569.ミネソタ見聞録8: ミシシッピー川を見に行く (2006/01/26)

ミシシッピー川と言えば北米を流れる代表的な川ですが、その源流はミネソタにあるそうです。先週の日曜に、なんとなく見に行きたくなって、ドライブがてら出かけて参りました。


ミネソタの南東部、ウィスコンシン州との境をミシシッピー川が流れています。ミネアポリスから1時間と少しと言うところにワバシャ(Wabasha)という小さな町があり、州道の60号線で小高い丘に登れば、悠々と流れるミシシッピー川を一望に眺めることができます。


このあたりには比較的多くの橋がかかっていて、川をどちらの側からでも眺めることができます。ミネソタ側のワバシャから橋を渡ってウィスコンシン州に入ったところにあるのがネルソン(Nelson)で、町の中心に(といってもまばらに建物があるだけですが、)結構有名なチーズやみやげ物を売る店があります。


店に看板も何も掛かっていないのでそのまま通りすごしてしまいそうですが、ここを通る車は必ずといっていいほど立ち寄っていくようです。すぐ横には,これまたアメリカ人が好きそうなキルティングやトールペイントなどのクラフトショップがあります。


この町を貫くのがウィスコンシン州道35号線で、ローラ・インガルス・ワイルダー・歴史街道(Laura Ingalls Wilder Historic
Highway)
として整備されています。ネルソンから川を遡ると、すぐに大草原の小さな家のローラの生まれ故郷、ぺピン(Pepin)があります。「大きな森」としてローラの回想録に出てくるところです。


ぺピン湖のほとりにあるとされていますが、実際は湖ではなく、ミシシッピー川の幅がひろくなっている部分当たります。


さて、ネルソンから川を下っていくと、アルマ(Alma)というこれまた小さな町に着きます。ここにはミシシッピー川にダム(といっても堰(せき)という方が分かりやすいですが)があり、"Lock and Dam 4"と呼ばれています。このあたりは火力発電所が町ごとにあり、特に石炭で発電をするためか長い貨車を引いた貨物列車をよく見かけます。


ダムなどで川の水位が上がり動植物の生態系に影響を与えていたため、2005年に水位を下げる工事が行われたようです。確かに川の中や岸に多くの低層の植物が群生している個所が多く存在しています。


しばらく行くと、ミネソタ側にウィノナ(Winona)という少し大きな町に橋があり、ミネソタ側に戻ることができます。このウィオナから、テレビの「大草原の小さな家」で主な舞台となったミネソタ西部にあるウォールナット・グローブ(Walnut Grove)を結ぶのがUS14号線で、沿線にはマンケート(Mankato)など、テレビで何度か登場したことのある街が存在しています。


半日でドライブしたのですが、やはりミシシッピーという独特の雰囲気があり、トム・ソーヤーの映画のひとコマを思い浮かべながら、「オー・リバー!」と叫んでしまいました。


ところで、この辺りのお店で買い物をすると、"Have a good one!"とよく言われるのですが、何のことかよく分かりませんでした。地元の人たちに聞くと中西部の方言だそうで、"Have a nice day!"と同じなのですが、最初は"One"が何をさしているのかとても気になりました。


また、初めて会った人が自分の名前を紹介するときに、スウェーデン系だとかドイツ系の名前であるという説明を付け加えることがあるのですが、開拓者であった先祖に誇りを持っているのでしょう。


のんびりして控えめでありながら、どこかに頑固さを秘めているのが、ミネソタの人の気質であるように感じました。

568.ミネソタ見聞録7: ミネソタにメイヨークリニックあり (2006/01/22)

ミネソタを特徴付けるものとして、モール・オブ・アメリカワイルドライスだけでは、少し物足りないと感じられる方も多いことでしょう。そこで、ミネソタならではの取って置きのものを紹介いたしましょう。


ミネソタで世界に名だたるものと言えば、メイヨークリニック(Mayo Clinic)に他なりません。ミネソタ州の東南部にあるロチェスター(Rochester)という街にあります。


ロチェスターと言えば、コダックの本社があるニューヨーク州の街が有名ですが、アメリカ全土にロチェスターと言う街は、なんと19もあるそうです!ミネソタのロチェスターは、人口が8万5千人ほどでけっして大きな街ではありませんから、19もあるロチェスターの中では埋もれてしまっていても当然でしょう。


この片田舎の小さな街に、世界中から多くの人たちがメイヨークリニックを訪れるそうです。もともとは竜巻で被害のあったロチェスターの街に、メイヨー兄弟が診療のためにやって来たのが始まりですが、今や世界でトップレベルの医療を提供する総合医療施設となっています。


