中国の有人宇宙飛行が成功して、内外で様々な反応が見られるようです。中国の驚異の技術力を賞賛する声がある反面、軍事的な脅威としても捉えられているように、なかなかインパクトのあるニュースであったと思います。
中国はまだ発展途上国であると言っているようですが、旧ソ連や米国が有人飛行に成功した時には既に大国であったわけで、そのような経済的に発展しきっていない状態でも、宇宙に飛行してしまえる辺りがやはり大国なのでしょうか?
ところで、戻ってきた飛行士が、「万里の長城は宇宙からは見えなかった」と言ったそうです。万里の長城は、長らく宇宙から見える地球上の唯一の建造物とされてきましたが、宇宙は思ったより遠かったと言うことでしょうか。あるいは、近年風化が進んできていると言われている長城が、予想以上に崩れてきているのかもしれません。
宇宙からでも見えると言われると、「さすがは万里の長城だ!」と感心していたわけですが、根拠が無くても断言されると信じてしまうものです。そういえばだいぶ前になりますが、似たような話があったことを思い出しました。
まだ野球場に球速の表示がなかった頃、ある野球解説者が、当時最速と言われていた江夏投手のピッチングを見ながら、
「時速200キロの新幹線より速い球を投げられるのは、江夏投手だけでしょう!」
と言っていました。その当時はその解説者だけでなく、一般的にそう信じられていたのです。最近になっていろいろなスポーツの球速が測定されるようになって、野球のピッチャーの球が時速200キロメートルを超えるとは誰も思わなくなりましたが、昔は遠ざかる新幹線にボールをぶつけられるのは、江夏投手だけだと信じていたのです。
データがすべて信じれるわけではありませんが、データのないものはさらにいい加減であることが多いようです。
さて、中国が誇る万里の長城が宇宙から見えなかったでは済まされません。次の飛行ではドデカイ望遠鏡でも搭載するのでしょうか?