395.ダイエーはどうなるか? (2004/10/16)

ダイエー産業再生機構の支援を仰ぐ事になってしまいました。その経緯にはすっきりしないものがありますが、結局なるようにしかならなかったという感じがします。


マイカルが民事再生法の適用を決めた頃にはすでにダイエーも危なかったのですから、長い間引き延ばしたものだと思います。ダイエーが立ち直るために懸命に努力をしたにも関わらず、このような結果になってしまったのだと信じたいですが、実際のダイエーの店舗を体験してみると、全くの危機感は感じられませんでした。


関西、特に阪神間はダイエーのお膝元です。兵庫県にはダイエーの店舗が44あり、全国の都道府県で一番多いそうです。全盛期には神戸の三宮界隈には片手に余る数の店舗が肩を寄せ合い、食品から婦人衣料、男性専科や若者衣料、電化製品などを、それぞれ別のビルで取り扱っていました。


それぞれのビルには名前が付けられていて、メンズ・ダイエーとかレディス・ダイエーエレクトロ・ダイエーなど、三宮を歩くとダイエーを避けて通れないほどと言っても言い過ぎではありませんでした。


ただ、ダイエーはあまり高級なイメージはなく、特に電化製品などは今で言うディスカウントストアーのようなところもありました。


オーパやバンドールなど、新しくできたときには斬新でスマートだったのに、次第に色あせてきていつの間にか無くなってしまうところもたくさんありました。あまりブランドを大切にしている様には思えませんでした。


またダイエーでは最近でさえ店員が雑談をしている事が珍しくなかったですから、破綻しない訳がありません。


マイカルに続いてダイエーが関西系のスーパーで経営破たんするのは、関西経済の衰退を象徴しているようです。栄枯盛衰のなれの果て、次にその抜け殻を手に入れるのはいったい誰なのでしょうか?

394.マイベストPalm (2004/10/12)

デラデラメモ《NEO》から始まったとされる「マイベストPalm」。いろいろな方が参加されておられるのを見ていると、それぞれに各人の思い入れがあるようでおもしろいものです。


特に印象的なのはPalmV系の人気がいまだに衰えていないところです。特にベスト3をすべてV系でかためた組長さんは、さすが筋が通っていてすがすがしさを感じます。


V系はデザイン的に優れているばかりでなく、機能性や外装表面の耐久性などを含めても完成したものと言えるでしょう。ですから、このデザインを踏襲して発展させることは難しかったのかも知れません。


そこで、パームが次に出してきたのがm100系でした。V系とは打って変わってすべてがプラスチックで出来ており、安っぽさは抜群!わざとそう見えるようにしたとしか思えません。つまり、コストダウンした結果ではなくて、コストを掛けて安く見えるように作ったのです。(そんなわけないか!)


このプラスチック筐体の耐久性はなかなかの物で、ガシガシ使うにはもってこいです。アメリカ製の製品はただ無骨の様に見えて、結構大雑把な物が多いのですが(そのままです)、繊細さがないだけに使い込んだときの包容力があるように思うのです。


何かこの「どうぞ好きなように使ってくれぃ」みたいな大らかさが心地良いみたいな感じです。CLIEは格好は良いのですが、機嫌を伺いながら使わなければならないような気がして、私には負担になります。(金銭的にも!)


そこで私のベストPalmは、m100!


手帳の代わりをしてくれるにはこれだけで十分。それ以上は望みません(望めません)。


さて、先週大阪・梅田のヨドバシカメラに行ったら、またPDA売場が奥に押し込められて縮小していました。


次は通販でしか手に入らないようになりそうです。何とかこの状態を打破する方法は無いものでしょうか?

393.2画面特許の顛末 (2004/10/08)

もうかなり古い話しになってしまいましたが、「93.2画面特許 (2003/05/08)」でご紹介した携帯電話のディスプレーの特許の民事訴訟の判決が、9月16日に東京地方裁判所で言い渡されたと言うニュースが、「日経IT Pro」に掲載されています。


判決では、被告側のNECとドコモの言い分を認めたそうですが、すべての携帯電話ばかりでなく、DVDプレーヤーやPDAまでもが特許の対象になっていましたから、ほっと胸をなで下ろした関係者も多かったのではないでしょうか?


