600.インド出張4: 本格的インド料理に舌鼓 (2006/09/22)

バンガロールでの3日目,お昼ご飯はオフィスのフードコートにある本格的インド料理のレストランです。メニューの選択は同僚に任せていたのですが,典型的なインド料理が食べてみたいと希望してみます。


まず,出てきたのがタンドリーチキン。肉類といえばチキンかエビに決まっているようです。3種類のスパイスで味付けされたチキンは,なかなかのお味でした。


次に出てきたのがドライカレー。中にはこれもチキンが入っていてかなりのボリュームです。これがまたおいしいのです。辛さの種類は,かなり胡椒が入っているように思うのですが,鋭さのある辛さは癖になりそうです。


これがインドにおけるピクルスだと教えられたのは,レモンの皮をスパイスで漬け込んだもの。こちらのレモンは,日本で言えばゆずのような形をしています。


一口で食べたらその塩辛いこと!それを見た同僚は一口に食べてしまったのかと驚いています。どうも,梅干しのような食べ方をするらしく,少しずつご飯と混ぜながら食べるのが正解だそうです。


大変満足した昼食を,しかも奢りでしたからもう言うことなし!インドに来てよかったと思いました。(いかにも単純!)


さて,前回のショッピングツアーはいまいちだったので,今度は地元の人が行く店を見てみようということで,フォーラム・モールというところに行って見ました。


オフィスを出て,オートリキシャを見つけて値段の交鈔をしてみます。50ルピーで行くというので乗り込みます。これが正に遊園地の乗り物よりスリルがあります。迫りくるバスや車をかき分けかき分け,クラクションをけたたましく鳴らしながら,少しでも隙間があれば割り込もうとします。


周りの景色もさることながら,このバトルを見ているだけで飽きません。うまいことに後ろはまったく見えないようになっていますから,自分がどれほど追突されそうになっているかは分かりません。


オートリキシャを降りたところにスーパーマーケットがあり,どんなものを売っているのか見てみる事にしました。コルゲート歯磨きが150円,コーラが一缶60円,ビールの大瓶が180円と言ったところでしょうか。カップヌードルも売っていました。


さてモールですが,ブランドとしてはアディダスベネトントミー・フィルフィガーなどがありました。値段は日本とあまり変わらないので,かなり高級店と言えるでしょう。あまり実際に買っている人は少ないようです。マクドナルドもありますし,一番上のフロアには映画館が10スクリーンほどあります。


昼ご飯をたくさんいただいたので夕食を食べる気にもなれず、モールにあったマクドナルドでソフトクリームを食べてみました。小さいのは8ルピー(24円)で、普通の味がしました。(それはそれで意外!)


さて,帰りに先ほどのスーパーでビールを買いました。フォスターというオーストラリアのビールと、キャッスルという南アフリカのビールを買いました。ただ、輸入品ではなくインド国内でライセンス生産されたものだからでしょうか、味はブランドに関わらずほとんど変わらなかったように思います。


さて,帰りもオートリキシャを探したのですが,ホテルの名前を知らなかったのでとりあえず”Inner Rind Road"を走ってもらい近づいたら合図するということになりました。値段は80ルピー。行きよりかなり込んでいて30分ぐらい掛かりましたが,バトルが面白いので退屈しません。


後で同僚に聞くと,その距離なら25ルピーで行ける距離だとのこと。やっぱり簡単にぼられてしまいますね。


実は,昼ご飯に食べたカレーのスパイスがまだ効いていて、お腹がジンジンとしてきます。また、ニンニクがかなり入っていたようで、自分の息は言うに及ばず、頭の中までニンニクくさいのです。


本格的インド料理の真髄を見た気がしました。

599.インド出張3: バンガロールで初仕事 (2006/09/20)

疲れているのになかなか寝付けなかった長い夜が終わって,やっと朝がやってきました。ずっと気になっていた外の景色を見るためにカーテンを開けてみました。


うーん,かなり殺風景でありますな。確かに南方系の地域に多い景色ですが,やたら瓦礫が目に付きます。昨晩、空港から見た景色と,明るくなっても印象が変わらないのは見事です。


すごいのは交通渋滞。渋いのを通り超えてえぐいですね,今日は現地の社員が自分の車でホテルまで迎えに来てくれたのですが,その運転のすごいこと。単に運転が荒いというのを越えていて,運転は格闘技,道路は競技場と化しています。


バイク自動車オートリキシャバスが,同じ速さで道路を区別なく走り回っています。大阪の運転の荒さを1としたら,イタリアのフィレンツェが3,バンガロールは8ぐらいでしょうか。ここでは運転技術もさることながら,性格と根性を適応させなければならないでしょう。


さて,オフィスに着いたのですが,まだできて2,3ヶ月しかたっていないはずのビルなのに古ぼけて見えます。以前から使われていたビルかと聞くと,間違いなく新しく建ったばかりだと言います。


不思議に思ってじっくり見てみると,壁やタイルが汚れていたり剥がれたりしています。日本なら真っ白であるはずの壁が,薄汚れているのです。その他立て付けがずれていたり,外装のガラスの継ぎ目が汚れていたりして,それらが原因で古びたビルに見えているようでした。確かに,周りにあるオフィスビル以外でも,新しく建築中の建物と古くなって解体中の建物の区別がつきません。


