「119.ウッドコーンスピーカー」で紹介した製品が、11月についに発売されるようです。asahi.comに「カバ材で振動板、温かい音のスピーカー ビクターが発売」と言う記事が掲載されています。木の温もりを音にして感じることが出来る、楽しい製品だと思います。スピーカー単体の製品としては販売されないのが残念ですが、今後人気が出てくれば可能性があるかもしれません。
今は多くの製品に金属や樹脂が使われています。最初の内は光沢もあり、表面の加工によって様々な面様に出来ますから、高級感を出したりしっとり感を出したりと自由自在です。しかし年月が経ってくると、酸化や浸食されたりして、新品の時の輝きが失せてきます。
一方、木の材質には、工業的に作られたものとは違った、自然の恵み的な暖かさを感じます。勿論、木も年月が経てば古くなってきますが、うまく枯れた感じになると、年月がかえって風格をもたらすのです。
そもそも、木は伐採された直後よりも、松・杉の場合等は300年ぐらい経った方が堅くなり、強度が増すと言われています。また、楽器に使われた場合は、音を出すことによる振動によって、内部の水分含有量が均一になり、音質が良くなると言われています。木で作られたものは、大切に使えば永く使い続けることができると言うことでしょう。
永くと言えば地球上で一番大きな生物と言われているものに、カリフォルニアにだけ群生する「セコイア」、通称ジャイアントセコイアがありますが、樹齢は3000年に及ぶものもあるそうです。3000年程も生きていると、同じ木が落雷に遭うことが何回もあるそうですが、それにも関わらずしぶとく生き続けているそうです。
当サイトのアドレスに使われている「レッドオーク」は、アメリカ北東部が原産の広葉樹(ハードウッド)で、日本で言えばナラに相当する利用範囲の広い樹木です。ウイスキーの樽に使う「ホワイトオーク」に似ていますが、少し赤みがかかった色で、なかなか暖かみがあって私の好みです。
オランダ製の家具には、オーク材で作られ、黒っぽい塗装を施して仕上げられたものがあります。色合いに加えて堅い材質により、重厚感のある質感が特徴です。
木材と言えば、南洋材のラワンのように伐採によって資源が枯渇する可能性が言われ続けているものもありますが、レッドオークは自然に生長している量が伐採量を上回っているそうで、これからも安心して利用できそうです。
最新のテクノロジーを使った電子機器も楽しいですが、太古の昔から人類が利用してきた木の感触を改めて確かめるのも、また楽しいのではないでしょうか?