モバイル機器の総合セミナーmobidec 2004が開催され、その中の電子書籍をテーマとした講演で、PDAは「ギア好きの男性の愛好品」と称されていたと言うニュースが、ITmedia Mobileの8月27日付けの記事に書かれていました。
パーム系サイトではこの記事についてあまり話題にならなかったようですが(無視したサイトも多かったのかも知れません)、ビジネスとして電子書籍を軌道に乗せようとするなら、最も普及度の高い機器を対象にするのは当然と言えます。
KDDIでは電子書籍を利用するための機器として、PC、PDA、専用機、それと携帯電話を比較したそうですが、PDAは先ほどの理由で没、PCは「本は机に座って読む物ではない」と没、電子書籍専用機は「関係者しか持っていないほど普及していない」と没にされています。
対して携帯電話は、普及度や広範なユーザー層、携帯性などで電子書籍に一番適していると結論付けたようです。KDDIが出す結論ですから携帯電話が主役になるのは当然の結果ですが、普及率が高いことによる携帯電話の優位性以外は他の機器にも活躍の場がありそうに思えます。
おそらく、携帯電話によって普及する電子書籍があるのと同時に、PCでしか実用にならない書籍が登場したり、PDAでなければ使いづらい電子書籍も登場するのではなかろうかと思うのです。あるいは、専用機でなければ読むことの出来ない電子書籍もあって良いと思います。
電子書籍とは呼ばれていなくても、既に文字情報や画像情報を取り扱うメディアはたくさんあります。それを書籍がデジタル化されたと捉えるかどうかは別にして、雑誌やガイドブック等によってこれまでは伝達されてきた情報のかなりの部分が、既にデジタルメディアを通して氾濫しています。
電子書籍という言葉にとらわれずに、広い意味で文字や画像などの2次元情報を扱うメディア全体の健全な発展を期待したいものです。