勿論まだエイディシーテクノロジー側が控訴する可能性もありますから、判決が確定した訳ではありませんが、取りあえず法外な特許使用料によって利用者が迷惑を被る事は避けることが出来そうです。


そもそもこの特許自体が胡散臭いものでしたから、当然の結果かも知れませんが、判決の理由があまり正確に伝えられていないので、どのように携帯電話が特許の対象から外れていると見なしたか、興味のあるところです。


当初この特許が申請された時には、ペン入力のPDAも対象になっていましたが、請求項の修正を行っていく過程で、当時人気が出だした2つのディスプレーを持つ携帯電話の的を絞った結果、最終的に2画面特許となった経緯があります。


つまり、2画面を持つ携帯電話が普及しだした後に修正された請求項に対して、裁判所がどのような判断を下すかを注目していたのですが、今回のニュースではあまり正確に報告されていないのが残念です。


いずれにせよ、携帯電話を始め電子機器でディスプレーが2つあるものは、難を逃れることが出来て一安心です。


特許は、すばらしいアイディアを広く公開し利用することによって、社会や生活を豊かにするのが本来の目的です。既に広く利用されていることを、後から特許にして独占し利益を得ようとするのは、豊かになる事を妨げる行為です。


人々に利用されて本当に喜ばれるような特許を、考え出してもらいたいものです。

392.ナパ・ワイナリー紀行8: まとめ (2004/10/06)

JALのパイロットの皆さんがサンフランシスコに滞在する時には、よくナパまでワインの買い付けに行かれると聞いたことがあります。またワイナリー巡りは、サンフランシスコに住んでいる人たちの、週末のワンデイトリップとして人気があるようです。


今回訪れた時には時間がなくて寄れなかったのですが、"V.Sattui Winery"と言うワイナリーが St. Helenaにあり、地元の人たちに人気があります。


1885年から続く家族経営のワイナリーで、賞を取るほどの品質を誇りながら外販はせず、ここのワイナリーだけでしか手に入りません。ですから地元の人たちは、ここを訪れた時には箱単位で買い占めて行くそうです。


また、ランチとしてグルメ・デリが充実していて、ピクニックテーブルも用意されているので、家族で訪れる人たちには特に人気があります。


ナパには300以上のワイナリーがあり、またすぐ隣のソノマには250以上あると言われています。カリフォルニアではこれら以外にも、5つの地区でワインを製造しています。

ナパはその中で最も規模も大きく中心的存在であるわけですが、10数年前にはぶどうの木の病気で植え替えなければならなくなり、また地下水系にも問題があったそうです。


比較的歴史が浅いカリフォルニアのワイン産業も、今が転換期なのかも知れません。フランスでのワイン消費の低迷や、ワイン産地の新興勢力の台頭など、ワインの世界地図が大きく塗り替えられる時期に差し掛かっているのでしょうか?


今後、ロバート・モンダヴィオーパス・ワンが、何らかの変革を伴いながら変わっていくことは必至です。それは確かに寂しいものではありますが、今の姿も昔から変化してきた結果だと考えると、希望を持って受け入れて行かなければならないのでしょう。


さて、ナパのワイナリーをいくつがご紹介して参りましたが、これらのワインをもし店頭でお見かけられましたら、是非一度お試しください。


世界中のワインを、その土地、その気候、その歴史、そしてその人たちを思い浮かべながら楽しむことは、何と至福の極みでございましょう。(ただし飲み過ぎなければですが!自戒!)

391.ナパ・ワイナリー紀行7: カリフォルニアワインの将来 (2004/10/05)

さて、いくつかのワイナリーをご紹介して参りましたが、実は今、ナパのワイナリーでは、9月15日に報じられたニュースの話題に騒然となっています。


ロバート・モンダヴィが、そのワイナリーを売却するというのです。


ロバート・モンダヴィは、これまでにも2001年頃からリストラを勧めてきており、海外で展開してきたいくつかのブランドを既に手放していました。


また、今年の8月には会社を分割して、高級ブランドと普及ブランドを別々にする計画を発表していました。


しかし、9月に出された最終的な結論は、ロバート・モンダヴィ・ワイナリーオーパス・ワンなどのプレミアムワインを売却する事でした。


買収先に関しては既にいくつかのワイナリーの名前が挙がっており、ケンデール・ジャクソンガロ、そしてここでご紹介したベリンジャーも候補に入っているようです。


ロバート・モンダヴィは、普及価格"Wood Bridge"" Robert Mondavi Private Selection"などを中心に展開していくそうですが、「カリフォルニアワインの父」と呼ばれたロバート・モンダヴィのブランドが今後継続していくのか気に掛かるところです。いずれにしても、カリフォルニアの高級ワインの将来を大きく左右する出来事でしょう。


フランスでもワインの消費が減少しており、如何にして消費を拡大していくか知恵を絞っています。またUSのワイナリーは、他の国々と比べて高コスト体質だと言われています。カリフォルニアは温暖な気候に恵まれていると言っても、そう簡単な商売ではないと言うことなのでしょう。


ロバート・モンダヴィオーパス・ワンが、これからどのような道を歩むことになるかが、カリフォルニアワインの将来の鍵を握っているのではないでしょうか?