155.メープルシロップ (2003/07/29)

日経BizTechに、「優しい甘さのメープルシロップ人気が急上昇
」という記事が掲載されています。これまで、ホットケーキにかけるぐらいしか使い道がなかったのですが、最近は人気のケーキ店でメープルシロップを積極的に利用したお菓子が作られ、さらにパンや料理にもその応用が広がってきているそうです。


メープルシロップを採集するカエデの木はシュガーメープルと呼ばれ、US北東部のバーモント州カナダのケベック州には、町中至る所に巨木がそびえています。公園などではシーズンになると、バケツのような樹液の採集器が付けられたカエデの木が、あちこちに見られます。


シーズンのピークはは3月の末ごろでしょうか、ケベック州の村ではメープルフェスティバルと称して、レストランに観光客が集まり、作り立てのメープルシロップを様々な料理の上にかけて、長かった冬が無事に終わり、ようやく訪れた春を祝います。


各テーブルには、大ビンに入れられたメープルシロップがドンと構え、ハムステーキやポテトやデザート等すべての料理にかけて頂きます。都会からは、このようなレストランを目掛けてチャーターされた観光バスが、数多く訪れます。


食事の後は、雪の上にできたばかりのメープルシロップを流し込み、固まりかけたメープルシロップを、キャンデーのように木の細い棒でほじくりながら食べます。たいていは、その横にシロップを煮詰める小屋があり、樹液を採集する道具や煮詰める過程を見る事ができます。


レストランの裏にはシュガーメープルの林があることが多く、馬が引く観光馬車が春の薄日の中を進んでいきます。実にのどかな風景が展開されます。


樹液はメープル・サップと言い、煮詰めるとメープル・シロップ、更に煮詰めるとメープル・シュガーになります。サップの状態では、ほとんど甘さを感じないぐらいですが、1000倍ほどにまで煮詰められるうちに、アンバー色になり糖度が増してきます。


ケベック州とバーモント州は隣同士であり、どちらもメープルシロップを産出しますが、バーモント州の方が品質によってグレード分けを厳しくやっている為、バーモント産のほうが商品価値が高いそうです。そのため、ケベックで採集された樹液も、バーモントに集められる事が多いそうです。


ニューイングランド地方のお土産屋では、小さい小ビンで2ドルぐらい、いろいろなグレードを5種類ぐらい詰め合わせた物で10ドル前後で売られています。地元のスーパーではでかい缶で売っていますから、浴びるようにかけているのでしょうか?(だからあの巨体になる?)

154.人生には目標があった方がよい (2003/07/28)

どうも無線LANが故障してからサイト更新に使っているパソコンがノートブックになったため、調子が今一つ出ません。サイトの更新に、使い慣れた道具が重要である事を改めて感じております。


みなさんは、何かしらの目標をお持ちでしょうか?最近、日本の経済が不況であると言うことさえ、当たり前すぎて誰も語らなくなりましたが、そもそも日本の凋落は、目標を失ってしまった事が原因ではないかと思うのです。


エコノミックアニマルと言われていたのが懐かしくなる今日この頃ですが、あのころの日本の活力はどこへ行ってしまったのでしょう?


今こそ将来のビジョンをリーダーが示し、明確な目標を掲げる必要があると思うのですが、何を目指しているか、何が欲しいかが誰もわからず、誰が導くこともなしに右往左往していると言ったところでしょうか。


舵の効かなくなった羅針盤もない船が、波間に漂っています。乗客は、船長以下乗組員が、必死で舵を操り、無線でSOSを打電し続けているを信じているのですが、船長も無線士も既にいなく舵はもぎ取れ、無線のアンテナは折れてしまっているのかもしれません。


一刻も早く、日本の舵を取り直す人物が現れることを望みます。


まあ、そんな大げさなことはさておいて、例えばサイトを続けていくときにも、何か目標があった方が良いのではないかと思うわけです。


しかも具体的な実行可能な数値目標を掲げなければなりません。お金持ちになりたいだけではだめなのです。いつまでにいくら貯めるという具体的な数値を定めて、それに向かって努力しなければなりません。


私の具体的な数値目標は、2003年に300の雑記を更新することです。当サイトは、2月からスタートしていますから、2003年は11ヶ月しかありません。約330日で300回更新する事が目標です。


今年は、あと159日ありますから、今のペースで行けば何とかなりそうです。しかしあまり余裕はありません。早く無線LANが修理から返ってきて、使い慣れたデスクトップで更新ができるようになり、調子を取り戻したいものです。

153.Linux CLIEの可能性 (2003/07/23)

ふと思ったのですが、ソニーCLIELinuxを採用したらどうなるのか?


