もう一つの例を見てみましょう。"Clark County School District"は、ネバダ州で、カジノ産業に次いで多くの就労者を抱える教育地区団体です。30,000人が働き、285,000人の生徒が属しています。
パームを採用するに当たり、生徒の学習達成度を改善すると共に、教師のパフォーマンスの改善にも焦点が当てられました。
パームの導入コストは、ソフトウェアを含めてパソコンの10分の1に押さえる事ができました。また、パブリック・ドメインの書籍をダウンロードし、"Palm Reader"と言うアプリケーションを使って読む事によって、200冊の新しい本を購入するよりパームを購入する方が、効果的な投資になりました。
2003年1月までに、3クラス分のパームのセットと、各教師に1台ずつのパームが導入されました。
化学の授業では、元素の周期律表のアプリケーション、"ChemTable"を使って、これまでに知っていた以上の情報を、参照することができます。
"Classroom Wizard"というアプリケーションは、教師が生徒にテストをして、リアルタイムに試験の結果を解析する事ができます。生徒も試験を楽しく受けることができます。教師は、生徒に試験を受けさせると、迅速に結果をいろいろな形式のレポートにすることができます。
生徒は、カフェテリアにあるHotSyncクレードル付きのワークステーションで、E-Bookやパブリック・ドメイン・テキストをダウンロードする事ができます。
理科の授業では、サイエンス・プローブを装着することによって、温度や運動を測定することができます。特に屋外で観察する場合、たとえノートブックパソコンでも大きくて重いのですが、パームなら簡単に持ち出すことが出来ます。
各教師は、生徒の情報を、専用のアプリケーションを使ってパームに構築しているため、緊急時の連絡先などがすぐに判るようになっています。
パームを使った授業をするメリットの一つは、これまでのように教師が黒板に書いた字を、生徒がノートに書き写す無駄な時間がなくなったことです。その代わり教師はノートと授業の概要を、生徒にビームするのです。
これによって、生徒は授業時間をより実践的な事に費やすことができ、50分間の授業をより有意義に生かすことができるのです。
生徒は、日常的にパームを使うことによって、これまでの分厚いバインダーから解放されます。パームの持つ魅力は、生徒たちにパームが学習に欠かせないものであることを、自然に気付かせるのです。