昨日のワールド・ビジネス・サテライトで、ブリヂストンが開発した電子ディスプレーを紹介していました。ブリヂストンのサイトに行ってみると、10月20日付のプレスリリースが掲載されています。
「電子粉流体」と呼ばれる素材を使って、一度表示してしまえば後は電源を切っても画像を保持し続ける事ができるそうです。電子ペーパーは多くの企業によって研究がなされていますが、タイヤメーカーのブリヂストンが電子ディスプレーとは、不思議な感じがします。
「電子粉流体」と言う言葉は、ブリヂストンの登録商標らしく気安く使えないのですが、言い換えると、「電気的に制御可能な流動性粉体」とでも言えましょうか。(あまり変わっていない!)
粉でありながら、液体と同じ様な流動性を持ち、電気に反応することから、画像を描くことが出来、なおかつ粉体であることから、電源を切っても画像を保持することが出来るそうです。
その他にも、優れた特徴として、高視認性、広視野角、高速応答性等があり、しかも基板の間にこの電子粉流体を挟み込むだけの簡単な構造で出来るそうです。
今回製品化された「電子プライスタグ用ディスプレイ」は、スーパーなどの商品陳列の棚にある値札を置き換えるもので、これまでのように手で値段を書く替える必要がなく、毎朝本社から一括して新しい値段に更新する事ができるそうです。
さらに、これから中大型のディスプレーを商品化して行き、法的な規制によって生産者や産地情報を商品にタイムリーに表示することも考えられているそうです。
これまでの液晶ディスプレーに比べて非常に薄いため、電子書籍などへの応用も考えられるでしょう。またPalmを始めとするPDAや携帯電話などに使えば、複雑な形のディスプレー、例えば円筒形のディスプレーがあったりすると新たな可能性が開けるかも知れません。本体すべてがフレキシブルなディスプレーで覆われていて、気分によって模様を替えることが出来れば、palm100の着せ替えカバーの未来版と言えるでしょう。
折り曲げる事ができるほど薄いディスプレーによる電子ペーパーは、これからの電子書籍などで必要とされる技術として注目されています。
新しいテクノロジーによって、全く新しい製品が実用化されることは良くあることです。このフレキシブルで低消費電力なディスプレーによって、人々に夢を与える製品が生まれて来ることを期待しましょう。