメントなんかソースコードに書いたりはしないそうです。コメントを簡単に書くことが出来る簡単なプログラムには、そもそもコメントなど無くても理解できるだろうし、コメントを書くのが難しい複雑なプログラムは、コメントを書いても理解することが出来ないだろうし、もし理解できたとしても修正することは困難であると言っています。


確かに賢い人が書いたプログラムの場合、たった1行のコードすら何のために書かれているのか理解できないことがあります。それにコメントをいちいち他人が理解できるように付けていては、せっかくの美しいプログラムコードが台無しです。


他人が読んで分かりやすいプログラミングの方法として、GOTO文を使わないとか、Structured
Programmingがありますが、本当のプログラマーはこれらすべてを否定し、またチーム・プログラミング・コンセプトを嫌うそうです。ただし、自分がチーフプログラマーでなければですが。


9時から5時までは決して働かず、もし朝9時に本当のプログラマーを見かけたら、それは必ず徹夜明けだそうです。


さて、今一体どのぐらいの本当のプログラマーの方がいらっしゃるのでしょうか?プログラミングが特殊な技能ではなくなってきましたから、以前のようなプログラマーが減ってきているのは確かでしょう。


"Real Programmers Don’t Eat Quiche"


"eat quiche"には、「汚い[卑劣な]まねをする」という意味もあるそうです。本当のプログラマーが、まだ世の中にたくさん残っていることを願いたいものです。

377.本当のプログラマーはキッシュを食べない2: キッシュって何? (2004/08/26)

Real programmers don’t eat quiche. Real programmers
don’t even know how to SPELL quiche!


本当のプログラマーについて知るためには、キッシュなる食べ物がどんなものであるかを知っておかなければなりません。


最近はしゃれたレストランのメニューにもありますからご存知の方も多いと思いますが、タルトの一種と言われているように、一見ケーキのように見えますし、プリンのようにも見えます。しかし、お菓子の類ではないので、食べた時に違和感を感じる方もいらっしゃるでしょう。


溶いた卵によって固まると言うことから、日本の茶碗蒸しに近いかも知れません。中の具としてハムやほうれん草が入りますし、クリームを使って濃厚な味にしますから、見た目よりも栄養満点です。


フランスのアルザス地方の料理とされていますが、そのオリジナルはドイツ料理にあるそうです。そう言えば伝統的なドイツパンの店で売っていることがありますし、ポットラック(食材持ち寄りのパーティー)でキッシュを持ってくるのは、ドイツ人と相場が決まっています。


さて、本当のプログラマーの食生活に関しては、同じ文章の中に様々な記述があるのですが、基本的には自動販売機で売っているもの、例えばポップコーンを好むそうです。


インスタントのポップコーンは、普通は電子レンジで作るのですが、本当のプログラマーはCPUの上に乗せると言います。はじける音を聞けば、どのジョブが走っているかが判るそうです。


本当のプログラマーは自動販売機で売っているものしか食べないので、ランチバッグを職場に持って来たりはしないそうです。キッシュは自動販売機では売っていない、だから本当のプログラマーはキッシュを食べないそうです。


では、本当のプログラマーのプログラミングを覗いてみましょう。

376.本当のプログラマーはキッシュを食べない1: かつてはプログラマーだった! (2004/08/25)

初めてパームを手にした時誰もが必ずするように、私もWEBに溢れるパームソフトやDOCを探し回った時期がありました。探せばいくらでもすばらしいソフトウェアに出会えますから、本当に宝の山のようでした。


その時見つけたDOCの中で今でも強く印象に残っているのが、海外サイトで見つけた、"Real Programmers Don’t Eat Quiche"と言うものでした。


パームのサイトで見つけたものですから、てっきりパームの業界の中だけで知られた文章だと思っていたのですが、実は偶然DOCになっていただけで、ソフトウェア業界では有名な1983年に発表された論文だったと言うことに、最近になってやっと気付きました。


思えば、私が今の会社に入った時はプログラマーでした。当時、エンジニアの仲間では、ソフトウェアハードウェアより下に見られていました。


何せ、ソフトウェアはハードウェアの付属品(おまけ)と考えられていた時代です。今でこそマイクロソフトが一世を風靡していますが、昔はソフトウェアだけで商売している会社なんて無かったのです。


本当のプログラマーだったかどうかは分かりませんが、昔は確かに文章を機械語16進数で書いている人がいましたし、あるいは会話の中に使われる動詞のほとんどが、「シフトする」とか「ストアする」などの命令語に置き換わっている人もいました。職人のようなプログラマーがまだ多く存在した時代だったのです。


その頃はコンピューターは、誰にでも使える代物ではありませんでした。しかし今では、ソフトウェア技術が発達したお陰で、エンジニアに限らず子どもから大人まで、性別・職種に関わらず何らかのソフトウェアを作成したり、実行したりできるようになりました。


今から読み返せば、時代背景が変わってしまってピンと来ないものもありますが、なかなか的を得たおもしろい記述もあります。いくつかピックアップして、一緒に本当のプログラマーがどんな人たちか想像してみませんか?