383.デジタルの向こうにアナログがある (2004/09/17)

今日、仕事に帰りに久しぶりに梅田にヨドバシカメラに寄ってみました。相変わらずの混雑ぶりで、特に全店でポイントアップを行っているようで、いつもより多くのお客さんで賑わっていました。


ヨドバシカメラには白物家電と呼ばれる家庭電化製品もありますが、中心はやはりデジタル家電と呼ばれるものでしょう。音楽、写真、ビデオ・テレビ等の何らかの情報を伝達するための製品は、今はほとんどがデジタル技術を駆使したものなっています。


そればかりか、代物家電の中にもマイクロプロセッサーは必ず内蔵されていますから、家電製品の中でデジタル技術を使っていないものを探す方が難しいかも知れません。


デジタルと言う言葉が、一般大衆に対して初めて使われたのは、おそらくデジタル時計でなかったかと思います。「デジタルって何?」と面と向かって質問することがまだ出来たその頃、山口百恵がテレビCMで「デジタルゥーはカシオ♪」と歌っていたのを覚えています。(古い!)


それからCDが普及し、MDが登場すると一気にデジタル製品が溢れ出しました。今では、「デジタルって何?」などと聞くことが出来ないほど、誰もがデジタル家電に埋もれています。


これほどデジタル製品が多くなってきますと、アナログと言う言葉自体が何か古めかしいもののように聞こえますが、今でもデジタル製品の中には必ずアナログ回路が活躍しているのです。

ソフトウェアでいろいろな高級言語が登場しても、ハードウェアを動かす部分でアセンブラーが使われているのと同じように、デジタル製品と言えども電気信号によってハードウェアを動かす回路は、アナログでなければならないのです。


例えば、DVDレコーダーのモーターを動かす場合、実際にモーターの動きは電圧と電流で決まるわけで、それを10Vで0.1Aと決めるまではデジタルで表現できたとしても、モーターにインプットされるのはアナログ信号です。


また、如何にCDの信号を読みとるピックアップの出力信号が、CDの表面に1ビット単位でとして記録されていても、まずアナログの電気信号が出力され、それをアナログーデジタル変換(DAC)を通して初めてデジタル信号になるのです。


しかも、アナログからデジタルへの相互変換に誤差があれば、ただちに音質や画像ノイズになってしまいますから、アナログの回路設計技術の精度は、デジタル製品が高度になればなるほど、より高いものが求められます。


今や表には出てこないアナログ技術ですが、「縁の下の力持ち」としてデジタル製品の発展に貢献しているのです。