このパームコミュニティーにも、様々な嗜好の方々がおられ、パームOSが好きだったり、パーム社の製品が好きだったり、CLIEが好きだったり、ソニーが好きだったり、PDAが好きだったり、、、、ソニーが次の新製品からLinuxを採用した場合、困りそうな人はCLIEとパームOSが同時に好きな人ぐらいかと思いましたので、無責任にも書いてみました。


ザウルスがLinuxを採用しているからといって、遠慮する必要はないでしょう。パソコンやサーバーでは、多くの企業が同時にLinuxを採用しています。今は、SCOの絡みで採用しづらい時期ではありますが、それを考えなければ、Linuxの方が将来にわたって大きなビジネスに結びつくと考えれなくもありません。


理由は3つあります。



  1. そもそもソニーはパームOSを好きで選んだ訳ではなかったのです。 ソニーがPDAを始めた時、パームOSとポケットPCとザウルスの中から選ぶとすれば、立場上パームOSしか選ぶ事ができなかったのです。シャープの軒下を借りる事はできませんし、ましてや宿敵マイクロソフトのOSなどは論外です。そうするとパームOSしか選択肢はなかったのです。
  2. ソニーは特徴のあるPDAを目指しています。ハイレゾ画面でエンターテインメントの道具であるCLIEには、独自のソフトウェアでなければ魅力を発揮できない事が多々あります。パームOSに蓄積されたのソフトウェア資産に、それほどソニーは魅力を感じていないのではないでしょうか?どうせ、独自ソフトウェアでなければ特徴を出せないのであるなら、開発環境がよりグローバルであるLinux環境の方が、サードパーティベンダーの協力も得やすく、パームOSより容易にソフトウェア開発を進める事ができるでしょう。
  3. ソニーは将来のネットワークコンピューティングに野望を持っています。ソニー社内で開発の許可が出るには、ネットワーク関連の商品だけであると言われています。情報家電、つまりこれからはコンピューターと家電・AV機器の融合が起こってくると予想されています。その為には、コンピューター会社と対等に張り合えるだけのハードウェアとソフトウェアの実績を積んでおかなければなりません。Linuxは、ハンディ端末から大型システムまで広範囲の適用業務をこなしますから、一気にコンピューター会社と対等な資産を備える事ができます。

要するに、今のCLIEには、パームOSと言う鳥かごは小さすぎるのではないでしょうか?ザウルスのように、独自OSで長らく実績を蓄えてきたシャープでさえ、Linuxバージョンのザウルスを出すのですから、パームOSをライセンスで使っているだけのソニーが、他のOSに鞍替えしても不思議ではありません。


今回のPEG-UX50は、特にパームらしさを捨てているように思います。もうそろそろ、小手先の改良の繰り返しではなく、どーんと大きな衝撃を私たちに与えてくれそうな予感がするのですが、いかがでしょうか?

152.電波時計 (2003/07/22)

昨日のワールドビジネスサテライトで、シチズンの電波時計が紹介されていました。金属ケースアンテナの出っ張りが全くない男性用腕時計が開発されたそうです。


電波を受信するためには、ケース全体を金属で作ってしまうと受信感度が落ちるため、これまではアンテナが外部に飛び出していたり、ケースの一部にプラスチックが使われていたそうです。


確かに、最新の機種では、ふつうの腕時計と全く変わりないデザインになっており、全く狂いのないクォーツ時計として、意識をさせずに使うことができそうです。


電波時計で思い出すのは、1970年の大阪万博です。会場の中心にあったタイムセンターから基準信号が発信され、会場内に設置された時計の同期を取って正確な時を刻んでいたのです。タイムセンターは、1秒ごとに赤い閃光が輝き、それと同期するように会場のすべての時計には、赤いインジケーターが1秒ごとに光っていたのを覚えています。セイコーが担当したそのシステムに、未来を感じました。


