173.世界を駆け巡る冒険鞄 (2003/08/19)

残念ながら今まで全く知りませんでした。2.サイトの名前についてで書いたように、当サイトに名前は、"Palm""Globe Trotter"を足したものです。そして、その"Globe
Trotter"は、ダイヤモンド・ビッグ社の旅行ガイドしかないと思っていたのですが、ずっと以前から英国製の鞄の名前にあったようです。


ふとしたきっかけで、もらって読んでみたアメリカン・エクスプレスの雑誌に、その"Globe
Trotter"という鞄の広告が載っていました。1897年から手作りで作られているその鞄は、その頑丈性軽さで定評があるそうです。


基本的にはらしいのですが、バルカンファイバーと呼ばれるシートを積層して作るその鞄は、紙から来る軽さと、積層する事によって得られる頑丈性を併せ持つようです。ショットガンで撃たれても、貫通する事がないそうです。これは普通はあまり意味のないスペックですが、昔で言えば「象が踏んでも壊れない」みたいな分かりやすさがあります。


ブリティッシュ・エアーウェイズのパイロットが、特注品を使っているそうですが、丈夫さと軽さは航空機の旅では欠かせない条件なのでしょう。


最近の新しく開発された素材に劣らず、鞄としての必要な条件を備えた素材が、100年以上も変わらないで使われているのですから、パームで使われる技術も、必ず最新のものである必要はないのかもしれません。


もちろん、最新の技術によって可能になる事も多いですから、目新しさに着目したパーム製品も良いのですが、いつまでも変わらず落ち着きのある味わいを持ったパームも、そろそろひとつぐらい出てきても良い時期なのかもしれません。

172.Car Poolのお話し (2003/08/18)

asahi.comに、「トヨタ、マイカー通勤自粛呼びかけ 渋滞、環境対策」という記事が出ています。本社・工場の2万8千人の通勤時に起こる交通渋滞の解消の為に、最寄り駅からのシャトルバスを採用し始めたという事です。自動車メーカーが始めるのは違和感がありますが、自動車は渋滞のないところで快適に乗る物であるとの割り切った考えがあるようです。


交通渋滞排気ガスによる公害を減らす為に、自動車の利用を自粛しようという運動は、USでも昔からあります。1994年、ボストン・ローガンエアポートに向かって急いでいた私たちは、高速道路のI-95を走っているうちに、"Car Pool"と書かれた車線に入っているのに気づきました。最初は気にしないで走っていたのですが、そのうちに何度も"Car
Pool"という標識が目に入り気になるものですから、隣の車線に戻ろうとしたのですが、間にポールがあったり分離帯があって、車線を移動する事ができません。


"Car Pool"って何だろうと考えたのですが、車がプールに入るというと駐車場かなと思いました。ボストンの町の中の、大きな駐車場に行く人だけが通る車線に来てしまったのだと思いました。結局、街に近づくと自然と車線の仕切りがなくなって、自由に車線間を行き来できるようになったので安心したのですが、一時は空港に辿り着けないかとひやひやしました。


さて、その後"Car Pool"が、自動車の乗り合い制度であると言う事を知りました。都会では渋滞の解消が主な目的であるようですが、郊外に行くと、スクールバスがない学校に通う児童の為に、近所の家庭が共同で、送り迎えをする事が多いようです。


"Car Pool"は制度化されている地域も多く、地域を取りまとめる役割を持った事務所に連絡すれば、集合場所や当番制に関して、情報を得られるようになっています。


スクールバスがある場合では、治安が悪いからか、スクールバスの乗り降りする場所まで必ず親が付き添います。子供だけで道を歩いている事は、まず見た事がありません。通学時に、いかなる事故も起こさない様に、徹底的に危険を排除する姿勢が感じられます。スクールバスのあの無骨な形も、安全性を優先した物だそうです。


そう言えば、私が学校で英語を習い始めた中学1年生の頃、学校の帰りに友人と2人で歩いていると、アメリカ人とおぼしき一人のご婦人に、訪ねられた事がありました。「君たち、カープールはどうしたら良いか知ってる?」、てな事を聞かれたような気がします。もちろん英語で。


もう30年も前の事です。しかも、英語を習い始めて間もなく、"This
is a pen."な私たちは絶句しました。最近はあまり見かけなくなりましたが、以前は駐車場には「モータープール」と書かれていましたから、てっきり聞き間違いだと思い、「モータープールはあそこにあります。」みたいな答えをしたように思います。


ご婦人は、「モータープールではなく、カープールなのです。駐車場ではありません。」みたいに食い下がるのですが、そもそもそのような物を知らない上に、英語もThis
is a penな私たちは、必死に理解しようとするのですが、いつまで立っても平行線のままです。30分ぐらいでついにご婦人は諦めて、その場を去って行ったのでした。


その方は、おそらくそれまでも何人かの日本人に訪ねてきたのでしょう。しかし、当時の日本人は、外人が寄って来て話しかけるだけで、首と手を横に振って顔を背けて立ち去る人がほとんどでしたから、私たちのような中学生なら、経験しているので一番知っていると期待して、話し掛けてこられたのでしょう。恥ずかしながら、ボストンで再び"Car
Pool"に出会った時も、中学生だった頃と同じ発想しかできなかったのでした。


ボストンでの経験からしばらくして、私はやっとカープールの本当の意味を知る事になります。もし今、そのご婦人が私に訪ねてこられたら、的確にお答えできるのにと思うと非常に残念です。