民家らしき建築現場では,コンクリートブロックを主に使っているようですが,日本のようにブロックに鉄筋を入れることのできる穴が開いていませんから,ただ重ねてモルタルで引っ付けるだけで建物を作っているようです。いかにも地震に弱そうです。


また,7階建てぐらいのオフィスビルの工事が進んでいるのですが,日本でその規模なら、まず鉄骨を組みますが,わずかな鉄筋(太い針金)を入れているだけで,あとはブロックを積んでいくようです。


昼ごはんはオフィスの中にあるフードコートに行きました。サンドイッチやピザもあるのですが,まずはインドらしい料理を食べてみます。料金は30ルピー(約90円)。


もっとびっくりするような味かと思ったのですが,確かにスパイシーではあるものの,十分許容範囲です。中国で食べたものは一口で満腹になったことが多かったのですが(つまりとてもまずかった),ここでは完食。ただ確かにどの料理もすべてカレーで,しかもベジタリアン食でした。


赤道に近いのでもっと暑いところかと思っていたのですが,22度Cと日本並みかそれ以下でしょうか。標高が930メートルあるのですごしやすいとは聞いていましたが意外でした。


さて,夜はホテルに閉じこもってしまうのも面白くないので,タクシーを頼んでみやげ物や巡りをしてみました。タクシー代は2時間ほどで430ルピー(1200円ぐらい)。ただしこれは失敗。カシミールの絨毯シルク製品像の彫り物などが並んだ店を何軒も回る羽目になってしまいました。昔の香港ツアーのようです。


夜のダウンタウンにも人がいっぱいいるのですが,賑やかかというとそうでもなくて,単に雑踏に見えるのはまだ目が慣れていないからでしょうか。一見しただけでは何を売っているか分からない店がたくさんありました。


人口が570万人と言われていますから,かなり大きな町です。それなりに立派な建物もあるようですが,夜タクシーから見ただけでは良く分かりませんでした。


でも,薄暗い夜の街は,20年前の南京や武漢の町にとても雰囲気が似ていると思いました。

598.インド出張2: インドに到着 (2006/09/18)

「近くて遠い国」とは韓国のことを指しますが,「結構遠くてやっぱり遠い」のはインドでしょう。


クアラルンプールまで関空から6時間半,4時間の乗り継ぎ時間があってそこからさらに3時間半のフライトでした。家を出てから延べにすると20時間ほど掛かってしまいました。アメリカの東海岸に乗り継いで行って24時間でしたから,同じアジアの中といってもかなりの距離感があります。


クアラルンプールでもかなりヒンドゥーやイスラム的な雰囲気がありましたが,インドへのフライトはかなりスパイシー。機内食も「ベジタリアン」「ノンベジタリアン」のチョイスで,ノンベジタリアンのカレーはなかなかのお味でした。これはインドのカレーが楽しみです。


バンガロール空港に着いたのは23時半。真っ暗の中に浮かぶ建物は,それだけでここがインドであることを気づかせるには十分で,これから飛び込んで行く街が、ただものではないことを暗示しています。


確かに,すでに入国審査に並んでいるところでかなりインド的で,列はぴったり後ろについてかばんはボンボンぶつけて来るは,でかい声で携帯電話でしゃべっているは,最近は西洋諸国にしか行ったことがない身には堪えます。


バッゲージクレイムエリアもかなりの混雑で,やっと出てきたかばんを持ってさて両替をしようとしたら,怪しい感じのする窓口がありましたが,クレジットカードからのキャッシングはできないようです。税関の係官に聞いたら外にATMがあるというので,いったん外に出ます。


ATMでルピーを手に入れてから,プリペイドのタクシーを予約します。ホテルの名前を言って300ルピー(約900円)を払い,係りの人について建物の外に出ました。


うーん,すごい人だかりです。このときはこんなに物貰いがいるのかと驚いたのですが,後から聞くと予約したタクシーの運転手がお客の名前をカードに書いて持っていたらしいです。あまりの多さに(ざっと1000人はいたでしょう。)勘違いをしてしまいました。


空港の前はすごいことになっています。ちっさい車とバイクと歩行者が渾然一体となってうねっています。クラクションの洪水です。しばらくするとタクシーが来たみたいで手招きされた車に乗り込みます。


ものすごく小さい車で,人とバイクと車にほとんどぶつかりそうになりながら,かき分けかき分け進んでいきます。クラクションの応酬とバトル。イタリア人も真っ青の運転テクニックです。ひとたび他の車を引き離したら,もう制限速度なしの世界。真っ暗な大通りをすっ飛んでいきます。


さて,大通りから人気のない通りに入って行きます。確かゴルフ場の近くのホテルだったはずですが,どう見ても廃墟の中を進んで生きます。するとしばらくすると,そこだけが別世界のようなホテルが目の前に現れるのです。


