もうだいぶ前になりますが、「217.小数点記号論争 (2003/10/10)」で紹介した小数点の付け方の話題を覚えておられるでしょうか?その後、結果がどうなったか気にはなっていたのですが、ほったらかしにしておりました。遅ればせながらご紹介したいと思います。
小数点の付け方には、ピリオド(dot)「.」を使う国と、コンマ「,」を使う国があり、国際的な商取引や学会等で混乱を引き起こす可能性があるので、どちらかに統一を図ろうと言うものでした。
ピリオドを使う国には、日本を始め、中国、韓国、英国、米国などがあり、コンマを使う国にはフランス、ドイツなど、ヨーロッパを中心に多くの国があります。
パームでも環境設定で書式を選択しますが、国ごとにどちらを採用しているかを知ることができます。
一般に小数点にピリオドを使う国では3桁ごとの位取りにコンマを使い、小数点にコンマを使う国では反対に位取りにピリオドを使うため、さらに混乱に拍車を掛けることになります。
例えば、小数で「1.23」と「1,23」は間違えにくいでしょうが、「1.234」と「1,234」では、小数点なのか3桁ごとの位取りなのかがこれだけでは解らなくなってしまいます。
また、「1,234.567」と「1.234,567」となってくると、もうどうでも良いように思えてきます。
各国が使い慣れた方法を国際標準に採用してもらうよう働きかけたようですが、さて結果はどうなったのでしょうか?
第22回国際度量衡総会において決議されたという内容を要約すると、次のようになります。
- 小数点に使う記号は、ピリオドでもコンマでもどちらを使っても良い。
- 数字を読みやすくするために3桁ごとに数字を区切る場合、それらを分けるスペースには、ピリオドもコンマも挿入することはできない。
つまり、現状小数点としてピリオドもコンマも同様に世界中で広く用いられているため、どちらか一方に決めることはせず、同一文章中において統一されていれば、どちらを使っても構わないと言うことです。
また、3桁ごとに数字を区切ることは許されるが、スペースのみによって分け、ピリオドもコンマも使用してはならないとしています。
この3桁ごとに分ける方法は、既に1948年の会議で決められていたことの再確認をしたと言うことだそうです。
数字の間に挟むことができるのは、小数点としてのピリオドかコンマだけで、3桁ごとに分ける場合は、はるか昔からブランクに決まっていたようです。
ただ、1948年に決まっていたことを再確認するぐらいですから、定着していなかったのでしょう。たまに外国製のドキュメントで3桁ごとにブランクを入れた数字を見かけることがありますが、それほど多くの例があるとは思えません。
特にWEBやワープロ・表計算ソフトなどにおいてブランクを挟んだ数字を扱えば、どこまでが一連の数字か判断できずに途中で改行が入ってしまったり、計算を間違えてしまうことも考えられます。
コンマやピリオドを使うことが小数点と混同する可能性があるなら、代わりにアンダースコアを使うのも良いかも知れません。
いずれにしても、長く使われてきた表し方を変えて行くのは、パームの普及と同じぐらい難しいのではないでしょうか?