今ならこう答えます。「日本にはカープールの制度はありません」と。

162.復活もまた楽し (2003/08/05)

2週間半ぶりに、無線LANアダプターが修理から戻って参りました。本体が交換されたらしくMACアドレスが変わってしまった為、アクセスポイントをリセットして再度設定をし直しました。更に、これまで64ビットだったWEPを、128ビット対応に変更しました。


何か使い続けていた物がなくなると不便を感じますが、戻ってきた時にはすごくうれしく感じます。これはどうも、何か新しいパームでも買ったのと同じ喜びに思えます。と言う事は、時には身近にある物を隠してみて不便さを実感して復活させると、お金を使わずに喜びを感じる事ができると言う訳です。


使い続けている物には飽きてきている場合がありますから、なくなってもそれほど困らない事があります。しかし、しばらくしてから復活させると、なんとも新鮮楽しくなってくるのです。まあ、不況の時期の楽しみ方としては冗談抜きに有効ではないでしょうか?


ところで、今日久しぶりにHotSyncしたら、何と1ヶ月ぶりでした。電池が切れたり、デスクトップパソコンがLANにつながらなかった為使っていなかったのですが、いろいろと不便を感じるようになってきて、復活させたのですが、これが実に新鮮です。


さて、バージョンアップもしてバンドルソフトも付いた、人気沸騰のおにぎりなどを、そろそろ試してみようかと思っています。

160.データー入力は面倒臭い? (2003/08/01)

ここで、なぜパームを含めたPDAが、携帯電話や電子辞書の様に普及しないかについて、考察してみたいと思います。(少しやけくそ!)


一言で言えば、そんなに世間の人々は自分ではデータを作らないと言う事です。


確かに、メールアドレスなど一過性のデータは携帯電話でも入力します。しかし、それはデータと言うよりはコミュニケーションであり、データを価値のある情報として長い期間保存しておくといった類いの物ではありません。


電子辞書の場合も、大量のデータが予め詰まっていますから、自分でデータを作る必要はありません。


パームを初めとするPDAは、データを作成し保存するところに特徴があります。備忘録であったり、データベースであったり、DOCであったり形式は様々ですが、データを情報として保存しておき、必要に応じて取り出す事ができます。


問題は、このデータを作成すると言う事が面倒な事です。スケジュールやアドレスやToDo等、それらを忘れると困るから、面倒でもデータとして記録しておくのですが、困る度合いと面倒臭さの度合いを天秤にかける訳です。困る度合いが高ければ面倒でもデータを作成するのですが、世間一般には面倒臭さが勝る方が多いと言う事なのでしょう。


例えば、楽器演奏と音楽鑑賞。鑑賞する為の機材はどこでも手に入りますが、楽器屋はそれ程多くは見かけません。楽器を演奏できれば楽しいと思っていても、なかなか実際にはできないものです。


仕事で使うパソコンでは、無理矢理データを作成しても(それでも切り貼りが多いでしょうが)、仕事以外でデータを作成・入力するのは、好きでないとできない事かもしれません。キーボード付きのPDAが好まれたりするのも、データ入力が面倒臭いからに違いありません。


つまり、面倒臭くない携帯電話や電子辞書は普及して、面倒臭いPDAが普及しないと言うことなのです。音声入力以心伝心(?)が実現しないと、これ以上の普及は望めないのでしょうか?

159.電子書籍も携帯電話が主役か? (2003/08/01)

日経エレクトロニクス7月21日号に、「読書端末からベストセラー -ケータイが開く電子書籍の新局面」と言う記事が掲載されています。電車の中等の暇な時、昔は本を読む事しかなかったが、今ではメールやインターネット閲覧やゲームをしながら時間をつぶす事が多くなったと、現状を説明しています。


ところが、これまで読書の敵であった電子機器によって、新たなベストセラーが電子書籍と言う形になって出現しようとしていると言っています。これまでも電子書籍の試みは、専用端末やPDA、パソコンによって幾度となく行われてきたのですが、すべて不発に終わったと言っています。


今、電子書籍としての利用が期待されているのは、携帯電話電子辞書です。これらに採用されている液晶の進化によって、文字を見るから読むへ、写真を見るから鑑賞するへと変化しつつあるそうです。文庫本の1ページと同じ文字を同じ品質で、一画面に表示できるようになって来たようです。


一方電子辞書は、元々辞書と言う本を表示する為にありますから、電子書籍としての機能に問題はなさそうです。携帯電話と電子辞書を電子書籍として利用する以外にも、読書専用端末の開発もされており、完全にPDAは、電子書籍の蚊帳の外にいるように感じます。


特に気になるのは、PDAは電車の中で書籍を読むのに、ちょうどよい大きさであるのに、電子書籍の主役に慣れなかった理由です。それは、PDAでの電子書籍の購読者の8割が、30-50代の男性だったそうです。あまりにも読者が偏っている為、書籍ビジネスとしては大きく展開していく事ができなかったそうです。


そもそもPIM機能などを使おうとする人は、30-50代の男性に多いように思われますから、パームなどのユーザーに偏りがあるのは仕方がないでしょう。


PDAに電子書籍が載らなかった理由が、ユーザー層の偏りにあるのだとしたら、皮肉な話しですがPDAからPIM機能を取り除く事が、PDAの普及に一番効くのかもしれません。PIMのないPDAを、PDAと呼べるかどうかは別ですが。