341.パーム普及作戦小学生編2: 保守的な学校教育 (2004/05/14)

今に限らず、学校教育、特に小学校の教育問題については、長い間いろいろな議論がされて来ました。そして、問題を解決するべく、多くの施策が採られて来ました。しかし、私達には改善されつつあると言う実感がないばかりか、さらに問題が大きくなっているように思われます。


学校、特に初等教育に期待するものは、個人ごとに異なっているでしょう。集団活動の場としての学校、知識を得るための学校、技能を獲得するための学校、社会人としての教養を身につけるための学校。様々な学校に対する期待があると思いますが、いずれにしても将来社会に出た時に、有益であることが重要です。


そもそも学校は、本来先進的でなければならないはずです。子どもたちが大人になったときに必要になることを先取りし、将来に来るべき社会のニーズに応える人材を育成しなければ、社会に出てから教育をやり直すことになります。


昔の寺子屋適塾などは、時代の変化をいち早く読みとり、必要になるであろう人材を養成していたに違いありません。


ところが、実際子どもが通う小学校を覗いてみると、その教育の現場は旧態依然としたものがあります。勿論変化があれば何でも良いというわけではありません。しかし、40年前とほとんど何も変わらず、黒板にチョークで書き殴った文字を、子どもたちがさもありがたい言葉を頂くようにノートに書き写しているのが、正しい姿なのでしょうか?もしこのような授業をしている英会話学校があったら、とっくに潰れているでしょう。


私立の学校の場合は、もう少し積極的に改善しようという意識が働いているかも知れません。しかしそれとて、日本の教育現場の平均よりましな程度で、決して将来の日本を担う人材を教育するに相応しいかどうかは疑わしいでしょう。


今なお「読み・書き・そろばん(計算)」に終始し、日本的教育価値観を満たすことに満足する日本の小学校教育からは、世界で互角に戦える優秀な人材を輩出することはできないでしょう。


では、なぜ今の初等教育現場が、旧態依然とし保守的なものになってしまったのでしょうか?


根強く残っている学歴社会、あるいは文部(科学)省の施策の問題などがよく議論されています。また、企業活動のような海外との競争がないことも、教育が自然に進歩することを妨げています。教育はその国の文化ですから、海外から教育そのものを輸入することは困難です。


小学校、特に公立の小学校は、競争原理が働かず、進歩のないまま時代に取り残されてしまっているのです。


教育現場に競争原理が働かないことに加えてさらに特徴的なのは、教育は結果がすぐには判らないと言うことがあります。


すなわち、革新的な教育をやろうとしても、その結果が出る(学校の卒業生が立派な人(?)になる事が世間に認められる)のは、教育が施されてから何年も経ってからなのです。


産業界では、新製品や特許によって一朝一夕に脚光を浴びる事があるのに対して、教育界ではその効果の確認が困難である為に、進歩的で革新的な教育を速やかに評価する事ができなかったのです。


産業界では、新たな業種が生まれ台頭してくることは珍しくありません。また新しい科学分野が創出されることも珍しくありません。大学では、新しい学部・学科を設立し、新しい科学分野に迅速に対応しようとしています。


しかし小学校では、昔から算国理社(特に国語)が勉強の中心で、多少の内容の変遷はあったとしても、保守的で新しい時代のニーズを取り込むことには無関心であるように見えます。


では、保守的な教育現場を変えていくには、どのようにすればよいのでしょうか?

342.パーム普及作戦小学生編3: IT化による教育改革 (2004/05/14)

最近になって、文部科学省はスーパーサイエンスハイスクールや、民間人の小学校長登用など、いろいろな施策を講じています。まだ始まったばかりなので効果のほどは分かりませんが、いろいろ試してみて有効だと思われるものを、継続的に推進して行くことは良いことだと思います。また、小学校から英語教育を取り入れるとか、パソコン教育を取り入れる等の改革も行われつつあります。


ところで、ユニークな教育を実施している私学には、産業界のバックアップによって設立されたものが少なくありません。例えば阪神間には、灘の酒所であったため「白鶴」「白鹿」によって設立された中高一貫校があります。保守的な日本の教育現場に変革をもたらすには、産業界からの教育に対する干渉が必要なのかもしれません。


実際、全国の高校生を対象とした合宿形式の「日本の次世代リーダー養成塾」が開催されるようです。学校の教育に任せるだけでなく、将来の社会を背負っていくリーダーになる人材を探し育成して行こうとする積極的な動きが、既に産業界にはあるようです。