その医療が高度であることから、世界中の有名人が治療のためにやって来るそうですが、自家用飛行機で来る金持ちのために、近くのロチェスター空港は、小さいながらも国際空港になっているそうです。


また、治療を受けた金持ちの寄付によって、大きなビルが建てられており、それぞれに寄付をした人の名前が付けられたビルが林立しています。市内の主要な建物の約80パーセントが、メイヨークリニック関連の施設だといわれています。


市内のダウンタウンは寂れ、ショッピングモールもそれほど賑わっているわけではないのに、病院は朝6時半のオープンとともに人々が押しかけ、7時にもなればロビーは多くの人たちで溢れかえるのです。


それほど世界中から治療のために人が集まるのなら、余程すばらしい医療が提供されているに違いありません。ぜひ一度どのような医療が行われているのか、試してみたくなりました。


海外医療保険診察の予約方法を、一つ一つ調べながら進んでいくのですが、結構手続きが大変です。なんせ旅行者の身ですからスケジュールも自由ではありませんが、うまい具合に事が運び、何とか診察していただくことができるようになりました。


実は明日の月曜日に予約がとってあり、どのような顛末になるかまだ判らないのですが、海外医療の一例として、一部始終を別の特集にてご紹介させていただきたいと思います。ご期待ください。(期待に応えられるほどおもしろくなれば良いのですが。)

567.ミネソタ見聞録6: ミネソタには卵よりワイルドライスがお似合い (2006/01/22)

「ミネソタの卵売り」について、「日本で昔そんな歌があったのだが、」と同僚に話すと、「ミネソタと卵か、それは鶏の卵か何かほかの動物の卵か?」と聞かれてしまいました。ミネソタと卵はあまり関係がないのかもしれません。


彼は続けます。「ミネソタの名物といえば、ワイルドライスかなぁ。ワイルドライス入りのスープがポピュラーだからね。」と言います。しかし他にも農産物なら何でも作っているので、特にワイルドライスが有名になるほどのことではないようです。


昨日もミネアポリス近郊のモールオブアメリカ(MOA)に行って来ました。本当は予定には入っていなかったのですが、先週注文した品がホテルに届いたら、型番が違っていて交換しに行ったのです。


すでに場内にある遊園地は、「キャンプスヌーピー」という看板を下げていて、"The Park at Mall of America"という名前に変わっていました。新しいスポンサーが名乗りを上げれば、その名前を冠したものになるだろうと思われます。


園内の売店では、スヌーピーグッズのセールが始まっていて、一番値引き率の高いものでは6割引になっていました。ただし、遊園地に来ている人たちの中で,遊園地の名前からスヌーピーが消えた事を知っている人は少ないかもしれません。


相変わらずモールオブアメリカの繁盛ぶりはすごいものがあります。これだけの規模がありながら、どこに行っても人が多く賑わっています。


ミネアポリスの近くには、いくつかのアウトレットモールがあります。日本でもおなじみのチェルシープレミアムアウトレットが最大のもので、ミネアポリスから北西に30分ぐらい行ったアルバートヴィレ(Albertville)にあります。


そこに先週行った時に、英語に続いて日本語で案内がアナウンスがされていたのに驚きました。それほど日本人が大挙して訪れる場所ではないだろうと思いますが、ミネアポリス・セントポール(MSP)の空港を中継地点にするツアーも以前はありましたから、その名残かもしれません。


また、ミネアポリスから1時間南に下ったところにある、メッドフォード(Medford)にもアウトレットがありますが、規模や取り揃えるブランドではプレミアムアウトレットの方が充実しています。ただ、地元の人には人気が高いようで、週末には近くの町から続々と車でやってくるようです。


今年は記録的に暖かいそうで、だいたい朝晩で-3℃前後ですから鼻毛が凍るようなこともありません。しかし、昨晩は雪の吹き溜まりが強風で高速道路上に堆積し、通りがかっただけで横転した車を2台見ました。道路状況が急に変化するのには注意をしなければなりません。


とにかく寒い地方ですから、冬の間はどうしても屋内でできることが中心になります。買い物のための施設は、そんな冬の長い地域にすむ人の唯一の楽しみなのかもしれません。

566.ミネソタ見聞録5: Treo700wをUSA Todayに見る (2006/01/16)

滞在しているホテルでは、フロントに毎朝新聞が積んであり、自由に持ち帰ることができます。週末だけはローカル新聞が置かれているのですが(私はこちらがお好み)、ウィークディはUSA Todayが置かれています。