しかし,空港からのタクシーの中では,どんな街なのか思わず乗り出して周りをきょろきょろ見てました。それほどエキサイティングな街に見えました。日本にはこんなところはないです。(当たり前。)21年前に行った中国に少し似ていると思いました。


これは,明日明るくなってから見る街が楽しみになってきました。

597.インド出張1: 明日出発 (2006/09/16)

仕事が踏んだり蹴ったり、一体誰が収拾をつけるのかと叫んだところ、「インドに行って来い!」とのこと。今更インドに行っても収拾出来るとは誰も思っていないのに、行かざるを得ないと言う何とも殺生な事となってしまいました。


いや、最近経済誌を読んでみても、なかなかインドでビジネスをするのはタフであるとのこと。やれ中国の次はインドだとはやし立てているうちは良いが、実際インドに言ってみると予想とはかなり違うことがあるそうな。


まあ、ここはついでに観光が出来ると安易に考えて、とりあえず怖い物見たさで言ってみることに致しますか。


しかし、当サイトは旅行系パームサイトと称していましたが、その割にはあまり旅行のことが話題にならないおとなしいサイトになっておりますが、今回は少しエキサイティングな旅行になりそうです。


行き帰りに飛行機はマレーシア航空ですから、すこし期待しております。最近米国系の航空会社が軒並みコストダウンのためにサービスを低下させておりますから、さぞかし手厚いサービスが出迎えてくれるでしょう。


インドのメンバーには、朝ホテルまで迎えに来てもらわなければなりませんから、ホテルの名前を連絡したのですが、早速いくつかのアドバイスをいただきました。


「空港を出てからタクシーを探すな!」、「建物の中のカウンターでプリペイド・タクシーの予約をしろ!」、「預けた荷物がコンベアーから出て来るには最低45分掛かるので、多くの外人はロスト・バッゲージと勘違いするが、気長に待て!」等々。


23:15着の飛行機ですから、ホテルに入れるのはいつになるやら。日本との時差は3時間半(中途半端)ですから、思ったより遠いようです。


どうもインド旅行のガイドを見てみると、夜に出入国しないのが鉄則になっているようで、最初から危なっかしそうです。


さて、無事たどり着けますでしょうか? インドへの珍道中の始まりです。

596.スカイプ携帯とパームOS (2006/08/27)

asahi.comが8月25日に、「携帯電話に定額IP化の波 米でスカイプ搭載型発売」と言うニュースを掲載しています。USの企業「ネットギア」が今月発売したスカイプ搭載の携帯電話について書いています。


これまで通話時間による従量制で課金されてきた電話料金が、ADSLのように定額制になっていき、その結果これまでの携帯電話のビジネスモデルが崩れ去る可能性があると指摘しています。


インターネットを使うIP電話が既存の固定電話を置き換えつつあるように、携帯電話回線もインターネットによって置き換わり始めたと言うことでしょう。


雑記504を書いた1年以上前には、日本の電話会社はスカイプを取るに足らない物と片づけていましたが、ここに来て無視できない存在であることを認識し始めたのでしょうか。携帯電話の生命線はその伝送経路にありますから、インターネットを経由するIP電話が普及してくると、これまでの携帯電話ビジネスを大きく変えることは間違いないでしょう。


無線LANが使える環境ならば通話に対しては基本的に無料になりますから、これまでのように、広範な専用携帯電話回線のネットワークを構築するだけで携帯電話の占有率を維持することが、出来なくなってしまいます。


またドイツでは、携帯電話の電波にスカイプの音声信号を乗せる定額サービスを開始したそうです。月額39.95ユーロ(約5900円)だそうですから、十分携帯電話に対抗することが出来そうです。


日本の携帯電話は、端末から回線、コンテンツに至るまで、徹底して電話会社(キャリアー)が主導権を持ち、圧倒的な収益構造を築いてきました。


無線LANを使う場合は、回線自体が電話専用ではありませんから、電話会社が主導的立場に立てなくなるどころか、電話会社の必要さえなくなってしまうかも知れません。


携帯端末も国際的な共通仕様になっていき、ソフトウエアを入れ替えるだけでどこの国の言語にも対応できるようになるでしょうから、選択の自由度は格段に広がることになります。


現にウィルコムW―ZERO3のような、無線LANが搭載されていてソフトウェアのインストールが出来る機種ならば、スカイプ対応に簡単にすることが出来ます。ウィルコムが「スカイプの利用を推奨してはいないが、拒否は出来ない。」と言っているあたりが、携帯電話キャリアーとしての苦悩を表しています。


無線LANのバンド幅など、既存のインフラだけでスカイプの普及を支えることは困難でしょうが、また迎え撃つ携帯電話会社も、これまでのようにインフラ整備のための投資を続けることは出来なくなるでしょう。いずれにしても、スカイプによって世界中の携帯電話業界が大きく変わることになりそうです。


最後に、パームもスカイプによって息を吹き返すことはないでしょうか? これまでモバイル機器としては携帯電話に席巻されて来ましたが、スカイプが普及し始めた今、やっとパームOSが互角に戦える時が来たのではないでしょうか?


何? まだパームOS版スカイプがない? 


既に時機を逸していたようです。