さて、今小学校では、ゆとり教育の影響で授業時間が削減される傾向にあります。英語やパソコン教育を取り入れると言っても、授業時間のやりくりが大変になり、他の教科への影響も懸念されます。


しかしよく考えると、企業が情報システムに投資をしたり、パソコンを利用して日常業務を行うようにしたのは、業務を効率的に行うためでした。決してそのことによって、業務が増えたわけではありません。パソコンに投資を行ったのは、それに見合うだけの業務改善効果があったからです。


学校にパソコンを導入する場合、「パソコンを学校で教えようとすると、授業時間を増やさなければなりません。他の教科はこれまで通りの授業を行い、さらに追加でパソコンの授業を行うのですから、当然時間的余裕はなくなります。


しかし考え方を変えて、「パソコンを授業で利用しようとすれば、パソコンによって他の教科の授業を効率よく行うことができるようになり、逆に授業全体ではゆとりが生まれる可能性があるのです。


ところで、授業でパソコンを利用すると言っても、一人一人にパソコンを与えるのはコストがかかりますし、狭い教室には置くスペースもありません。このことが、これまで授業での利用を考えることができなかった理由の一つです。


しかし、私たちは明快な答えを知っています。そうです、パームです!!


掌に収まるパームならスペースの問題はありませんし、コストもパソコンより大幅にダウンすることができるでしょう。またすぐ手の届くところに置いて、授業中いつでも利用することができます。


パームを授業に活用することによって、全ての教科で授業の効率が高まり、さらにパームを通じてコンピューターの利用技術を体得する事ができるのです。


パームによる教育のIT化によって、教育そのものを改革する事が可能になるかも知れません。

343.パーム普及作戦小学生編4: パームが活躍する教室ーその1 (2004/05/14)

前置きが長くなってしまいました。要するに、保守的前近代的な日本の初等教育現場を、ITを取り入れることによって一気に活性化し、国際競争力のある教育システムを構築すると同時に、パームのユーザー層の拡大を図ろうというのです。


日本で教育にITを取り入れる場合、すぐにパソコンを導入して専用の教室に並べたがりますが、そのような教室で週に1時間だけパソコンを習っても、使い物にはなりません。ITは常に手元にあり、使える状態でなければ意味がありません。


そこで登場するのがパームです。palmOneのサイトに行けば、いくつかの教育での実例が紹介されています。


その中の一つである、"Willowdale Elementary School"を見てみましょう。この学校では、テクノロジーリーダーを目指して、幼稚園から小学5年生まで(K-5)パーム・ハンドヘルドが使われています。


他のゲーム機などの誘惑に負けないために、学校でのエキサイティングな学習環境が重要だとしています。全ての生徒は、パームとキーボードを1日中使い続けることができ、特別な課題が与えられたときは、家に持ち帰ることが可能です。


全ての教育カリキュラムに対して、パームを適用しています。例えば、ライティングでは、生徒たちは"WordSmith"というワードプロセッサーをはじめとする様々なツールによって、より簡単に、そしてより楽しく学習することができます。


また、5年生は理科と社会の勉強で、"Quizzler"というアプリケーションを使ってクイズを自分たちで楽しみながら作成し、単元が終了するごとに理解を深めあうのに役立てています。


ヴィンセント先生の5年のクラスでは、"Planet 5th"というインターネットのサイトを運営しています。毎日、先生は一人の生徒を指名し、サイトにその日学んだことについてのレポートを書かせます。生徒たちは、そのサイトが家族や友人やサイトを訪れる人に読まれることを知っているため、明確な目標を持って真剣に文章を書いています。


1日を通して生徒がパームを使えるようにすることによって、教育の可能性は飛躍的に高まります。パソコンを並べた教室で週1回授業を受けるよりも、机の上にあるパームの方がはるかに効果的なのです。


パームを使うことの一つのハイライトは、学年末に生徒たちがサイトに書いてくれたレポートを、ヴィンセント先生がまとめてCDに焼き付け、みんなに手渡すことです。生徒たちは1年間の思い出を、写真と共に記憶にとどめることができるのです。


ヴィンセント先生は、パームについて次のように語っています。


「この小さなコンピューターは、私のクラスに大きな変革をもたらしました。パームは、本当にあらゆる授業の側面で活躍しています。」