USではどこでも手に入る全国紙で、毎週木曜日には"Personal technology"として、新製品の紹介記事などが掲載されています。1月12日号の記事で、Palm Treo 700wが取り上げられていたので、少しご紹介したいと思います。


結論から言えば、総評として4つ星が満点として3つ星の評価です。2年間のモバイル契約付きで399ドル、Verizonのネットワークが使えてGoogle Searchも利用でき、マイクロソフトのモバイル・オフィスとブルートゥースが内蔵されておりところが良い点。


悪いところは、PalmベースのTreoとは同じように使えないところ、すなわち何らかの動作には必ずPalmベースに比べて多くのボタン操作を必要とすることとされています。


Treo 7000wの最大の特徴は、マイクロソフトのOSで稼動するということより、Verizon Wirelessの高速ネットワークに接続することができることで、400-700Kb/sの通信速度を得るとしています。


画面の精度が240x240となるため、Treo650の320x320より解像度が落ちることと、画面が暗いことが指摘されています。また、直接太陽光を浴びると、認識が困難になるようです。今すでにTreo650を使っている人なら、Treo700wに切り替える程の魅力はないと断言しています。


これまでのPocket PCが、よりシンプルなPalmOSと同じようなユーザーフレンドリーなインターフェースを持つに至るには,大きなハードルを超えなければならないだろうと言っています。


初めてPCのOutlookと同期を取ろうとしたら、如何にもwindowsらしい訳のわからないエラーに見舞われたとのこと。PalmOSは、USでは健在と見ました。

565.ミネソタ見聞録4: パーム売り場 (2006/01/15)

さて、日本でパームの売り場を見つけるのには一苦労するわけですが、滞在しているミネソタの小さな町ではすぐに見つけることができるでしょうか?


土地勘がないので、どんな店に売っているのかよく判らない上に、どの店がどこにあるかも定かではありません。目星をつけたのは、まずWalmartを始めとするディスカウントストアーです。


Zire22は発売されたとき、スーパーのレジの横にブリックパックでぶら下げて売ると言われていましたから、結構期待していったのですが、iPodはあってもPalmを始めとするPDAを見つけることはできませんでした。確かにWalmartは売れるものしか置きませんから、当然といえば当然のことかも知れません。


これは、Walmartに似た形態のTargetKmartにも共通しています。結局これらのディスカウントストアーでは、PDAの類いを見つけることはできませんでした。


Targetは、Walmartとよく似た店舗を展開していますが、少しだけ高級志向と言えましょうか。同じようなものに見えても、1割ほど高い商品が並んでいます。店の雰囲気も、少しきれいに見えます。ミネソタが発祥の地だということで、地元での人気が高いようです。


Kmartは、逆にWakmartより低価格品に寄っています。相変わらず雑然とした店内の雰囲気は、いつ行っても閉店セールのように散らかっていて、いかにも安いものが転がっている雰囲気(実際に転がっている!)は、販売戦略として実践しているとしたら立派。


さて、Palmを探すのに一番確実なのは、いわゆるオフィス用品を扱う店です。試しにStaplesという店に行ったらありました。Palmが5機種(Zire22、T/X、T5、Treo650、LifeDrive)とiPaqやアクセサリーもあり、十分な品揃えといえるでしょう。また、Office Maxと言う店にも、種類は少なくなりますが、3機種のPalmを見ることができました。店員に聞くと、展示していない機種も在庫があるかもしれないとのこと。


あとBest Buyという電気製品を専門に売っている店でもPalmはありましたが、ここでは展示品がいわゆるモックアップで、印刷された画面が貼ってありました。売り場はMP3プレーヤーの横に並んでおり、本気で売ろうとはしていない様子です。


まあ総じて言えば、Palmは店に行って買うよりは、通販で買ったほうがよさそうでしたね。お客さんが少ないので、売れているのかいないのかも、よく判りませんでした。


さて、Palmを探しに行ったディスカウント店の評価ですが、私にはWalmartが合っているようです。その後家庭用品を買いに行った時も、Walmartで買ってしまいました。Walmartの横にはSam’s Clubという会員制のホールセールの店があり、年額40ドルの会費を払ってでも安く大量に買おうとする人がたくさんいるようです。


Walmart, Target、 Kmartと、小さな町に同じ種類の商品を扱う3つの大規模ディスカウント店があり、それぞれが特徴を出しながら顧客を分け合って共存しているところに、なぜか興味を持ちました。