桃花鳥が七羽に減ってしまったと新聞の片隅に
写りの良くない写真を添えた記事がある
ニッポニア・ニッポンという名の美しい鳥がたぶん
僕等の生きてるうちにこの世から姿を消してゆく
さだまさし 前夜(桃花鳥)より
日本産のトキの最後の1羽がついに死んだそうです。日本の野生絶滅として登録されていた、トキが本当に全滅したことになります。(野生絶滅は、野生には存在せず絶滅危惧種よりさらに悪い状態のものを指すようです。)
大正時代までは日本中にいたそうですが、桃花鳥と呼ばれるようにピンク色の羽に高値が付いて乱獲され、絶滅に至ったようです。保護のもとに、繁殖を試みれば容易に数を戻せると考えたが、結果は人間の思うようにならなかったと言うことでしょう。
我々は、時として安易な行動に出ます。何とかなると思っている内は良いのですが、何とかなるかどうかはやってみなければ分からないことも多いのです。今現在でも、多くの絶滅危惧種がいます。
ニッポニア・ニッポンだけの話ではありません。人類も、全体的に見れば危機的状態にあると言えます。エイズの感染者の増加や、人口の増加と飢餓、地球の砂漠化等、既に手遅れになっているかもしれません。
約20年前にトキが7羽になってから、繁殖の努力の甲斐もなく時が過ぎ、最後のトキの寿命が尽きたのです。人類の知恵は、ことトキに関しては無力だったようです。
人類が、自ら絶滅危惧種に登録する様な事にならないことを、願うしかありません。