そもそも、日本標準時を刻むJJYと言う信号は、原子時計を使って正確な時間と、正確な電波の周波数を提供してきました。アマチュア無線では10Mhzの基準電波を受信し、VFOと呼ばれた可変発信器の周波数を校正したものです。


それが、今や腕時計で実現ができ、シチズンのものは太陽電池で駆動できるものもあるようです。ただ、おもしろいのは、同じ機能を女性用の大きさにするには、あと2つほどハードルを越えなければならないそうです。


JJYの信号は、今は40Khzの周波数で、50Kwで送信されているそうです。長波を使うのは、電離層反射がないため、受信地点までの伝播の経路が安定するからだそうです。この40Khzの周波数の電波を飛ばすアンテナが、なんと250メートルの高さがあるそうです。


40Khzと言えば波長は7800メートルにもなり、250メートルの高さを持ったグランドプレーンアンテナでも、1/8ぐらいに短縮しなければなりません。メガやギガの世界になれている我々にとっては、逆に新鮮さを感じます。


腕時計に入っているようなモジュールが低価格で提供されれば、これまでクォーツモジュールが内蔵されていた機器のすべてに、電波時計が内蔵されるようになるでしょう。パームを始めPDAやパソコンには必ず時計が内蔵されていますから、クォーツ時計と言えば電波時計のことを指すようになるかもしれません。


ただ、人間のルーズさはなかなか変わりませんから、時計が正確になったからと言って、あまり生活に変化があるとは思えませんが。

151.DVFMとVVVF (2003/07/20)

DVFMは、LSIの低消費電力化の新しい手法と言うことで、Handheld
Engineの特徴の一つであるわけですが、カードスロットを削除してまで省電力化を目指したとすれば、かなり力が入っていると言えるでしょう。


トランスメタ社のCrusoeが発表されたときも、革新的な省電力手法が採用されていることに驚きましたが、今回はさらに発展させたアルゴリズムが開発されたのでしょう。


ダイナミックに負荷の状態を判断して、クロック周波数と電圧を調節することによって、最適なパフォーマンスと電力消費を実現すると聞けば簡単そうに思えますが、これがなかなかくせ者で、想像しているより難しいもののようです。省電力手法は、年々進歩してきている分野なので、バージョンアップする度により優れたものが提供されていくことでしょう。


ところで、DVFMと似たような話に、電車の電力制御の方式VVVFと言うのがあります。Variable Voltage Variable
Frequencyの略で、電圧と周波数を可変にして制御するものです。よく電車の発進時に、数回に渡って発振音が変化するのが聞こえれば、VVVFの車両です。


電車のモーターには、直流モーターが長く使われてきました。直流モーターは理科の実験で作ったのを覚えておられる方には懐かしいものですが、ブラシを使った整流子によって、極性を変化させています。


このブラシは、摺動部分があり磨耗するため、定期的な点検や交換が必要であったようです。電車のメインテナンスにおけるかなりの部分を、占めていたようです。さらに、電圧を制御するために、抵抗によって熱になっていた無駄な電力消費がありました。


ブラシがないモーターに誘導電動機がありますが、メインテナンス性に優れています。家庭で使われている洗濯機や掃除機、扇風機の類は、ほとんどが誘導電動機を採用しています。ただ、この誘導電動機の回転数は、電源周波数によって決まってしまいます。


電源が50Hzの地域と60Hzの地域で、洗濯機の回転速度が変わったりする事がありますが、これは誘導電動機の回転数が電源周波数の影響を受けるためです。


電車のモーターは、洗濯機等と違って、低速から高速までスムーズに可変できなければなりません。昔は、良いデバイスがなかったために不可能だったのですが、近年巨大なサイリスタインバーターの技術が発達して、電源周波数を連続的に可変する事が可能になってきたのです。


そして、今では直流モーターのチョッパ制御を経て、誘導電動機のVVVF制御による低消費電力化が、普及してきました。新しいCLIEの中でも同じように、電圧を変えたり周波数を変えたりして低消費電力化が行われていると思えば、電車の中でCLIEを使うのが楽しくなってきませんか?(そんなことでは楽しくなるわけがない!)